たんしんぞうへや
9/11タイトル変更
「ありました。ご丁寧に心臓部屋って標識が掛かってます」
通路や小部屋は普通の見た目になってましたが、さっき戦った大部屋や目の前の入り口は漫画やアニメみたいに雰囲気通りに作ってる節があります。
もしかしてヴィラン支部とかに外注でもしました?
『ご丁寧に両開きだ。隙間から侵入するぞガシュガシュ』
「はい行きます!」
地面に潜り込み扉の隙間を抜け、床に飛び出すといきなり体が反転して地面に落ちました。
「外からの揺れがありませんね。重力の方向が制御されてるんでしょうか」
扉を抜けるまで縦横無尽に回転していたものが正規の床に降りることができ、なおかつ戦っているであろう外からの揺れも収まりました。それだけ重要な場所だからでしょうか?いやでも外注だったら趣味?図面だけの発注?
「考えても分かりませんね。さくっと心臓を食べて終わらせましょう!さて、どれが心臓……と言っても一つしかないから分かりますね」
部屋の中心にデカデカとある赤い結晶とその中の心臓、そこから伸びる太い血管が完全に覆われていて天井や床と同化していますね。
そしてそれを崇めるか守るように配置されているモンスター達の大群、対して一人では無理ですのでワニトロスからニュルんと飛び出ます。
「この数の免疫モンスターですか。これはすこし本気を出さないといけないですね」
「私も行きますよザシュザシュ」
後ろの扉にワニナノカから硬化剤を吐き付けてから外して免疫モンスター達の方へ投げると、たわませていた両袖を伸ばし技文字を発動させます。
「【第三鰭剣身】」
鮫型モンスターのドロップ品から作成してもらった新しい装備、[深比礼の鋭い羽衣]と言うカテゴリー的には防具と出てますがほぼアクセサリーみたいな物です。布装備の肩口から付けて膝まで伸びている付け袖みたいな物ですが、使った素材と僕の技文字を使用することで、
「スパパッと行きますよ」
ワニトロスから出たことでこちらに気付いたのか、のたうちながら這ってくる最初のワームモドキを縦に切り裂くと返す刃ともう一方で2匹目、3匹目と倒していきます。千切れても大丈夫な様でしたが体の大半を失うと死んでしまうようです。
ワニトロスとワニナノカの方も暴れており、3ヶ所に対応せざるを得ないため早くも心臓の結晶に手が届きそうな距離まで近づきました。
「マクロファージっぽい奴は、……触手を切っても駄目ですね。【冷鮫】。微妙ですね」
掌サイズの氷のサメを作り出して撃ってみましたが、軽く打ち払われ、凍り始めた触手も簡単に自切されて本体まで行きません。それにT細胞群の攻撃も鋭く、気付いたら近くに潜んでいます。
来るときは一気にエネルギー砲で焼いてましたから気付きませんでしたが意外と厄介ですね。
「【吐出砲】といきたいところですが道中でほとんど使っているので撃てる量はなく、地面は硬いですしワームモドキはお腹に溜まらないですし……、捕食パンチするにも手が剣ですから」
直接齧っても良いですけど、その間無防備になってしまいますからいまいち必要分溜まりそうに無いです。
「しかたありません。第一最終兵器です。海中だから使いたくなかったのですがすこしの間なら環境被害も少ないでしょう。倒せば消えますし」
マクロファージやT細胞達の攻撃を避けながら、色んなものが詰まっている【胃階途拾】の中から1本の槍を吐き出し、口に咥えたまま振るうと周囲のワームモドキを薙ぎ倒します。
技文字を解除して伸びきった袖のまま掴むと、倒れたワームモドキが起き出します。ですがその様子はおかしく、元気にこちらに向かってきたかと思った次には固まり、痙攣して倒れていきます。
「よかった。お腹の中で変化してしまっているかと思いましたが大丈夫でしたね[浄化の呪鎗:枯毒]。ちゃんと毒々しいです」
【枯毒一丁】からのドロップ品。抜いていた本人は同じ能力だからとドロップした2本の内の槍を渡されてしまっていたのが今日の目を見ました。まあ、敵は目が無いモンスターですが。




