シュウとショウキュウの話
これは『ナイト・オブ・ラウンズ』、二の剣士であるシュウとその婚約者のショウキュウの話である。
神々の戦いから一週間後、シュウとショウキュウはシュウの実家である黒鉄家に来ていた。ショウキュウはシュウの実家である黒鉄家の門を見ていた。
「凄いねぇ・・・黒ずみの門なんて・・・早々見られるものじゃないよ」
「そうだね・・・それじゃあ入ろうか」
シュウはショウキュウに手を差し伸べるとショウキュウはその手を握って
「はぁーい」
と言い返して、黒鉄家に入って行った。黒鉄家に入った二人は玄関までの道を歩いていた。そんな中、シュウは門をくぐる前にダークの面々に指示を出していた。黒鉄家の異変を調べてきてくれないかという指示を出した。シュウはショウキュウと共に屋敷の玄関に向かって歩いていたが、あることを思い出した。門から玄関までは自然の試練を乗り越えないといけないことを思い出した。それを思い出したシュウはショウキュウを抱きかかえ、木に吊されている蔓を掴んで移動しはじめた。ショウキュウはいきなりのことで訳が分からずにいた。だけど、シュウが巧みに木の蔓を変えながら前へと進んでいた。そして、玄関まで着くと、シュウはショウキュウを下ろした。ショウキュウはいきなりことで訳が分からず、シュウに問い詰めた。
「ごめんごめん・・・久々にこの屋敷の仕掛けのことを思い出してね・・・一番楽な道のりでここまでやって来ただけなんだ・・・ごめんね」
シュウは笑顔で謝るとショウキュウは笑顔で言い返した。そしたら、シュウは玄関の扉を開け、中に入ると、そこにやって来たのは黒鉄家の筆頭執事であった。執事はシュウの姿を見ると驚きを上げてこう叫んだ。
「お久しぶりです・・・秀二様・・・またお会いできて嬉しいです」
「久しぶり」
シュウは筆頭執事の口調から現在、この屋敷で何か起きていることを察することができた。
「(おかしすぎる・・・僕の久々の帰りなのにここに来たのは筆頭執事だけ・・・そもそも、筆頭執事は父さんの指示しか動かせないし・・・他の執事やメイドの指示を出す人だ・・・決定的におかしいのは僕への呼び方だ・・・筆頭執事は僕のことを坊ちゃまと呼ぶ・・・それが秀二様と来た・・・何かおかしいとしか考えられない)」
シュウはそんなことを思っているとショウキュウはシュウの服の袖を引っ張る。シュウはショウキュウの方に向くとショウキュウは僅かではあるが怯えていた。おそらく、『見聞』の『覇気』で気配を感じたのだろう。禍々しい気配を。その気配を感じていたシュウは筆頭執事にこう尋ねた。
「誰か来ているの?」
「いいえ・・・誰も来ておりません」
「そうか・・・」
シュウはそう呟いて、客間に向かった。その後を追うショウキュウ。その後、客間で待機していたシュウとショウキュウはあたりの気配を探っていた。特にショウキュウは禍々しい気配を感じたことが少ないので仕方ないが、シュウは屋敷の中でここまでの気配を感じたことがないからだ。もちろん、異常なまでの禍々しい気配を感じたことがない。『魔王カイ』の腹心たちもここまでの禍々しさはなかった。だが、これは今まで以上の可笑しさだ。そしたら、そこにシュウの父と母がやって来た。シュウはその姿に違和感を覚えた。それは行方不明になってからの年齢が変わっていないことを内心驚いていた。だが、そのおかげでシュウは確信したようだ。
「いきなりのことで済みませんが・・・貴方たち二人は父さんと母さんではありませんね」
シュウが言ったことに父と母は眉をピクと動かすが、すぐに表情を元に戻す。だが、シュウはその一瞬を見逃さなかった。
「それじゃあ・・・これを見てもそのような顔ができるでしょうか」
シュウは合図を出すと、客間に入ってくる仲間のダークたちに、彼らにつれて入ってくる40代の夫婦に、執事、メイドたちに父と母はフッと笑いを上げていた。
「いつから私たちが偽物だと分かりました」
「参考程度までお願いいたします」
「最初に違和感を感じたのは門さ・・・黒鉄家の門は鍵が掛かっているしかも・・・特殊な鍵だ・・・おいそれと手に入る物でもない・・・なのに鍵が掛かっていなかった・・・それで分かったんだ・・・何者かが変装して黒鉄家を乗っ取ろうとしていることぐらい分かるよ」
シュウはいったん言葉をとめると父は
「それでも、屋敷の者が開けてもらえば良いんじゃないですか」
「確かにそうかも知れないですが・・・極めつけは筆頭執事の口調だ・・・彼は僕のことを『坊ちゃま』と呼ぶのに『秀二様』と呼んだ・・・それだけで分かったんだ・・・利用されているってね・・・それでしょう・・・日本政府の役人さん?」
シュウの正体を言い当てると父と母は変装を解いて懐から拳銃を出し、シュウとショウキュウに向けた。役人に拳銃を向けられているシュウとショウキュウはというと平然と立っており、ショウキュウに関してはシュウに抱きついていた。シュウはというと精霊剣を抜いて
