39話
WSOでの話である
ギンたちの『ジ・エンパイア』、カズたちの『セイント・ヴォルガル・スウィーナ』、ユージたちの『真・整合騎士団』、ユンたちの『ぬら組』が『真世界』に向かう途中、『真世界』、SWOで行動している最中、ギン・ライラック、カズ・リレイク、ユージ・レイロック、ユン・ルイルックの活躍は新聞で世界中に知れ渡っていた。WSOで『第一級特異危険視』たちの活躍が載っている新聞が配布されている頃、ユーイチとリリはWSOの町を歩いていた。
「ユーイチ兄様・・・竜二兄様はどこに行ったんでしょう?」
「さぁな・・・竜二の奴がどこで何をしているかなんて知ったことじゃない」
「心配じゃないんですか!?」
「フン・・・彼奴がどこかで野垂れ死んでいるんだろうな」
「そんなぁ・・・」
リリはユーイチに打ちのめされてガッカリとしょぼくれていながら歩いていた。
その頃、ゴードとロンズも町を歩いていた。
「銀次お兄様・・・どこに行ったのでしょう?」
「相変わらずだな・・・行方不明になった男など忘れろと言ったはずだが・・・」
「そんな忘れなんて酷いです・・・お母様やお父様だって悲しんでおられます」
「確かに・・・父様はともかく・・・母様は無理に笑顔をしているが内心では悲しんでいることぐらい分かっている・・・溺愛の息子だからな」
「お母様は銀次お兄様には手取り足取り教えていましたね・・・刀剣の使い方・・・格闘術・・・裏世界での生き方・・・言葉遣い・・・あらゆることを教えましたからね」
ロンズは母から手取り足取り教え込まれていた銀次のことを思い出していた。そしたら、目元に涙が溜まりこぼれ始め泣き始めた。二人はそのまま歩きながら町を歩き回った。
シズとミウは町の中を歩きながらロードゥの店に行き、お茶をしていた。そしたら、アギは何やら新聞を持ってきていた。ウィーリーは新聞を読み始めた。そこに書いてある一面は『『第一級特異危険視』ギン・ライラックが『神下七星界』『大砂漠王』ダイールを叩き潰し失脚!!』と書かれていた。ウィーリーはそれを見て
「何か凄いことが起こっているね」
「そうだな・・・ここ最近の新聞の内容はついていけない・・・」
「それにギン・ライラックだっけ・・・この男の行動も全然分からないし・・・特に仲間のメンツが凄すぎる」
「そうですね・・・他に書いてあることは?」
「えぇーと・・・ユン・ルイルック・・・魔境の地にて伝説の大妖怪を倒し・・・一気に『妖怪界』の魑魅魍魎の主に近づく・・・なんてものも書いてあるよ・・・他にはユージ・レイロック・・・『清磨騎士団』を壊滅させるとか・・・カズ・リレイク・・・魔獣団体を返り討ち・・・怪我人ゼロだって・・・」
「ふーん・・・そんなの読んでも何の足しにならないね」
シズとミウは互いに意見を言うとウィーリーは
「あっ!!・・・新聞に顔写真が貼ってある・・・今回の事件の主犯格を知ることができるよ・・・でも・・・」
「でも・・・どうしたの?」
アギはウィーリーが新聞を読みながら何か言いづらそうな顔をしていた。そしたら、ウィーリーは
「このユン・ルイルックの顔写真さぁ・・・何となくユンっちに似ているんだ」
「そうなの!?」
「ほら」
ウィーリーは新聞を皆に見えるように広げるとアギ、ロードゥ、シズそしてミウも新聞の一面、ユン・ルイルックの顔写真を見ると
「確かに・・・この顔写真・・・ユンちゃんに似ているっていえば似ているけど・・・」
「それよりもお兄ちゃんがこの事件に関与していることになる・・・私はこの一件の人とお兄ちゃんは同一人物には見えない・・・お兄ちゃんは目立つことはしない」
「そうなのよね・・・ユンちゃんがこんなことをしないはずだから・・・別人だと思っているんだけど・・・」
