表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロボット  作者: いづる
PR
46/62

どうしたらいいのか

 ソマはダンのことをリンネに言いそびれていると、急いで近づいてくるダンが見えた。


「あ、あの。近所の友達がいたの」取り繕うように、ソマは言う。


「友達?」


「急いで来たんだけど、待たせたね。はい、これ」ダンは一緒にいるリンネを気にしながらも、ソマに向かって袋を渡す。


「悪いわよ。こんなにたくさん」袋を受け取ると、その重さに身体がよろける。


「大したことないよ。毎日貰えるんだし」


「なんだい、それは?僕はリンネと言うが、彼女の雇い主だ。勝手に連れまわさないでくれないか⁈」


「あっ、すみません。俺は、そのう。ここで働いていて、試供品を美味しそうに食べていたから、いつもここで残ったのを貰うからそれをあげようと思って」リンネの態度に、動揺しながらも伝える。


「ソマ、その商品を返しなさい。君の分も、アマンの所に明日届くようにしといたから」


「えっ、私の分ですか?」


「そういうことだから、悪いけど」と言って、ソマから袋を取り上げてダンへと突き返す。


「そういうことね。悪かったな」ダンは袋を受け取り、じゃあと言って来た方向へと向かおうとする。


「ま、待って。その袋、私もらいます。せっかく持って来てくれたんだもの。それと、これ私の住み番号です」待っている間に、ペンルの切れ端に書いたものを手渡す。


「えっ、でも」リンネを、チラッと見ながらも受け取る。


「この人は仕事場での雇い主なだけです」そう、ソマは言い切る。


 ダンと別れて、ケージャに乗っていていてもリンネは口を開こうとしない。


「賞味期限切れだなんて、捨てるんだな。衛生上悪い」やっと、気分悪そうに言葉を吐く。


「そんなこと指図されたくありません。それに、今までダンや他の従業員も食べていたんだから問題ないわ」


「それにしても、住み番号まで教えることないだろう。友達だなんて、うそまでついて‥」


「だって、親切に言ってくれたことなのに‥」


「タダでくれるって言ったら、誰でも信用するのか?人間だからなのか?


「そっ、そんな言い方しなくたって!!」

 リンネ邸に戻ってからも、険悪なムードは変わらなかった。

 それでもリンネは帰れとは言わなかったので、居続けるしかなかった。


「あの、今から何をすれば‥」


「別に何もない。好きにしていればいい‥時間まで」


「好きにって言われても‥あっ、それから私のために食品買ってくださって、ありがとうごさいます。お金は払います。出来れば、貰う賃金で差し引いてもらえませんか?」


「あいつの時は嬉しそうにもらっといて、俺には、賃金で差し引いてくれってか?」


「だってお金がかかっているんだし、こんなことを勝手にしてもらったら困ります」


「別に、困らせるためにやったんじゃない。試供品を本当においしそうに食べていたから‥ロボットには食べて味わうなんてことできないことだから、喜んでくれると思ったんだ」


「それでも‥こんなことは、困ります」


「ふっー、頑固だな。まあいい。これから、ちょっと睡眠モードになるからソマも来い」


「そうですかわかりました。えっ、わたしも⁈」


「えっ、きゃあ」ふいに、お姫様だっこをされ絵本に出てきていたような階段を駆け上がる。

 ソマはリンネに身を委ねて、緊張感を抱いていた。

初めて部屋に入ると全体的にグリーンで統一されている大きな天蓋ベットが目に付いた、上の方からは、周りより淡いグリーンのレースカーテンが下がっていた。


「わあ、素敵ー。本当に絵本に出ていた世界観だわ」今までの険悪な感情が少し緩和されていた。


「ふふっ、アマンの先代からの家らしいからな」


「さあ、降ろすぞ」開いているレースの合間から、ソマをベットに向かってゆっくりと降ろす。そして、自分はソマの横に横たわる。

「えっ、あの」


「1時間くらいスリープモードになるから、おまえも昼寝でもしてろ。また、逆立ちでもされてドタバタうるさいのもかなわんからな」


「‥」そう言われても、男の人が横に寝てて(そう、ロボットなんだけどね)なんだか、落ち着かないわよ。


『かわいいから、知り合えないかなと思って』ふいに、ダンの言った言葉を思い出した。かわいい? 私が? あ、あの人目が悪かったのかしら?


「あの人って誰?」背中越しに声がする。


「スリープモードじゃあ、なかったの?って、今声に出てた?」


「出ていたよ。すぐ隣なんだからさ。さっきの人間の男が気になるのか?」


「初めて、かわいいって言われたの」


「ふうん。そうとう目が悪いなあ。それに、頭も悪いんじゃないかあ」


「ひどい!!そんな、言い方」とっさに、軽くリンネの肩を叩いた。


「もう、寝かせてくれ」と言ってソマの方へと横向きになり私を抱き寄せて、リンネは深い眠りに入った。


「ちょ、ちょっと。こんなに接近していたら」振りほどくこともできずにいた。わ、わたしどうしたらいいのかしら。いつも家族のことばかり考えていたから、わからない。自分のこの気持ちは‥(寝息をたてているリンネをみつめる。人間と何一つ外見では、劣らない)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