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ロボット  作者: いづる
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カナンの心

(ハヤテたちに、髪を切られたことはすごくショックだったけれど‥ジェシカやワイスと友達になれたし先生たちの優しさもわかった。

 きっとこのことがなかったら、今までの自分の間違いに気付けなかったと思う。

 お母さんが、いつも口うるさく言ってたことが今頃分かった気がする‥それに、この髪型はすごくカッコイイ。ジェシカって本当にすごいのね)


「カナン、今日はこのまま帰ってもいいのよ。家庭にも校長先生や他の先生にも話は伝わっているから」とアンナは笑顔で言う。


「すごく落ち込んでいたけど髪もカッコよくしてもらったし、ここのみんなに元気をもらった。だから、教室に戻ろうと思います。立たされているあいつらの顔もみたいし‥」


 カナンの意外な言葉に、アンナとホシカは顔を見合わせた。

「私も一緒にいくわ」と、ジェシカ。


「俺も一緒に行ってやる」とワイス


「ふふふ。あなたたちの教室はここじゃないでしょ。まあ、後はあなた達で解決するべきかもね。困ったことがあったら、いつでもここにおいで」と、ホシカ先生はほっとしたように言う。


「私も教室に戻るから、一緒に行きましょう」アンナも促す。


 ◆◆◇◇◇


 最初にドアを開けて先頭をアンナ先生、次にジェシカとワイス、一番最後にカナンが入った。

 国語のコイガン先生の授業だった。コイガン先生は、心配そうに私に声を掛けてくれた。


「ジェシカ辛い目にあったわね。でも、授業に出てくれたのは偉いよ。それに、その髪型すごく似合っているじゃないか」持ち前の、大きな声でコイガン先生は言った。

 私たちが教室に入って来てから、クラスの皆はザワザワと落ち着きがなかった。


「カナンってこのクラスで一番長くて憧れていたのよ。ハヤテたちが、したことは許せない。でも、その髪型もかっこいいよ」とキランはいつもの調子とは違って、興奮気味に言う。


「こいつらが切ったんじゃないよね。その髪型」

 口々に飛び交う言葉。


「私が、手直しして切ったのよ。すごいでしょう」と、自慢げなジェシカ。


「最初に家族の髪を切った頃は、外に出られないくらい酷かったけどな。皆、姉ちゃんに髪を切られるのが嫌で、逃げ回っていたから」とワイス。


「昔のことを一々言うんじゃない」と、げんこつでワイスの頭をこづく。


 ことの発端の三人は、とても会話に入れず複雑な思いで眺めていた。


「今日は、大人しいわね」とカナンは、彼等に向かいながら話しかける。


「おっ、おう」やっと、ハヤテの発した声は言葉になっていなかった。


「みんながいつもおまえに嫌なことを言われて、俺らが仕返しをしただけだからな」とテッシ。


「いや、テッシもういいよ。俺正義のつもりでしたのに‥一番嫌なことをいわれたアンナ先生やジェシカや女子の態度みて思ったんだ。それに、あの時おまえの髪切った時、清々したはずなのに‥‥おまえの泣き喚いた声や顔が忘れられなくて‥ごめん」とジョウン。


「俺も、自分たちは悪くないと思っていたんだ。でも、おまえの元気な顔が見れてなんだかホットしている」とハヤテ。


「もういいのよ。私ね、お爺ちゃんにいつもおまえは上流エリアで生まれたんだから、ここの人とは全然違うっていつも言われていたの。だから自分は上から目線で、皆のことを見下していた‥。でも私はそんなお金持ちの暮らしはまったく知らないし、自分も皆と同じ下級エリアの住民なのに‥‥こんな性格すぐには変わらないかもしれないけど。でも、でも今までのこと、本当にごめんなさい」勝気なカナンが今日、二回目の涙を流した。


(上流エリア生まれ?えっ、もしかして⁈)アンナだけは、違うことに想いがいっていた。

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