50話㉓
街に向かってバイクを走らせていた煌大が後ろで煌大に抱きついている清恵に
「それでどこへ行きますか・・・姫様?」
「どこへって・・・剣士様のおすすめな所で!!」
「そうですか・・・それでは・・・あそこに行きましょう」
煌大はそう言いながらバイクを目的地に向けて走った。目的に着くと、清恵はメットを外し、入り口を見る。
「『エルバラダイ・ランド』?」
「テーマパークみたいなもんさ・・・ここは年間一千万近くの人が来ているテーマパークだ」
煌大はメットを外しながら説明する。そしたら、二人はパーク内に入って、アトラクションに乗ったり、食事をしたりして楽しんでいた。夕方になり、テーマパークを後にし、バイクで自宅に帰り、夕食を取った後、風呂にはいり、二人は煌大の部屋で過ごしていた。二人は一つのきっかけだけで話が盛り上がっていった。その後、二人は仲良く眠りに入った。
翌日、二人は朝食を取った後、修練場にいた。煌大が清恵に精霊の使い方を叩き込もうとした。だが、そこには陸遄と亞矢、周一と絵美の四人がいた。さらに言うと、美雪姉たちまで来たのだ。
「ハァ・・・それじゃあ、まず・・・清恵、亞矢、絵美には精霊の使い方・・・始解、卍解、一体化に着いて説明するぞ・・・陸遄・・・周一・・・お前らも手伝え!!」
煌大はため息を吐いてから三人に剣士としての精霊の使い方を教えることにした。道連れに近い形で陸遄と周一も教官役にさせた。美雪姉たちには
「美雪姉たちは修行に入れ!!」
大声で煌大が叫ぶと美雪姉たちは「はぁーい」と言って四方に散った。煌大はそれを見ずに三人の方に向き、説明を始めた。
「まずは、精霊の使い方に教えるぞ・・・精霊の使い方は四つ存在する・・・一つ目は剣士として精霊を始解、卍解、一体化を使っての戦い方・・・二つ目は術士として・・・精霊を解放して精霊術を行使しての戦い方・・・三つ目は騎士として・・・精霊を武器解放、記憶解放しての戦い方・・・四つ目は妖怪として肉体と精霊が融合して能力を行使しての戦い方・・・その四つだ」
「四つの戦い方は『四聖帝』が率いている組織の戦い方だ」
「俺たちは剣士だから・・・精霊を始解、卍解、一体化といった解放で戦うスタイルだ」
煌大が大方説明し、陸遄と周一が補足説明をした。三人はその説明を聞いて首を傾げていた。煌大たちも何となく分かっていた。口で説明しても理解できるとは思っていなかった。だから
「ちょうど・・・姉さんたちが解放するようだ」
「口で説明を聞くより・・・実際、自分の目で見れば一目瞭然だ」
煌大と陸遄が今、ぶつかり合っている美雪姉たちが精霊を解放しようとしていた。解放するのは、結女姉と彩華姉だが
「たぶせ・・・『白凪』」
「蹂躙せよ・・・『紅夜』」
二人の精霊刀が変化する。結女姉と彩華姉の精霊刀が両刃の剣に変化する。結女姉の剣を纏っている風が刀身を隠しているのに対し、彩華姉の剣は赤雷が漏れ出していた。清恵、亞矢、絵美は結女姉と彩華姉が精霊を解放しているのを見て
「あれが・・・精霊の解放?」
「そうだ」
清恵の問いかけに煌大が応える。そしたら、亞矢が
「名前を明かさないといけないの?」
「そうだ・・・精霊の解放には・・・名を明かさないといけない」
「どうして?」
「精霊が応じてくれないからだ・・・精霊は持ち主が死ぬまで一緒にいる存在だ・・・精霊との関係が深まれば・・・名前を明かさずに解放できるけど・・・大半はそれをしない・・・どうせ、バレるからだ」
亞矢の問いには陸遄が絵美の問いには周一が応えた。そしたら、煌大は美雪姉と所に歩き始め
「美雪姉・・・久々に相手にしてくれないか?」
煌大は精霊刀を抜きながら言うと、美雪姉は
「良いわよ・・・どこまで腕を上げたのか見てみたいし」
美雪姉も『天竜』を抜きながら言い返す。明梨たちは二人の顔を見て陸遄たちの方に向かって歩き始めた。煌大と美雪姉。二人の闘気が互いに高まっていく。それは大気にまで影響を及ぼしていた。
「大気が揺らいでいる」
「なんという闘気・・・」
