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ロボット  作者: いづる
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ソマへの相談事

仕事帰り憂鬱な思いで自宅のドアの前に立ったソマは、気持ちを切り替えて玄関ドアを思い切り開けて入りかけた。


「ただいまー」


「えっ!!」


「あっ、おっおかえり」とマネ。


「おかえり」とアンナ。


不自然に二人は慌てて距離をとり、ソマの方を振り向く。


「あっ、ごめん。おじゃまだったあ?ちょっと、ここら辺1周まわってくるわ」とわざと陽気な声でドアの方へと向きを変える。


「な、何いってるんだい。気なんか使わないでいいよ」


「そうよ。いつだって、イチャイチャ出来るんだから」最近、明るさを取り戻したアンナも答える。


(とは言っても、いつもより濃厚なシーンだったような‥チラッと見ただけだけど)


「ほら、座って。紅茶を用意するから」そう言ってアンナはさっとキッチンへと立ち上がる。


「そうだよ。それにソマに相談事があるんだ」


「そういえば、錬は?それと私に相談事って⁈」


「錬は部屋で勉強してる。ケラスがいないと、つれないんだよ。実は相談事って錬のことも含めてなんだ。他にもあるんだけど‥‥」


「錬のこと?」

アンナが、淹れたての紅茶のカップを置く。


「ありがとう」いい香りが、リラックス効果をもたらす。


「私も今は、先生の補助として学校に行っているでしょ。錬と同じ年の子が皆楽しそうに学校行っているのを見てると、このまま家にいるだけと言うのはどうなんだろうって?今のこの時間がもったいないわ。ケラスも同じようなことを言っていたの」


「そう?でも、同じ年の子達とは勉強速度が違いすぎるんじゃない⁈」


「それもケラスとも話したの。でもこのままじゃあ、大人になるまでこの家の周辺だけで生きていくことになるわ。外の世界のことを知らずに‥」


「確かに、言われてみればそうよね。最近、私ったら自分のことばかり考えていたわ。あなたたちが、錬のことを一生懸命考えてくれているのに‥」


「何、言っているのよ。ソマはいつだって、錬や僕たちのことを考えてくれているじゃないか」


「そうよ。生活は大変なのに、ケラスのことだって家にいて欲しいって」


「だって、家族当然だもの。錬のことは、今日にでも本人も交えて話をしましょう。後、他にも何かあるの?」


「ああ。実は、ここで住むには1世帯の収入制限があるらしいんだ」


「私も、今日リンネにその話を訊いたばかりなの」


「リンネって、大統領のかい?」


「ええ、そうよ。ここの仕組みを、彼が考えたそうなの」


「そのお陰で路頭に迷わずに生活できているんだから文句は、いえないよな。どこでだって住めるだろうから、俺たちロボットは出て行くよ」


「そんなこと‥絶対嫌よ」


「引っ越ししたって、もしかしたら毎日会いに来るかもしれないけどね」アンナも明るく言う。


「私、もう1度ちゃんと聴いてくるわ」とソマ


「俺がちゃんと聞いてきたんだ。間違いはない。今のままだと、皆が働いている分家賃はどんどん上がるし、ただでさえ潤っているわけじゃないのに自分たちで首を絞める状態になってしまう」


「それでもあなたたちが、いなくなるなんて考えられない」


「ありがとう本当にうれしいのよ。その気持ちは‥だからこそ、私たちケラスも含めて話し合ったのよ」


「嫌よそんなこと嫌。なにか、他の方法があるはずよ」ソマは、急に悲しくなった。


「まあ、まだ半年は期日があるらしいんだ。だから、少しずつでもいろいろ決めていくつもりだ」


「もちろん、決まったことはソマにも聞いてもらう」


(そんなこと、嫌よ)ソマは頭が、簡単には切り替えられなかった。

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