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村人Aは勇者パーティーに入りたい! ~圧倒的モブが史上最高の案内人を目指します~  作者: 凛 捺也
第十二章 ナヴィとグローリア案内所
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209.イメージ

異世界転移をしたパーフェクトガール、北大路ナミことナヴィ。

職業『村人A』

仕事『駆け出し冒険者に、最初のダンジョンの情報を与える』のみ。


自分の進むべき道を見つけグローリア案内所で仕事を行うナヴィ。


レミアとヴィオネットの特訓を見たナヴィは……。

「ちょっレミア! 押さないでよ!」


「お気遣いありがとうございます。でも大丈夫です。早く中に入って」


「え、え!?」


 ナヴィはレミアに店の中へと追いやられた。


「あたしが自室に戻ってものの数分であんなにボロボロになってた……」



『あ? 特訓だよ。お互いがお互いの全力でぶつかり合い高めあう。俺達ドラゴン属はそうやって強くなってきたんだ』


 とは言ってたけど。それでも。


「あれがサーティーンプリンスターを倒した力……」


「っぐあぁぁぁぁ!」


 レミアの叫び声が店の中まで聞こえてきた。


「レミア……大丈夫かな、やっぱりあのままじゃ」


 ナヴィはもう一度玄関の戸に手を掛けた。 


「……いやだめだ。きっとヴィオネさんはそれぐらいあたし達に強くなってもらいたいって思ってやっているんだ」


 なら、こんなところで他人の心配をしている場合じゃない。


 今だってきっとあいつらはいつ来てもおかしくない。


 それにエンフィー達だって……。もう一分一秒無駄にできない。


「ぐあぁぁぁぁぁ!」


「くっ……レミア」


 あたしももっと強くならなきゃ!


 ナヴィは戸に掛けていた手を放しレミアの叫び声が聞こえないよう、耳を塞ぎながら自室へと戻っていった。



 そしてそこから数時間が経ち、辺りはすっかりと暗くなっていた。


「よし、これで<アタックグロウ>三十回目……」


 何となくつかめてきたかも……。この筋肉だけじゃないもっと細かいところにまで魔力を巡らせるイメージ。だけど、やっぱりまだまだ不安定で魔力の消費量が今までの倍以上……一回でこの疲労感はやばいわね。


「これも慣れるのかしら……」


「おい、ナヴィ。扉を開けろ」


 部屋の外からヴィオネットが呼びかけた。


「ヴィオネさん?」

「もーノックぐらいして……?」


 扉を開けたナヴィの目の前には、重傷からか気を失っているレミアを抱きかかえるヴィオネットが立っていた。 


「レミア?」


「ゲホッゲホッ!」


「レミア大丈夫!?」


「ナヴィ、後は頼んだ」


 ヴィオネットはレミアを無理やり立たせ、ナヴィに体を預けさせた。


「どういうことですか? ヴィオネさん」


「明日仕事ができるくらいまで回復魔法で何とかしろ」


「え?」


「じゃあな」


 そういうとヴィオネットはすぐに自分の部屋へと戻っていった。


「ナ、ナヴィ、さん……?」


「レミア? 気を確かに! とりあえずあたしのベッドへ!」


 ナヴィはレミアを抱きかかえベッドへと移動させた。


「すみません。さっきはあんなこと言っちゃって……」


 今にも死にそうなくらいひどく弱った声でナヴィに話しかけるレミア。


「大丈夫だから! それよりも一回装備外すね、真っ裸になっちゃうけど許してね」


 ナヴィは不器用な手つきでレミアの装備を一つ一つ外していった。


「うわっすっごい……打撲に火傷に刺された痕まで、こんなの特訓じゃなくてただの殺し合いじゃない」


「い、いえ……姉さまは、特訓だと、言っていました」


「え?」


「全力で来い、あとは何とかしてやる……って」


「またあの人は……それであたしに直させようって言ったって、正直このレベルの怪我はあたしには……」


「私もその懸念がありましたが……『それもあいつの特訓になる』と」


 身体の具合を診ているナヴィの手が止まった


「どういうこと……それに今分かったけどこの傷のつき方……」


 魔力で体の中を覗いてみたけど臓器関係はもちろん、骨も折れてない……。

 これだけやられてるし間違いなく重症なはずなんだけど。


「どれもあたしにぎりぎり治せるレベルだ……」


 目を丸くするナヴィの言葉を聞いてレミアも驚いた。


「うそ……う……」 


「まさかヴィオネさんはあたしの回復魔法の特訓も同時並行で行えるように、レミアの傷のつき方もコントロールした状態であたしに渡したってことなのかしら……?」


「……」


「ってやば。脈拍数が下がってる……とにかく早く治さないと……」

<ヒール!>


 レミアの身体が緑色のオーラに包まれ傷が治っていった。


「だめだ、大体の傷は治せるけどこの刺し傷、それに脇腹にある大きな打撲……これは治りそうにない。単純にヒールの魔力を上げるだけじゃだめだ……」


「く、どうしたら……あ」


 いや、まって、これも<アタックグロウ>と同じ働きなのかしら……。


 だとしたらこの<ヒール>もさっきの<アタックグロウ>みたいにレミアの中にある細胞一つ一つに働きかけるようにすればもしかしたら。


「これで治ってよ……!」


 ナヴィは魔力を高め頭の中で傷を治していくイメージを綿密に作り上げる。


「あの傷を塞ぐためには切れた細胞同士をつなぎ合わせて止血する。そこから皮膚関係の方も中の傷を塞げるように……」


「よし、いける!!」

<ヒール!!>


 ナヴィはレミアの傷が完全に治りきるまでの数分間魔力を流し続けた。


 そして数分後。


「おい、ナヴィ入るぞ。レミア治ったか?」


 ヴィオネットがノックをしナヴィの部屋へと入りベッドで寝込むレミアの様子を確認する。


「ん、これは……。治ってる……俺が付けたであろう全ての傷が……」


 レミアの横では魔力を使い果たし眠ったナヴィの姿があった。

最後までご覧いただきありがとうございました!

第十二章 二十六話 いかがだったでしょうか。

少しでも面白いと感じていただけたら、評価、レビュー、感想、ブックマーク、ぜひお願いいたします!


こちらの作品は平日に2000~3000字ほどで朝6~8時を目安に更新しています!

ぜひ次回もご覧ください!(今年から土日祝日はお休みでいきたいと思います!)

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