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50話⑬

 煌大たちは隣から愚痴を言っている声が聞こえたので、振り向くとそこには煌大たちと同じ新入生がいた。その娘はこっちに振り向いて煌大たちとみると


「君って総代の朝宮煌大くん?」


「あぁ・・・そうだが・・・君は?」


「私は千葉七海・・・七海で良いわ」


「そうか・・・俺は知っての通り・・・朝宮煌大・・・こっちは・・・」


「光伊清恵と言います」


「北川亞矢・・・よろしく」


 清恵も亞矢も七海に自己紹介すると、清恵は七海が言っていたことを尋ねた。


「ねぇ・・・さっき言っていたことってどういうこと?」


「えっ?・・・あぁ・・・あれね・・・簡単よ・・・見栄えを意識した立ち回り・・・面白くもないじゃない」


 七海が言ったことに煌大が断定的に言い返した。


「いいんじゃないのか・・・武術、剣術の真剣勝負は要するに殺し合いだからな」


 煌大は澄まし顔でそう言うと七海は


「クールなのね」


「思い込みの違いじゃないのか」


 七海が煌大をクールと言ってくると煌大はそう言い返す。そしたら、下の方から呻き声が聞こえた。四人は下の方を向くと煌大は


「トラブルか?」


 煌大は下の状況を見てそう言う。そして、下に行った。




 下の方では


「剣術部の一時間以上もあるわよ・・・どうして邪魔をするの!?・・・桐山くん!?」


「侵害だな・・・あの程度の相手じゃあ・・・お前の披露にならないから協力をしようと言っただけだぜ」


「無理矢理吹っ掛けてきて協力が聞いて呆れるわ」


「先に吹っ掛けてきたのはそっちじゃないか?」


「桐山くんが挑発したからじゃない!?」


 体育館内で言い争っている二人の男女に七海は


「面白い組み合わせね」


「あの二人を知っているのか?」


 煌大は七海に二人のことを知っているのか尋ねると


「直接の面識はないけれどもね・・・女子の方は御堂紗綾・・・一昨年の剣道全国のチャンピオン・・・男の方は桐山武昭・・・一昨年の剣術関東のチャンピオン・・・おっと、そろそろ始まるみたいね」


 七海は二人が精霊刀を構えると煌大は胸元にある録画機のスイッチをオンにしていた。


「心配するな・・・御堂・・・剣道のデモだ・・・精霊は使わないでおいてやるよ」


「剣技だけ勝てると思っているの・・・精霊と一緒に鍛え上がっている桐山くんに対してただ剣技だけに磨きを上げているこの私に・・・」


「剣技だけを磨き上げているねぇ・・・大きく出たな・・・じゃあ見せてやるよ・・・身体能力の限界を超えた剣術の戦い方っていうのをな!!」


 二人は同時に精霊刀を振り下ろす。二つの刀がぶつかり合う音が体育館内に響く。煌大たちはそれを見て清恵が


「相打ち?」


「いや・・・相打ちではない・・・とにかく・・・急いで担架を用意しないとな」


 清恵が相打ちかと言うと煌大は相打ちではないと言い返した。


「そうね・・・桐山先輩・・・肩から血が出ているから」


 七海も煌大の意見に賛同する。だが


「精霊を使ってたら致命傷よ・・・私のは・・・皮膚にすら届いていない・・・素直に負けを認めるのね・・・桐山くん」


 紗綾はそう言うが煌大から見れば


「(いや・・・桐山先輩は意識的に御堂先輩に傷つけたくないという気持ちで刀の太刀筋を変えていた・・・全く・・・鈍い先輩だな)」


 だが、状況は少し変わってしまった。


「御堂・・・精霊を使った勝負をしたいのか・・・だったら・・・精霊を使ってやるよ・・・震え『諦道』」


 桐山先輩の精霊刀から高周波音が聞こえた。煌大はそれを見て、まずいと思い、二人の間に割って入った。


「双方!!刀を引け!!」


 煌大から発せられる凜とした声に体育館内にいた全員が煌大に注目した。


「これ以上・・・やれば・・・双方を逮捕させてもらう・・・いや・・・逮捕しよう・・・桐山先輩は精霊の不適正使用・・・御堂先輩は傷害の方で・・・そして・・・御堂先輩にはカウンセリングをしてもらいます」


 煌大が言ったことに剣術部と剣道部が煌大に抗議の声を上げた。


「どういうこと?」


「なんで・・・御堂が傷害よ・・・剣術部の桐山は分かるけど!?」


「いいえ・・・分かっておりません・・・」


 煌大は桐山先輩の方に歩き始め腰に携えている精霊刀を抜くと、刃先を桐山先輩の肩の傷口に近づけると


「『神竜』・・・癒やせ」


 途端に精霊刀から竜のような塊が出ると、竜は桐山先輩の肩の傷を治癒させた。周囲の人たちはオォーと声を上げていると煌大は精霊刀を鞘に収めながら


「一応、応急処置はしましたが・・・後は保険医の方に治療してもらってください」


 桐山先輩はあぁっと言い返すと煌大は


「先ほどのあれで・・・桐山先輩は死んでいたかも知れません」


 煌大が言ったことに周囲の人たち、特に剣道部と剣術部は驚きを上げていた。そしたら、そこに剣議連の人がやって来て


「そこで何をしている?」


 声を上げた。煌大は剣議連の方に事情を説明しに行くと、やって来ていたのは陸前であった。煌大は陸遄に状況報告をすると、陸遄は現場に残り、剣道部と剣術部の方々から事情聴取をしていた。煌大は本部に報告をして担架とカウンセラーの手配を頼んだ。

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