「スゲぇ・・・煌大の奴・・・短期間でいったいどこまで?」
明梨たちは二人の闘気に驚きを上げているが、陸遄と周一は
「悲観することはない・・・煌大が強くなると俺たちも強くなる」
「その必然性は変わらない・・・まるで・・・群れをなすリーダーが強くなればなるほど仲間たちは強くなっていく」
必然的なことを言うと白瑛と明梨が
「何をしれっと言っているんですか」
「私たちももの凄い勢いで成長していますよ・・・でも、煌大、陸遄、周一・・・あんたたち三人が頭一つ二つぐらい上にまで上っていることに驚いているの」
ふてくされながら言うので、二人はフッと息を吐く。そしたら、闘気の高まりが収まりを感じると
「始まるぞ」
陸遄の一言でみな,二人の方に向く。
「照覧せよ・・・『神竜』」
「駆け上がれ・・・『天竜』」
二人が同時に精霊を解放する。二人の精霊刀に変化はないが、何かが起きていることだけは清恵、亞矢、絵美にも分かった。そしたら、煌大はその場でジャンプして刀を振り下ろすと刀から竜の形をした斬撃が放たれた。美雪姉はその斬撃を『高速移動』で躱す。躱した美雪姉も刀を振り下ろすと刀から雷の砲弾が放たれた。煌大も『高速移動』で躱す。清恵たち三人は煌大と美雪姉が刀から放たれたものに驚きを上げていると結女姉と彩華姉が
「煌大の精霊は『神竜』・・・能力は前に説明しましたが・・・わかりやすく言うと・・・『神竜』は天候を支配し、地上を支配し、人体を支配することができる・・・しかも・・・」
「あぁ・・・『神竜』は『虹竜』、『蛮竜』の力まで使えるという恐ろしい精霊だ・・・あれを普通とは言えねぇよ」
清恵は二人が言ったことに疑問を感じていると、煌大の左腕に変化が起きた。煌大の左腕が竜に近い腕に変化した。そして、左手の平から熱の光線を放った。美雪姉は舌打ちをしながら『高速移動』で躱す。陸遄たちは今の攻撃に驚きを上げていた。おそらく、内心では今のあれはいったい何なんだというのが心情であった。そしたら、そこに銀次といった『ジ・エンパイア』の最高幹部勢がやって来た。銀次と小雪はさっきの煌大のあれを見て
「今のは・・・小雪の『蛮竜』の『膨天赦波動』じゃないか・・・煌大の奴・・・いつの間に使えるようになったんだ」
銀次が言ったことに結女姉が
「父様・・・今のあれを知っているんですか?」
「あれか・・・あれは『膨天赦波動』・・・小雪の『蛮竜』しかない固有能力だよ・・・水分を一瞬にして気化したとき・・・水蒸気爆発起こすでしょう・・・あれはそれを強制的に引き起こすんだ・・・急激な熱反応を起こすことができる能力だ・・・それで合っているよね・・・小雪?」
「えぇ・・・私の能力を使えるとなると・・・おそらく・・・」
「あぁ・・・俺の『空絶防片』も使えると考えた方が良いな」
銀次と小雪の会話を聞いて、メリアとギリスは
「『空絶防片』・・・厄介な能力だね」
「『膨天赦波動』と同様に攻守に転用できるという・・・厄介な能力だ」
「お父さん、お母さん・・・どういうこと・・・それ?」
明梨がメリアとギリスに問うと
「『空絶防片』は・・・総帥の『虹竜』の能力で・・・防御に特化した能力なんだけど・・・総帥はその防御力を攻撃に転じることができるのよ」
「しかも・・・その防御力は誰にも突破されていない・・・『膨天赦波動』でも突破されていないんだ」
メリアとギリスの説明で明梨は煌大と美雪姉の方に向き、二人の戦いを改めて見直した。美雪姉は煌大が放った『膨天赦波動』を躱し、煌大の方に見ていた。そして、煌大を見ながら
「随分と酷いことをするじゃない・・・煌大」
「よく言うよ・・・こっちの手の内を知った上で舌打ちするんだから・・・そっちも酷い方だと思うよ」
姉弟で言い争っていた。そしたら、煌大は
「こうなったら仕方ない・・・卍解で叩き潰す!!」
「そう・・・だったら私もやろうじゃないの!!」
煌大と美雪姉は互いに闘気が高まっていく。銀次たちも二人の闘気が高まっていくのを感じ
「卍解するのか」
