50話㉔
「なるほど・・・だから、『超高速移動』にも反応できたというわけだ・・・相変わらずの複数の精霊の解放ができる美雪姉のお得意技・・・敵に回したくないな・・・だが・・・それには弱点がある・・・それは、卍解はできるが・・・精霊との一体化はできない・・・一体化をするときは必ず精霊を一体にしないといけない・・・それが美雪姉の弱点」
煌大が賞賛と弱点を言い返すと、美雪姉は
「流石は煌大・・・たった一回でそこに気づくとは・・・賞賛に値するわ・・・でも・・・それは・・・一体化をすればの話よ・・・卍解・・・『太陽神竜』」
美雪姉が二体目の精霊を卍解すると、雲から光が漏れ出していた。煌大はチッと舌打ちをする。
「来たか・・・太陽の神・・・『太陽神竜』」
煌大の雲の向こうにいる精霊を視認していた。『超視覚』で。地上にいる結女姉たちは雲から漏れ出している光に
「いったい何が起きているの?」
「今まで知られていない・・・美雪姉の精霊が見られるのか・・・空にいるあの赤い竜と他の精霊が見られるのか」
結女姉と彩華姉が言うと、銀次と小雪は
「美雪の奴・・・久々に見せるのか・・・太陽の神を・・・」
「煌大・・・今のままで大丈夫かしら?」
「どういうこと?」
メリアが銀次と小雪に問いかけると
「煌大は前に一度・・・美雪の精霊を相手にして死にかけたのよ・・・『神竜』の『超治癒力』で助かったけど・・・今のままじゃ・・・勝てないわよ・・・煌大」
説明すると雲から大きな光の球が降りてきた。そして、球から裂けてだんだんとその正体を現した。その姿は光り輝く翼竜であった。そしたら、翼竜は雄叫びをあげ始め、大気を振動させた。結女姉たちの肌から感じる存在感、威圧感に圧倒されていた。煌大は赤い竜から上空で浮く。背中の翼を使って上空で羽ばたいていた。煌大は上空に飛びながら
「相変わらずの複数の精霊の卍解・・・それができるのは・・・『魔帝』といわれている『ブラッキー』が使う能力だぞ・・・それよりもさっさと巨人を出せよ」
「煌大・・・前回の時と同じ状況で勝ちたいというわけね・・・」
美雪姉はそう呟き、3本目の精霊刀を抜く。
「殲滅せよ・・・『巨王』」
美雪姉は三体目の精霊の始解をした。そして
「卍解・・・『巨神王』」
三体目の精霊の卍解をすると、大地が鳴動した。銀次と小雪はこの鳴動で理解した。
「美雪めぇ・・・あの精霊も呼んだのか!?」
「これは美雪の十八番ね・・・複数の精霊の解放・・・器用に育ったものね」
二人は何気ない会話をしていると、大地から亀裂が入り、そこから出てきたのは、青い巨人が出てきた。しかも、背中には翼らしきものが生えていた。青い巨人も鈍い雄叫びをあげる。その雄叫びには全ての圧倒し、戦慄させるほどの力が秘めていた。そしたら、煌大は精霊と心を一つにした。それによって煌大は『神竜』と一体化をした。それを見た美雪姉、地上にいる結女姉たちは驚きを上げていた。何故なら、今までの煌大なら、精霊の一体化はできずにいた。しかし、今の煌大は迷いが吹っ切れたので、ためらいなく精霊との一体化をした。『神竜』との一体化した姿は両腕が『蛮竜』の腕に近い腕になり、背中の翼が闘気の翼に、上着の後ろ側が膝まであり、両肩に『虹竜』と『蛮竜』の形をした意匠が施され、背中には『神竜』の意匠が施されていた。さらに、煌大は闘気を高めると、身体中に青白い線が浮かび上がる。浮かび上がったことで、今まで以上に力が増していた。煌大を見るだけで美雪姉は
「(これが『神竜』との一体化・・・あの時の煌大にはできなかったこと・・・見ているだけで・・・圧倒されてしまう・・・これが始祖神精霊の力・・・いえ・・・今の煌大の力)」
美雪姉は煌大を見据えながら、一気呵成に叩き潰すしかないと判断した。地上から上空を見ている銀次たち。銀次は小雪に
「一斉攻撃で倒しに来るんじゃない?」
「えぇ・・・美雪ならそう考えるでしょう・・・でもね・・・美雪・・・『虹竜』・・・『蛮竜』・・・『神竜』の一体化したら・・・手も足も出ないわよ」
小雪がそう言った途端、煌大が一瞬にして消えた。移動した際に残った微かな闘気の欠片だけが・・・。美雪姉は一瞬にして消えたことに驚くが、すぐに気を引き締めて、『見聞』を使って周囲の気配を探るが、煌大の気配を感じなかった。だが、唯一、煌大の速度を目で追えた者がいた。それは、清恵である。
「煌大くん・・・雲の向こうにいる・・・」
清恵がそう呟くと、結女姉たちは上空の雲の方に目を向けた。銀次と小雪は同時に清恵の方に向いて
「(今の煌大の速度を目で追えただと・・・俺と小雪は・・・『虹竜』、『蛮竜』の使い手だから・・・分かるけど・・・彼女は『覇気』も目覚めていない・・・精霊も始解しか解放していない・・・それなのに・・・何故・・・?)」
「(そうか・・・この娘は・・・光伊・・・光と雷のエレンツ家系・・・!?・・・それなら話が通る・・・エレンツは基本・・・固有能力を持って生まれる・・・おそらく、彼女は・・・異能に近い能力を持って生まれた・・・大抵の人と同じだけど・・・煌大といった異常性を秘めている女の子・・・それだったら・・・)」
「(この娘が煌大の速度に追いつけることも頷ける・・・おそらく、彼女は・・・美雪たちと同等以上の力を秘めている)」
銀次と小雪は互いに内心思ったことを目線だけで話し合っていると、小雪が清恵に
「清恵ちゃん・・・さっきの煌大のスピード・・・目で追えたんじゃない?」
小雪が清恵に問いかけにハクリュウたちラウンズはほぉっといった表情をして、結女姉たちはえっといった表情をしていた。清恵はというと小雪の質問に
「だって・・・煌大くんの動き・・・流れ星じゃないの?」
清恵が言ったことに銀次と小雪だけには理解できた。
「なるほど・・・君は・・・いや、君の目は可視光線といったものが見えるじゃないかな」
「闘気の翼は他人の目から見れば光の集合体みたいなものね」
「そうだ・・・だから・・・彼女は煌大の動きが見えたんだ・・・とそれよりも気をつけろよ美雪・・・今の煌大は神に近い領域に足を踏み入れた・・・気を引き締めないと勝てないよ」
銀次は上空の『天雷神竜』に乗っている美雪姉に向けて言った。




