50話㉗
翌日、煌大と清恵は起き上がり、朝食を取り、バイクに乗って学院に登校した。学院近くの駐車場にバイクを止めて、学院まで徒歩で登校した。教室に入ると、そこに既に陸遄と亞矢がいて、席に座っていた。煌大と清恵も席について講義を受けていた。そして、午前の講義を終えた煌大に美雪姉が教室の出入口に美雪姉がいて、白崎会長に呼ばれてしまったようだ。仕方なく、煌大は生徒会室に向かうことにした。煌大は清恵と食事したかったが、我慢して美雪姉について行った。清恵は陸遄と亞矢と一緒に食堂で昼食を取ることにした。なにげに寂しそうな表情をしていたが。
煌大は美雪姉に連れてかれて生徒会室に入り、会長たちの昼食を取っていた。昼食を食べ終わると会長と一緒に食事をしていた綿鍋風紀委員長が
「煌大くん・・・あのバカ騒ぎの週間・・・同じクラスの光伊清恵という娘と一緒にパトロールをしていたね」
「そうですが・・・それが何か?・・・ちゃんと精霊の無断使用したものたちは検挙しましたが・・・」
「あぁ・・・それについて分かっているつもりだ・・・今回のバカ騒ぎで付いたあだ名が『精霊を使わずに並み居る強者たちを倒した主席』という噂がな」
「なんすか・・・そのあだ名は・・・」
「まあまあ・・・私たちが聞きたいのはあだ名ではなくて・・・煌大くんと一緒にいる光伊清恵さんとの関係よ」
煌大は白崎会長と綿鍋風紀委員長が頑なに俺と清恵の関係を知りたそうな顔をしていた。俺は手で頭を抑えながらはぁっと溜息を吐いた。それを聞いていた美雪姉も同情の視線で見ていた。いや、美雪姉、同情するよりも手伝って欲しいんだけどっと煌大は内心そう思っていると会長が
「もしかして・・・煌大くん・・・清恵という娘と・・・付き合っているんじゃないよね?」
「おいおい、真由美・・・いくら何でもそれは・・・「付き合ってますよ」・・・へっ?」
綿鍋風紀委員長は呆けた表情をしていた。ついでにいうと白崎会長もそうであった。さらにいうと会計の一花先輩も、書記の西条先輩も、同じような表情をしていた。肝心な煌大は食後のお茶を飲んでいた。美雪姉はというと平然とお茶を飲んでいる煌大に呆れていた。そしたら、復活した会長が煌大に向かってあることを言い放った。
「煌大くん・・・どうして・・・光伊清恵さんと付き合うことにしたの?」
会長の問いかけに煌大は
「そうですねぇ・・・少なくとも清恵は俺を俺として見てくれているかな・・・ですかね」
煌大は曖昧に近い回答で応えると風紀委員長が
「そうかねぇ・・・私から見れば・・・君の方から彼女に惚れたように見えたけど・・・それは違うのかい?」
「違いません・・・確かに俺の方から惚れました・・・どうして惚れたのかは分からないですけど・・・」
「けど?」
「けど・・・清恵の何かに惹かれたとしか言えませんね」
一花先輩に問い返しに煌大はそう返すが、美雪姉が口を挟む。
「そうかしら・・・前に清恵に聞いたけど・・・清恵が先に煌大に惚れたって言っていたわ」
「いつ?」
煌大は美雪姉が言ったことに問いかけると
「入試の時だったよ・・・実技試験の時に精霊の暴走があったでしょう・・・その時、逃げ遅れた受験生を助けたでしょう煌大?」
「そういえばそうだな」
「その受験生が清恵だったのよ」
「さいですか・・・それなら、初めて会ったときの清恵が慌てていた理由に察しがつくよ」
煌大はそう言ってまたお茶を飲み始める。美雪姉の話を聞いていた会長たちはというと
「そういえば去年の入試にそういったことがあったね」
「あぁ・・・だが、それは数名の受験生の手によって事態は収拾したと講師たちが言っていたな」
「しかし、それは新入生総代の煌大くんが解決したというわけですか」
「さ、さすがに受験生が精霊の暴走を止めるなんて凄いことですよ」
一花先輩も西条先輩も賞賛していたが、美雪姉もそれには同意していた。お茶を飲みながら話を聞いていた煌大はフゥっと息を吐いていた。生徒会室での昼食を終え、教室に戻った煌大は午後の講義を受けた。
午後の講義を終えると煌大の元に清恵と亞矢がやって来て
「煌大くん・・・風紀委員の仕事は?」
煌大は腕を伸ばしながら
「今日は非番だ」
と言うと亞矢が
「えらく人気者だったよ・・・『精霊を使わずに並み居る強者たちを倒した主席』だって・・・」
「だからなんだ・・・その噂は・・・それよりも清恵、亞矢・・・お前らクラブは?」
煌大の問いかけに清恵と亞矢はあっとなり、もの凄いスピードで練習に向かった。取り残された煌大と陸遄はというと
「全く・・・陸遄・・・お前は?」
「今日は非番だ」
「それじゃあ・・・学院内のカフェテリアで時間を潰していますか」
煌大は席を立ち上がりながら言うと陸遄も同時に席を立ち上がり、教室を出てカフェテリアに向かって歩き始めた。




