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50話⑨

 その頃、修練場では、高々しい剣戟音が鳴り響いた。結女姉と彩華姉の互いの精霊刀がぶつかり合い、修練場全体に響く剣戟音が鳴り響いていた。修練場には結女姉と彩華姉以外誰もおらず、二人の刀がぶつかり合うだけで土煙を上げていた。二人が『高速移動』をしながらの刀同士のぶつかり合いでそこら中に土煙が上がった。だが、二人の戦いスタイルは大きく違っていた。結女姉は生粋の剣術に近いが闘気を用いての戦い方であるが、彩華姉は生粋どころか勝つためだけに刀を使っている戦い方である。時には殴ったり、刀を投擲に使ったりしていた。要は、彩華姉の戦い方は勝てば良いという戦い方である。


 もう一つの修練場では美雪姉と煌大がぶつかり合っていた。二人の刀がぶつかり合うと結女姉と彩華姉と同じように修練場の至る所に土煙を上がっていた。だが、二人の戦いスタイルは煌大の精霊刀『神竜』を解放して戦い方と父・銀次から教え込まれた『帝剣技』を使って戦うスタイルである。美雪姉は自身の精霊は三体なので三本の刀を使用しての戦い方である。時には一本、時には二本、さらに三本の刀を使う戦うスタイルである。朝宮家の剣士の戦い方は奇抜的な戦い方である。わかりやすく言おう。朝宮家いや『ジ・エンパイア』の剣士たちは自分だけの剣士としての戦い方を持っている。


 そんな中、煌大と美雪姉がぶつかり合っている修練場にやって来た清恵と亞矢は美雪姉と煌大のぶつかり合いに呆然としていた。何故なら、二人の動きが尋常じゃないほどの速度で移動して刀と刀がぶつかり合っていた。ただぶつかり合っているだけなのに土煙が上がっていたのだ。美雪姉なんか、口に刀をくわえて斬撃を放ってきた。煌大はその斬撃を難なくいなして上空に霧散させた。そんなこんなで二人の修行を見ていた清恵と亞矢はというと


「な、なにあれ・・・?」


「刀から斬撃を放つわ・・・美雪は刀三本使っているわ」


「その斬撃を上空に反らした煌大くんも凄い・・・けど・・・なんか・・・」


「うん」


「「個性のある戦い方だね!!」」


 二人が声を揃えて言うと美雪姉と煌大は少々息を切らしながら声がした方向に向くとそこにいた清恵と亞矢を見て少し驚くもすぐに真剣な顔をしてまた、対峙し始めた。清恵と亞矢は二人に無視されてしまったことに多少ショックするも二人の邪魔をしたことは重々分かっていたので、その場で立ち続けていた。そしたら、煌大と美雪姉はだんだんと苛烈していき、ついには剣技まで使う始末になっていた。煌大は『帝剣技』を、美雪姉は自身が編み出した『三刀流』を使い始めた。しばらくした後、煌大と美雪姉は息を切らしながら刀を納めて修練場の出入口に向かった。既に出入口には清恵と亞矢が待機していた。清恵と亞矢は煌大と美雪姉にタオルを渡すと二人は受け取り、汗を拭き始めた。清恵は煌大から匂う汗の匂いを嗅いで何やら昇天しそうな雰囲気を醸し出していた。煌大は清恵を呼びかけると清恵は応じて意識を覚醒させた。そしたら、煌大は清恵の手を握って移動し始めた。美雪姉と亞矢も二人の後について行った。四人は結女姉と彩華姉がいる修練場につくと二人も苛烈な修行をしていたのか。ついさっき出たばかりのようだった。煌大は二人にタオルを放り投げると二人は受け取って汗を拭き始めた。その後、煌大たちは一度、ロッカールームにあるシャワーを浴びている最中、清恵と亞矢は煌大と美雪姉のあれを思い出していた。


「それしてもさぁ・・・ここの日課って凄いね」


「うん・・・ここの暮らしが大変に思ってしまったよ」


「これなら煌大くんたちが主席を取るのも分かるよ・・・あんだけ・・・努力しているんだから」


 清恵と亞矢は会話しているとそこに美雪がやって来て


「そんなことはないよ・・・清恵や亞矢だってここで鍛えれば・・・それなりに強くなれるよ・・・才能あるんだし・・・」


「そ、そうかなぁ・・・?」


 清恵は若干卑屈になっているが、美雪姉は二人を励まし始めた。


「謙遜してはダメよ・・・清恵は私と同じぐらいの器を持っているんだから・・・もちろん・・・亞矢もね」


「どういうこと?」


 亞矢は無表情のままだが首を傾げる


「それはね・・・二人はまだ自分が秘めている才能を覚醒していないだけよ」


 清恵と亞矢は美雪姉が言ったことに疑問符を浮かべて首を傾げた。


「口で言っても分からないか・・・明日・・・開いている?」


 美雪姉は口では説明できなかったので、明日、用事が開いているかを聞くと二人は開いていると答えたら


「それじゃあ・・・明日に話をしてあげるわ・・・あっ・・・一応、動けそうな服を何枚も持ってきた方が良いよ」


「「分か(りました)った」」


 二人はそう言い返すとそこに結女姉と彩華姉がやって来て


「お話は聞きました・・・けど・・・美雪・・・その必要は無いでしょう」


「そうだぜ・・・父さんたちが二人を泊めていく気だろうし」


 美雪姉は二人の意見を聞いて


「確かにそうね・・・清恵、亞矢・・・お母様から夕食誘われたんじゃない?」


 まず、納得して清恵と亞矢にこの後を尋ねると二人は頷いて確信めいたようだ。


「仕方ないね・・・清恵・・・亞矢・・・今日はうちに泊まりなさい・・・いや・・・絶対にうちに泊まらされるわ」


「どうして?」


 清恵が問い返すと結女姉が


「父さんは・・・煌大のためなら・・・一日でも早くお互いの距離を縮めよう動くでしょう」


「えっ・・・?」


 清恵はそれを聞いて呆然とすると彩華姉が


「要するに・・・父さんが清恵とうちらとの関係を持とうという考えだ・・・もちろん・・・亞矢もな」


 彩華姉が詳しく話すと、清恵は顔を赤くして声を出せない状態になっていた。そしたら、そこに煌大がやって来て、清恵と亞矢の方に向くと


「そろそろ時間じゃないのか?」


「そうね・・・行きましょうか」


「食堂に・・・」


 美雪姉たちは先に食堂に向かうが、清恵は何かあったか知らないが固まっていたので、煌大が呼びかけ、清恵が応じて、煌大が清恵の手を握って食堂に連れて行った。


 その後、煌大たちは先に自分たちだけで食事をしていた。清恵と亞矢は目の前に出される料理に度肝抜かれていた。煌大たちはどうして自分たちが先に食事をしているかが気になった。その頃、銀次たちはラウンズであるハクリュウたちを呼んで会議をしていた。


「つまり・・・今、エスパルド剣士学院に何処かの組織がちょっかいをかけてきたのか?」


「あぁ・・・面倒くさいことにな」


「面倒くさいわね・・・組織の名にもう目星がついているんでしょう」


「まあな・・・相手は『グラッセルン』の日本支部だ・・・奴らを潰そうと思う・・・だが・・・俺たちは介入することができない」


「確かにあの学院は私たちの支援があるから・・・仕方ないけど・・・」


「へたに介入できないわね」


「煌大たちにこれを解決させるのか?」


「それは煌大たちが気づいたのならば・・・こちらが支援しよう」


 銀次はフッと笑みをこぼしていると、ラウンズの面々も笑みをこぼした。


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