第36話 カナンの悲しみーアンナの怒り
「ホシカ先生、カナンを休ませてあげて」
アンナはカナンをホシカ先生に預けると、すぐさま出て行った。
「カナン⁈ いらっしゃい。ど、どうしたの、その髪の毛⁈」
「うっ、うわーん、ホシカ先生」カナンに抱きつかれて驚くが、日頃から憎まれ口を言うカナンは誰かにいじめられたのだろう。
大体は察しがつく。
そして、初めて見たアンナ先生の怖い顔。
(ふ、ふっ、アンナ先生って見かけによらず熱血型なのね)
「カナン、髪を切られたのね。大体だれかは想像つくわよ」ジェシカは言う。
「いつも、意地悪ばかり言うからだぞ」ワイスも口を尖らせて言う。
「う、うるさい」ホシカ先生に抱きついたまま、声だけ気丈に振舞っていた。
「カナン、私が髪を切り揃えてあげるわ。こう見えても、家族の髪はみんな私が切っているのよ」とジェシカ
「それは、いい案ね。とにかく、見た目をよくしなきゃね。ジェシカに頼んでみる?」カナンに抱きつかれながら、優しく声をかける。
「あ、あなたも、私のことが嫌いなんでしょう?」
「そうね。面倒くさそうで苦手なタイプだから、あんまり近づかないようにしていた。でも目の前で困っている人がいて、私で出来ることがあれば話は別よ」
「なかなか、いいこと言うじゃないジェシカ」ホシカ先生はジェシカの大人びた対応にちょっと茶化した口調で言う。
「お、お願い します」カナンは、シュンとした態度で言う。
「わかったよ。まず今の状態を見てもらってから、切っていくんね」
「まずはホシカ先生、鏡を2、3個とよく切れるハサミを2、3本お願い。それと、吸引機(掃除機)、タオルと髪の毛を通さない大きめな布をお願いします」
「わかったわ。鏡、とハサミ、タオルと大き目な布は(いらなくなったカーテンでいいわね)ワイス、他の先生に吸引機を借りてきてくれる?保健室で使うといえばいいから」必要なものを用意しながら声を掛ける。
「わかったよ」ワイスも、余計なことを言わずに従う。




