ソマ
ソマがいつものように部屋に入ってくると、中利はリンネが昨日来たことを告げる。
早速、リンネが作ったという卵焼きをすすめる。
「美味しい、流石ですね。私の卵焼きと全然違います」
「まあ、ロボットだからね。完璧だけど、ソマの卵はまた手作りの味がこもっていて美味しいさ。それから昨日すべてリンネに聞いたよ。悪かったね。まったく○○のくせに、こういうことには頭がまわらなくて」
「ああ、いいえいいんです。私もお役に立てなかったら、リンネ様のお○○でいる意味がないですから」
「おまえは、優しい娘だね。良かったら、私の家での仕事のシフトを週5日に増やさないかい⁈」
「あっ、いえ、本当に気にしないでください」
「リンネのことを抜きにしても、来てほしいんだよ。あの写真立てを別の場所に移して、リンネの本音が聞けたんだし‥私に嫌われていると思っていたらしいんだ。本当にバカな息子だよ。我が子と同じように育てて来たのに、そんなこと思っていたなんてね。そのことに、行った初日に気が付いたんだろ。まったく大したものだよソマは」と豪快に笑っている。
ソマは、うつ伏せになった写真立てを思い出していた。
「お礼なんていらないですから」
「いや、前から考えていたことではあったんだよ。嫌なら無理にとは言わないけれどね」
「そんな、嫌なはずはないです」
「じゃあ。決まりだね。曜日はいつでもいいから。今週から頼もうかね」
「あ、ありがとうごさいます。助かります」
(中利様ったら。私のした事なんて大したことではないのに‥本当に有難い)
(リンネのところに行ったらゆくゆくは、ソマにも近くにいてほしいと思っていたから。それが少し早まっただけだ。それに、その方がリンネもソマに会いやすくなるだろうから‥うふふ)中利はこの二人の行く末が、楽しみになってきていた。