「卍解・・・『黒剣王』」
精霊の卍解をすると、地面から漆黒の巨大な大剣を持った漆黒の巨人が現れた。役人たちはその巨人に恐れをなし、腰を抜かしていた。屋敷の外にまで轟かせる雄叫びをあげる巨人に日本政府の役人たちは完全に戦意が喪失していた。シュウは卍解を解くと、剣を鞘に収め、役人たちの前で座り
「君たち日本政府の目的は・・・黒鉄家を政府側に与することでしょう?」
役人たちは怯えながら頷く。
「じゃあ、こうしよう・・・黒鉄家はこれからも政府との関係は守ってあげるけど・・・朝宮家の仲間でもある・・・だから・・・利用させてもらうよ・・・君たち日本政府を・・・」
「「なっ!?」」
役人の二人は目を大きく開き驚きを上げていた。
「でもねぇ・・・もう利用価値がない場合は・・・君らとの関係は決裂だ・・・それだけは覚えとくんだね」
シュウはそう言って役人たちから離れていくと、そこに朝宮家が手配したであろう警察の手によって連行される役人たち。その後、シュウの両親はシュウとショウキュウとは対面できる席に座ると父は
「秀二・・・成長したな・・・心身共に・・・」
「そうかな・・・僕は自由に生きているだけだよ」
「それでいい・・・お前はお前自身の生き方をすればいい」
「父さん」
「それよりも秀二・・・隣にいる女性は?」
「彼女はショウキュウ・・・僕の婚約者だ」
シュウの応えに父は驚き、母は嬉しそうに涙を流していた。そしたら、父は
「それなら話は早い・・・秀二・・・今日からお前が黒鉄家の当主だ」
「どうしてです?」
「一週間前に起きた一件は世界中で多大な被害がもたらした・・・そのおかげで世界は急激な変化に追われている・・・古き伝統に甘んじる日本政府・・・それに付き従う私たちは一昔前の残党だ・・・次の時代は秀二たちが切り開く時代だ・・・秀二・・・お前が黒鉄家を守ってくれ」
「分かったよ」
シュウはそう言うと父はショウキュウの方に向き
「ショウキュウさん・・・秀二のことをよろしくお願いします」
「はい・・・任されました」
ショウキュウは笑顔で言い返すと、シュウはショウキュウを連れて客間を出た。二人が客間を出て、残されたシュウの両親はというと
「随分と早くに秀二を当主にさせたのね」
「まあな・・・秀二が大きく成長していたことが嬉しいんだ」
「そうね」
父が言ったことに母が賛同する。
「小さい頃から周りからの視線に媚を売ってくる同世代の女子たち・・・あの子はいつも愛想笑いをしていたが無理をし続けて心に闇を掬ってしまう結果になってしまった」
「うむ・・・自暴自棄になってあの世界に行ってしまった・・・でも・・・今日見た彼奴の顔を見ただけで彼奴に掬う心の闇が取り払われていたことが分かった」
「そして・・・あの姿・・・あの子から放たれていた闇のオーラ・・・夜の闇そのものだった」
「そのオーラを生み出してくれたおかげはショウキュウさんだ・・・彼女のおかげで秀二の闇が払われた・・・それだけでも私は嬉しい」
「そうね・・・秀二とショウキュウさんに神のご加護があらんことを・・・」
母はこれからの二人に祈りを込めた。
客間に出たシュウとショウキュウは廊下に出ると既に廊下にいた筆頭執事がおり、シュウは彼を見てすぐに指示を出した。
「他の執事、メイドたちに屋敷を掃除、資料を集めてくれ」
「かしこまりました・・・秀二様」
「坊ちゃまで良いのに」
「いいえ・・・今日をもって貴方は黒鉄家の当主・・・ですのでこれからは秀二様と呼ばせてもらいます」
「分かったよ・・・とりあえず・・・言われたことを果たしてくれ」
「かしこまりました」
「それからダークの皆・・・君たちは執事、メイドたちの手伝いだ・・・急げ!!」
シュウはそう命じるとダークの面々は行動を開始した。シュウはショウキュウを連れて書斎へと向かった。書斎に着くとシュウは椅子に座って、今すべきことをし始めた。しかも、もう凄いスピードで処理をしていった。ショウキュウは書斎の書類整理をしていた。相当な数があって書類の整理を追われていた。粗方の作業を終えたシュウとショウキュウはメイドが持ってきてくれた紅茶を飲んでいた。シュウは紅茶を飲みながらショウキュウにあることを伝えた。
「それよりもショウキュウ・・・身体の方は大丈夫かい?・・・これ以上やると身体に障るかも知れないよ」
「えぇ・・・分かっているわ・・・とりあえず・・・この後のことはシュウに任せるわ」
「任せておけ」
シュウはとびきりの笑顔をショウキュウに向けた。ショウキュウはその笑顔を見て多少顔を赤くしていた。
その後、シュウとショウキュウはギンたちの結婚式に参列し、その数日後に自分たちの結婚式を挙げた。
次回本編に戻ります
虹竜の読み方
1、こうりゅう
2、にじりゅう
3、せいりゅう
のどれでしょう?




