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【完結済】異世界複製錬金術師~所有した物を無限コピーするチート錬金で武器も罠も量産無双~  作者: あくす
第四幕 反撃編~対四天王~前編

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第161話 : 銀貨の山と執務室の約束

エナとのデートを終えて屋敷に戻ったその足で、俺は事務作業に追われているカミラを執務室に呼び出した。


「ご主人様、お呼びでしょうか、エナから聞きましたわ。随分と素敵な贈り物をエナにされたとか」


カミラが少しだけ羨ましそうに、エナの新しいワンピースをチラリと見てから俺に視線を戻す。


その瞳には、いつもの冷静な秘書としての顔と、少しだけ拗ねたような少女のような色が混ざっていた。


「ああ。エナには苦労をかけたからな。……でも、カミラ。お前にも同じくらい、いや、それ以上に感謝してるんだぞ」


俺はカミラの隣に歩み寄り、彼女の手をそっと取った。


いつも完璧に家事をこなし、書類を整理してくれるその指先は、よく見ると水仕事のせいで少しだけ荒れている。


「……っ、急にどうされたのですか。ご主人様っ」


カミラは顔を赤くして手を引こうとするが、その力は弱かった。

俺は構わず、彼女の指先を優しく撫でる。


「エナから聞いたよ。夜遅くまで書類を片付けて、朝早くから掃除をしてるって。……カミラ、俺はお前に、もっと自分のための時間を作ってほしいんだ」


「それは……メイドとしての本望ですわ。ご主人様が快適に過ごせるなら、私は……」


「俺の快適には、カミラが笑顔でティータイムを楽しむ時間も含まれてるんだよ。……だから、相談があるんだ」


俺は彼女を近くの椅子に座らせ、自分も距離を詰めて座った。

カミラがさらに耳まで赤くして身を縮めるのが、なんだか無性に愛おしい。


「掃除とか洗濯……特に、あの重いシーツの洗濯や、広い廊下の拭き掃除。これを自動にできないかと思ってな」


「自動……ですか? 魔導人形でも導入されるおつもりで?」


「いや、もっとシンプルで、この世界の文明を壊さない程度の道具だ。例えば、洗濯。桶の中に服を放り込んだら、すすぎから脱水、乾燥まで一気に終わらせてくれる箱はどうだ?」


カミラはポカンとした顔で俺を見た。


「……そんな、貴族顔負けの代物、魔法でも聞いたことがありませんわ。汚れはどう落とすのですか? 乾かすのは?」


「水魔法の渦で汚れを飛ばして、風魔法と熱変換の魔石で一気に乾燥させる。俺の複製技術なら、中身の回路を最適化して箱に詰め込むだけだ。これがあれば、お前が寒い日の冷たい水に手をさらすこともなくなる」


さらに、俺は床を指差した。


「掃除もだ。手のひらサイズの自律型スライム核を組み込んだ掃除機を作る。そいつも俺が複製した回路で制御するんだ。そいつが勝手に屋敷中を走り回って、ゴミを吸い取ってくれる。お前はただ、そいつが溜めたゴミをたまに捨てるだけでいい」


「……ご主人様、それは本当に実現可能なお話なのですか?」


カミラが疑うような、でも期待に満ちた瞳で俺を見つめる。


俺は彼女の肩を抱き寄せ、耳元で囁いた。


「ああ。今の俺には、これまで磨いてきた複製技術と、倉庫から溢れるほどの銀貨がある。ピヨちゃんが稼いでくれた資金を、全部カミラの笑顔のために使ってもいいと思ってるんだ」


「……っ、もう、口が上手いのですから……」


カミラは俺の胸に顔を埋めるようにして、小さく呟いた。

その体温が伝わってきて、執務室の中に甘い空気が流れる。


「でも、もしそんなに時間が余ってしまったら……私は何をすればいいのでしょう」


「決まってるだろ。俺と一緒に、新しい料理の試作をしたり、庭で昼寝をしたり……。たまには、俺を甘やかす時間も作ってくれよ」


「……ふふ。それは、今でもしておりますのに」


カミラが顔を上げ、少しだけ潤んだ瞳で微笑んだ。


方針は決まった。


まずは全自動・魔力式ドラム洗濯機と自律型お掃除スライムの開発だ。

この潤沢な予算があれば、最高級の素材を惜しみなく使える。

カミラを驚かせ、エナを喜ばせ、そして屋敷全体を魔法のハイテク邸宅に変えてやるんだ。

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