ハクリュウとカキュウの話
これは、『ナイト・オブ・ラウンズ』の一の剣士であるハクリュウと彼の婚約者であるカキュウと共にハクリュウの実家である白鉄家の話である。
神々の戦いから一週間後、ハクリュウはカキュウを連れてハクリュウの実家である白鉄家にやって来ていた。二人は白鉄家の門の前にいた。カキュウは白鉄家の門を見て
「随分と白塗りされている門ですね・・・ハクリュウさん」
「そうだな」
ハクリュウは感慨にふけており、そしたら、門を開けた。門を開けたハクリュウはカキュウを連れて中に入っていくと門から屋敷までは少々遠く、そこまで進むに時間が掛かる。ハクリュウは承知でカキュウを抱きかかえ、屋敷の玄関まで一瞬にして移動した。移動したハクリュウはカキュウを下ろし、玄関を叩いた。すぐに玄関が開き、中から中年の執事が出てきた。執事はハクリュウの姿を見て驚きの表情を上げていた。
「お、お久しぶりです・・・龍樹様・・・おぉーい・・・龍樹様が帰ってこられたぞ」
執事が叫びに屋敷の者たちは次々と玄関にやって来て、ハクリュウの姿を見た途端
「お帰りなさいませ・・・龍樹様」
「おい!!・・・旦那様と奥様に報告を・・・」
執事の一人が龍樹の父と母に報告に向かった。その数分後、玄関に龍樹の父と母がやって来た。やって来た父と母はハクリュウを見て母は涙を憂いに流し、父はハクリュウの顔を見る。その顔には強き覚悟の表れがあった。
「そうか・・・龍樹よ・・・お前はもう大人なんだな・・・私はお前の成長に嬉しく思う・・・それに・・・」
そしたら、父はハクリュウの隣にいるカキュウを見る。カキュウは軽く会釈した。母もカキュウを見ると何やら嬉しそうな表情をしていた。
「それに・・・?」
ハクリュウは父が何かを言おうとしていることの続きを促すと
「息子の龍樹がこれほどの美人を連れて帰ってきたんだ・・・父さんは嬉しくて仕方ない・・・それよりもお前に確認したいことがあるんだ」
「なんだよ」
「今、お前が仕えている男は・・・朝宮の次期当主で良いよな?」
「あぁ・・・その通りだ」
「そうか・・・長い間・・・朝宮には少々怯えながら営んできたが・・・時代が変わっていく・・・龍樹たち世代の時代がな」
龍樹の父は感慨にふけていると何かを思い出したようだ。
「そういえば・・・数時間前に日本政府からお達しが来ていたんだ」
「お達し?」
「その内容は?」
ハクリュウとカキュウは父にその内容を読ませるように促すと父は
「その内容は・・・これからの朝宮家、影山家、柳桐家、米倉家に対抗するために政府に加担してくれないかという頼みだ」
二人はその内容を聞いてはぁっとため息を吐いた。そしたら、すぐにハクリュウが応えた。
「断るよ・・・俺やカキュウはもうギンの大幹部だ・・・おいそれと裏切ることができない」
ハクリュウはそう応えると父は
「そうか・・・それを聞いて安心したよ・・・それではこれを政府に報告しておこう」
「そうだな・・・報告しておこう」
ハクリュウとカキュウは立ち上がりながら
「非道な手を使ってまで・・・俺たちを取り込もうとしている日本政府にな・・・」
ハクリュウが言ったことに父と母は響めきを上げていた。だが、平静を取り戻し
「何を言っているんだい・・・父さんには意味が・・・」
「とぼけても無駄だよ・・・政府の役人さん・・・君たちが父さんや母さんを人質にして俺たちを取り込もうしているのも既に知っていたから」
ハクリュウはそう応えると父に変装していた政府の役人は
「なるほど・・・どうして分かったのか教えできないだろうか」
「簡単な話だよ・・・白鉄家の筆頭執事が俺のことを「龍樹様」と呼んだり・・・叫んだりしない・・・そこで気づいたんだ・・・父さんと母さんが人質に取られ・・・命令に従っているって・・・簡単だろう」
ハクリュウはそう応えると役人はぐぬぬっと歯を食いしばっているとカキュウが
「それに嘘を針通すのも下手だったから・・・ついでに言うと・・・もう人質は回収済みよ」
カキュウが後半に言ったのと呼応して部屋に入ってくるハクリュウの仲間のシャイニングの面々とハクリュウの両親や執事たちであった。政府の役人たちは形成が圧倒的に不利だと確認するも懐から拳銃を取り出してハクリュウとカキュウに向ける。剣銃を向けられている二人は平然と立っていて、そんな中、ハクリュウは精霊剣を抜いて
「卍解・・・『聖竜王』」
