208.グローリア姉妹
異世界転移をしたパーフェクトガール、北大路ナミことナヴィ。
職業『村人A』
仕事『駆け出し冒険者に、最初のダンジョンの情報を与える』のみ。
自分の進むべき道を見つけグローリア案内所で仕事を行うナヴィ。
自分の方向性を見つけたナヴィが早速特訓に取り掛かるが……?
「さて、始めてみよう! とは思ったけど……」
ナヴィはレミアとすれ違った後、自室で腕を組み自分の魔法について考え込んでいた。
「さっきヴィオネさんに掛けた魔法は<アタックグロウ>の根本的なイメージには繋がっていないってことだったのかしら……」
「攻撃系の肉体強化だからさっきの筋肉に働きかけるイメージでいけると思ったんだけどなぁ」
「とりあえずやってみようかな……」
確かにヴィオネさんが言っていた通り、あたし自身に補助魔法や、強化魔法を掛けたことってあんまりなかったわね。
俊敏性を上げる<アクセル>とかはあるけどそれも移動目的のことが多かったし、ましてや<アタックグロウ>なんて物理攻撃のための強化魔法なんだし自分自身に掛けるなんてまずないものね。
「ふーっ。よし。自分に強化魔法を掛けるなんてなんかドキドキするなぁ」
一度大きく息を吐き、魔力を練り上げる。
「まずはいつも通りの……!」
<アタックグロウ!>
いつもの通り、ナヴィの身体に赤いオーラが纏わりつく。
「おぉなんか新鮮。ふむふむ、こんな感じなんだぁ」
うん。なんか腕っぷしの強さは変わったような……。
腕相撲最弱あたしも今ならゲーセンのパンチングマシンくらいは壊せそうな気がする。
「……でもなんだろう、表面的、なのかな」
確かに強くはなった気がするしこのオーラも相まってやるぞー! って気持ちにはなるんだけど。
「芯から強くなった気がしない……? 外側にコーティングされているだけって感じだ」
「うーん。とりあえずまずこのノーマルの状態で感じたことメモしておこ……えーっと紙とペンは確か机に……あった!」
とりあえず、掛けた魔法の魔法の名前はもちろんだけど、消費した魔力量はある程度一定にしないといけないからその感覚も……後はどんな風にイメージして強化魔法を掛けたか。そしてその結果どんな効果を得られたか。
「まぁこんなところね。書き始めたらきりないし大体この紙一枚分に収めればいっか」
『気に病むな。こういうのはここまでやりゃ後は気合と根性だ。こういう漠然としたイメージは研鑽してこそ磨かれる』
ってヴィオネさんも言ってたしね。
「よーしいつまでかかるか分からないけどとりあえずたくさん試していくぞー!!」
ナヴィが二回目の強化魔法を掛けようとした瞬間、案内所の外から大きな爆発音のようなものが聞こえてきた。
「え!? なになに!?」
ナヴィは確認しようと手に持っていた杖をベッドに投げ捨て、玄関へと向かった。
「もしかして敵……?」
さっきレミアは武装した状態でヴィオネさんのところへ向かった。もしかしたらダンジョン攻略が特訓ってことかと思ったけど……。
一回につき玄関の扉に手を掛けたその時。
「きゃぁぁぁぁぁ!」
「まさか!? レミア……?」
ナヴィは勢いよく扉を開けると目の前には龍の翼と鱗を身にまとったレミアがぼろぼろの状態で倒れていた。
「ちょ、レミア大丈夫!? しっかりして!」
レミアの身体をゆするナヴィ。
「おい、ナヴィ。自室で特訓してろって言ったろ」
声のする方向に視線を向けるとそこにはレミアと同じく龍の翼と鱗を身にまとったヴィオネットの姿があった。
「ヴィ、ヴィオネさん……? ヴィオネさん何ですか!?」
「あぁ俺だ。さぁ早く立てレミア、お前の力はそんなもんか!? あぁ!?」
レミアよりも更に龍っぽい……。顔まで鱗で覆われてるし、尻尾も生えてて。何より醸し出しているオーラがレミアのそれと比較にならないほど覇気を感じる。
「ヴィオネさんこれはどういうことですか!?」
「あ、特訓だよ。お互いがお互いの全力でぶつかり合い高めあう。俺達ドラゴン属はそうやって強くなってきたんだ」
「でもこれじゃあ一方的な……」
「うぅ、う」
「レミア! 大丈夫? しっかりして!」
あのレミアがこんなにボロボロに。それほどヴィオネさんとレミアに圧倒的な力の差が
「おいレミア、相変わらずよえーなお前は! 今お前を守ってくれてんのは天才上級ガイドだぜ、良かったなぁ天才に守られて」
ヴィオネットの罵声にレミアの身体がぴくりと動き、目を覚ます。
「う、ナ、ナヴィさん?」
「え、ちょっとレミア大丈夫なの」
「なんでここにいるんですか……死にますよって言いましたよね」
レミアの低く冷たい声にナヴィは委縮した。
「でも、悲鳴が聞こえたから……大丈夫かなって」
「お気遣いありがとうございます。でも大丈夫です。早く中に入って」
ナヴィを押し戻すかのように案内所の中へと追いやった。
「え、ちょ……レミア!」
それを見たヴィオネットがにやりと笑った。
「良かったのかレミア。助けてくれる仲間がいなくなったが……」
「姉さま皮肉を言うのはやめてください。仲間ではありません。同僚です。それにまだ特訓は始まったばかりですよ。今日こそ姉さまを倒してみせます」
レミアは立ち上がりヴィオネットを鋭い視線を向けた。
「あぁ、その意気だ」
「行きます。はぁぁぁぁぁぁ!!」
ヴィオネットはレミアの特攻してくる姿に目を輝かせた。
「そうだ、お前はもっと強くなれ! 他の誰よりも、そして俺よりも!!」
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第十二章 二十五話 いかがだったでしょうか。
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