「姉弟同士での卍解」
「珍しいこともあるんですね」
「あぁ・・・二人が卍解するなんて・・・でも・・・二人の卍解なんだぁ?」
美琴は煌大と美雪姉の精霊の卍解を知らなかった。それについては結女姉たちも知らなかった。そしたら、銀次と小雪が
「煌大の方は俺と小雪の融合版・・・美雪は・・・小雪に宿っていたもう一つの精霊の三つに分けた精霊の竜の方かな?」
「そうだね・・・とにかく、美雪の卍解は空を支配する竜・・・雷の化身・・・天空の竜王などと呼ばれている精霊よ」
小雪が美雪の精霊を説明すると、煌大と美雪姉は声を揃えて
「「卍解!!」」
「『極聖神竜』」
煌大の服装が背中に竜の意匠を施した軍服に近い服装になっていて、背中からは翼を生えていた。しかも、竜の翼である。
「『天雷神竜』」
美雪姉の方は変化無く、何も起きていなかった。だが、煌大は空を見上げていた。結女姉たちも煌大につられて見上げると、空の方からおぞましい雄叫びが聞こえた。煌大はそれを聞いて
「来たか・・・」
呟くと、雲の中から蛇のようなものが出てきた。そして、ついにそれは顔を出した。それは口が上下に二つあり、全体が赤く身体を貫くほどの存在感を放っていた。そいつは下の口で雄叫びをあげている。ただ、雄叫びをあげているだけなのに身体を震え上げさせるほどの威圧感を放っていた。結女姉たちは竜の雄叫びだけで震え上がり恐怖していた。だが、煌大だけはフッと口角を少し上げた。美雪姉はその場でジャンプし、赤い竜に乗り移る。そして、とある仕草をすると赤い竜の下の口が大きく開く。煌大はそれを見て、咄嗟に左手を赤い竜に向け『膨天赦波動』を放った。結女姉は煌大が『膨天赦波動』を放ったことに驚きを上げていた。何故、そこまでしたのかが頭に浮かんだ。だが、答えはすぐに出た。赤い竜の下の口に光が収束されていた。そして、それは光線として放たれた。
「『雷光線』」
赤い竜が放った雷の光線と煌大が放った『膨天赦波動』がぶつかり合う。最初は、煌大の方が押していたが、だんだんと竜の雷の光線が押し始めた。煌大は押し負けていることは分かっていた。
「(相変わらずの威力だな・・・力負けしている・・・このままじゃ・・・やられるのがオチだな・・・仕方ない・・・『空絶防片』だ)」
煌大は『膨天赦波動』を放つのをやめると雷の光線が煌大に直撃する。結女姉たちは「煌大」と叫んでいる。特に清恵なんかは顔を真っ青にしていた。だが、美雪姉は
「いつまで・・・隠れているつもり・・・この私の目に騙されないわよ」
言っていると、背後から煌大が刀で美雪姉に斬りかかっていった。美雪姉も刀で受け止めて対峙していた。結女姉たちは上空にぶつかり合っている二人に真剣な表情で見ていたが、彩華姉が
「煌大の奴・・・いつの間にあそこに!?」
彩華姉の驚きに銀次が
「『雷光線』がぶつかる直前に『空絶防片』で防御して『神竜』の能力で・・・偽物を作り・・・『超高速移動』で美雪の背後に回っただけだよ」
「という美雪も見えたようだな・・・二体目の精霊の力で・・・」
銀次が応えて、小雪が補足説明した。そしたら、ハクリュウとシュウが
「しかし・・・『超高速移動』は『見聞』を使わないと予測することができない・・・彼女(美雪)はおそらく・・・『見聞』を使っているかも知れないけど・・・それだけじゃないって・・・」
「『超高速移動』はもはや神速の域だ・・・生身の状態で刀を受け止めることはできない・・・いったい・・・」
二人が今の謎を気にしていた。その頃、赤い竜の背でぶつかり合っている煌大と美雪姉。煌大は今の一撃を受け止めたことに疑問符を浮かべるが、美雪姉の腰に携わっている3本の刀のうち2本の刀が抜かれていた。煌大はそれに気づくと
「そうか・・・『陽竜』の能力か・・・そいつの薄い光の放ち屈折による得た情報で受け止めたんだな」
「その通り・・・『天雷神竜』に乗り移ったときに『陽竜』を解放していたの」
美雪姉が赤い竜に乗り移ったときの描写
「照らせ・・・『陽竜』」
描写終了。