ハクリュウは精霊の卍解をすると、地面から白き巨竜が出てきた。政府の役人たちは巨竜を見て腰が抜けて座り込んでしまった。巨竜は雄叫びをあげる。その雄叫びに役人は完全に戦意喪失に陥った。その後、役人たちは朝宮家の手を借りた警察の手によって連行された。連行されたのを確認したら、巨竜を消す。ハクリュウの両親はハクリュウの成長した姿を見て母は涙を流し、父はふけていた。昔のハクリュウのことを思い出していたのであろう。ハクリュウは両親の顔を見ずに
「老けたな・・・父さん」
「そうだな・・・」
父は気が抜けていくのを感じ、椅子に座り込みハクリュウを見るが、すぐに視線をそらし
「時代が時代・・・寄る年波は超えられない・・・」
「世界は急激な変化に対応できていないだけだ・・・そういったものは時間を掛けてやるべきだ・・・だが・・・今回の一件で地球は多大な被害が起きた・・・古き伝統を捨てろとはいわない・・・新しいものを取り得ていかないと置いて行かれる・・・俺はそう思っている」
ハクリュウはそう言って部屋を後にしようとした。だが、父は最後にあることを呟いた。
「龍樹よ・・・お前がそこまで成長したんだ・・・今日からお前が白鉄家の当主だ」
父は言うだけ言って椅子の背もたれに背を預けた。ハクリュウはそれを見ずに部屋を出て行く。カキュウもその後の追って部屋を出て行った。部屋に残った父と母は
「あなた・・・随分と龍樹に当主の椅子を与えたわね」
「あそこまで強く皆を纏めるまでに成長した・・・それに・・・」
「それに・・・?」
「彼奴の目・・・曇り無き目をしていた・・・もう迷うこともなく前に突き進んでいる・・・彼奴と一緒にいた彼女が彼奴の心に掬う闇を取り払ってくれたんだろう」
「そうね・・・私たちにはできなかったことを・・・彼女が払ってくれたんでしょうね」
「もうすぐ・・・新しい時代が来る・・・私たちのような人たちは新時代を担う者たちの活躍を見届けようじゃないか」
父は最後にそう呟く。
部屋を出たハクリュウとカキュウは既に廊下にいた執事やメイドたちを見て、次の指示を出した。
「今・・・屋敷の状況は・・・?」
「政府の役人の所為で掃除されていない箇所があります」
「分かった・・・とりあえず・・・メイドたちは屋敷の掃除・・・執事たちは資料を集め、俺の元に持ってこい!!・・・動け!!」
ハクリュウが叫んだ途端、執事やメイドたちはさっそく動き始めた。次に指示を出したのはシャイニングの面々。
「お前たちは屋敷の者たちの手伝いだ・・・急げ!!」
「・・・・・・「「「「「了解!!」」」」」・・・・・・」
そう叫んで、屋敷内を散り散りに動いた。そしたら、筆頭執事がやって来て
「坊ちゃま・・・いえ・・・龍樹様・・・書斎へ・・・隣におられる貴方様もどうぞ」
ハクリュウとカキュウは筆頭執事の案内で書斎に向かった。書斎に着くと、筆頭執事はハクリュウにある資料を渡した。それは日本政府との関係資料だ。先祖の時代から続いている日本政府との関係をハクリュウ時代で関係を決裂にしようと考えた。政府からの援助はないが、代わりに朝宮という強大なバックを味方にした。こういう言い方をするとギンに申し訳ないが、これからのことを考えるとそれが一番良いと思った。いくら日本政府でも国家に関与する軍や警察の育成、投資などをしている朝宮家の関係を決裂したら、これからのことを考えると日本政府はずっと頭を下げ続ける羽目になる。それに三大勢力の『四聖皇』、『神下七星界』、『聖霊軍本部』が黙っていないだろう。政府は絶対に朝宮家とは関係を決裂にしないだろう。いや、朝宮家だけじゃない。影山家、柳桐家、米倉家にも手を出せないだろう。なんせ、『四制定』がバックに付く筈だと予想した。とまあ、そんなことを置いておいてハクリュウは政府との関係資料を読んでいると
「明治の頃からの資料か・・・先祖たちは過去の柵に取られ・・・今もなお、政府の関係を取り守られていたというわけか・・・お前ならどうするカキュウ?」
ハクリュウは資料を見ながらカキュウに話を振るとカキュウは
「そうね・・・この際だし・・・利用するなんてどう?」
「利用ねぇ・・・それも良いな・・・むしろ、メリアやギリスならこんなことを考えていそうだし・・・そうするか」
ハクリュウとカキュウは日本政府を利用する考えで政府との関係を保とうと考えた。しかも、利用する価値がなくなったら決裂する気でいた。ハクリュウもメリアやギリスほどではないがあくどいことを考えていた。
その後、ハクリュウとカキュウはギンたちの結婚式に出席し、その数日後に今度は自分たちの結婚式を挙げた。




