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ロボット  作者: いづる
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若い人間

 「ねえ、君。人間でしょ?ここのエリアの人ではないよね?」声をかけられた方を振り向くと、背の高い若い男が立っていた。


(に ん げん⁈)


「ちょっと来て」と言って、彼は私の腕を掴むと歩き出した。


「えっ、ちょ は なし て」

 いきなり手を引っ張られて、知らない所へ連れていかれると不安になったソマは思い切り手を振りほどいた‥つもりだったが男の手は少しも緩まなかった。


「い、痛い」泣きそうな声が出ていた。


「あっ、ごめん。なかなか、同じ年頃の人間と会う機会がなかったものだから」そう言いながら、やっと立ち止まってくれた。


「私をどこに連れていくの⁈」怖いながらも聞く。


「あっ、ごめん。オレ、ここで働いているダンと言うんだ。試食品をたくさん美味しそうに食べているのを見たから‥‥従業員は期限切れの商品を貰えるんだ。だから、よければそれを分けてあげようと思って」


「私に⁈」


「ああ、俺も低級エリアから来ているんだ。それに‥」急に恥ずかしそうにダンの言葉が途切れた。


「な、何?それに‥?」


「かわいいから、知り合えないかなと思って」


「えっ、えー。か、かわいい⁈ 私が?」そんなことを言われたのは、初めてである。


「この先に従業員の着替室がある。すぐに持って来るからまってて」そう言うとダンは行ってしまった。


「待って。そんなの悪いし、私はいらないわよ」っていう声もきっと届かなかったわよね。

 仕方がないのでリンネの方も気になったが、少しここで待っていることにした。

 この場所は、従業員通路の近くだろう。先ほどの場所よりは客が少ないので、緊張感は弱まっている。


「ソマ、ここにいたのか⁈ 探したぞ。なんで、勝手に移動したんだ?」

 速足で、近づいてきたリンネに何て言ったらいいのか。複雑な気持ちだった。


「あ、あの」


「なんだ?トイレを探していたのか⁈」


「‥‥」

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