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【完結済】異世界複製錬金術師~所有した物を無限コピーするチート錬金で武器も罠も量産無双~  作者: あくす
第四幕 反撃編~対四天王~前編

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第157話 : 宿命の光


「……無駄だと言ったはずだ。その魔法、完成する前に貴様が焼き切れるのが先か、あるいは……」


ゼノアが冷酷に口角を上げた。


彼は崩壊した床を滑るように移動し、力なく倒れている俺の襟髪を掴み上げた。


「……なっ、アドルさんを離しなさい!」


ミーシャの悲鳴のような叫びが響く。


だが、ゼノアは俺を盾にするように自分の身体の前に引き寄せ、嘲笑を浮かべた。


「撃てるものなら撃ってみろ、娘。この男ごと、その奥義とやらで塵に還す度胸があるならばな!」


ゼノアの腕が俺の喉元を締め上げる。


俺は激痛に顔を歪ませながらも、必死に自由の利かない腕を動かし、俺を盾にしているゼノアの腕を、文字通り死に物狂いで掴み取った。


「……ミーシャ、構うな。俺ごと……撃て!」


「アドルさん!? 何を言って……!」


「馬鹿な、何を考えている! 命が惜しくはないのか!? まさか、私と一緒に死ぬ気か!」


ゼノアが狼狽し、俺を振り払おうとする。


だが、俺は残されたすべての力を指先に込め、逃がさないよう彼の身体を固定した。


「ミーシャ……本気でこい。ドランを……信じろ!」


俺の視線を受け、ミーシャの瞳から迷いが消えた。


彼女は俺と、そして俺たちが積み上げてきた絆を信じる道を選んだ。


「……ええ、わかったわ。アドルさん!」


◇


「……な、何を……撃てるはずがない! お前たちは仲間なのだろう!? 止めるんだ、死にたいのか!」


怯え、声を荒らげるゼノアを余所に、ミーシャは両手を別々に、複雑な軌跡で動かし始めた。


俺が抑え込み、ゼノアの動きを止めている今、彼女はさらなる高みへと踏み込む。


「……左右分離、独立二重詠唱を開始……!」


左手でアルティメットパージの術式を編み続け、右手でもう一つのパージの構成を組み上げる。脳を直接削るような超負荷。


だが、ミーシャの表情は驚くほど静かだった。


「魔法詠唱完了まで、最終カウントダウンを開始します! 残り、30、29……!」


すらたんの宣告が、死の足音のように響く。


床に伏していたルルが、震える手でミーシャの背中に向けて光を放った。


「ルルも……負けないなの。これが最後……アタックブースト、全出力なの!!」


黄金の光がミーシャの身体に溶け込み、彼女の両手に宿る魔力が爆発的に膨れ上がった。


「……ふふ。ゼノア、終わりだな」


俺はゼノアの腕を掴んだまま、静かに笑った。


「う、嘘だ、打てるわけなかろう! 強がりもその辺にしておけ! やめろ、やめてくれ!」


ゼノアの悲鳴がダンジョンに響き渡る。


詠唱が、終わりに近づく。


「……アドルさん、いきます!」



「よし、こいミーシャ! 確実に当てるんだ!」



「はい……いきます!! 絶域の断罪・弐式《アルティメット・パージ・セカンド》!!!」


◇


瞬間、視界のすべてが真っ白な光に塗り潰された。


轟音が鼓動をかき消し、五十層の空間そのものが震える。


ゼノアの断末魔さえも光の中に溶け、消えていった。


凄まじい熱量と魔力の奔流。


だが、その渦の中心にいた俺は、不思議なほどの静寂の中にいた。




この奥義は魔族を滅ぼすためのもの。




人間である俺には、そよ風ほどの衝撃すら与えない。


光が収まり、もうもうと立ち込める煙の中に、俺は一人立ち尽くしていた。


腕の中にあった重みは消え、そこにはただ、主を失った法衣の破片が舞っているだけだった。


「……終わった、な」


俺の目の前で、すべての魔力を使い切ったミーシャが、満足げな笑みを浮かべながらゆっくりと膝をついた。

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