シズとミウは互いに議論しているとそこにゴード、ロンズ、ユーイチそしてリリが入ってきてゴードが新しい新聞を持ってきた。
「おい見ろ・・・新しい新聞だ・・・この新聞の一面に書いてある内容は・・・『銀王』ギン・ライラック・・・『神下七星界』に加盟するだ・・・加盟に関係する事件は『ロールポート事件』・・・『聖霊軍本部』に一万人のごろつき共を連れてきた・・・その一件で中央は彼を『神下七星界』に加盟したと書いてある・・・この『銀王』という男の顔写真・・・誰かに似ているんだ・・・ロンズ・・・どう思う?」
「これって・・・銀次お兄様に似ていませんか!?・・・でも・・・お兄様の面影が感じません」
「そうか・・・だが・・・これは父様と母様に報告だ」
「はい」
ロンズは大きく頷きながら言うとリリが
「それにしても・・・最近の新聞の内容はおかしなことばかり起きていませんか」
「そうだけど・・・」
ロンズはリリが言ったことに曖昧な対応をする。そしたら、そこに
「オォ・・・こんな所におられましたか・・・ゴード様・・・ロンズ様・・・」
「お前は・・・」
ゴードはここにやって来た奴に見覚えがあった。ユーイチはゴードに何者か尋ねると
「誰だい?」
「リアルの俺やロンズのお得意さんだ」
「お得意さん?・・・それっていったい?」
シズはゴードが言ったことに疑問符(?)を浮かべるとそいつは
「私は表舞台ではそこそこの社員ですが・・・裏では中々のブローカーをしていまして・・・」
「ブローカー・・・つまり・・・非合法の商売をしている人たちか・・・ゴード・・・君の家はそんなことをやっているのか」
「悪く言うな・・・俺たちは闇のブローカーたちの監視をしているだけだ・・・表沙汰ことは大抵俺たちが始末している」
「その通りです・・・しかし・・・今回は面白いことがありました・・・」
「面白いこと?」
「えぇ・・・ロンズお嬢様・・・銀次様の手がかりです・・・」
「お兄様の手がかりですって!?」
「はい・・・時が来れば・・・世界は取り返しのつかない大きな戦いの渦に飲み込まれる・・・真の豪傑たちだけが生き残る時代が来ると言っていました・・・現在の世界情勢はまるで何かの準備をしております・・・水面下では平穏ですが・・・裏では戦力を整え始めています・・・大きな戦争に備えて・・・『神下七星界』、『四聖皇』、『聖霊軍本部』そして『第一級特異危険視』・・・この四つの勢力に加え、その他の真の猛者も加わった勢力による世界の歴史上の最大の争いが起きるでしょう・・・『真世界』における四つの世界・・・『剣霊界』、『魔霊界』、『聖騎士界』、『妖怪界』の覇権を求めて争うのです」
「そんな・・・」
シズは驚きの余りに口を両手で押さえていた。さらにブローカーは
「この世界も・・・争いの渦に飲まれてしまうでしょう・・・この世界に『四聖皇』の一角である『大食いマム』率いる『大食らいの悪魔』がひしめいているはず・・・時が来れば・・・この世界もその戦争に飲み込まれるでしょう・・・世界の歴史と共に・・・」
「もう良い・・・帰れ!!」
「はい・・・それでは失礼します」
ブローカーは一瞬にして退散してしまった。ロンズはゴードに
「お兄様・・・この事をお父様とお母様に報告してきます」
「あぁ・・・頼む」
ロンズはリアルの父と母にさっきのことを報告するためにログアウトした。ユーイチはリリにこの事をすぐに両親に報告してくるよう指示を出すとリリもログアウトをした。ゴードとユーイチは互いに溜息をつく。シズはそんな二人に
「どうしたの?」
「さっきのブローカーの話は本当だろうな」
「どうして?」
「現在・・・リアルでの世界情勢は各国の裏で密接に取引されている組織があって・・・各国公安が引っ張り事案になっている・・・俺の家にも・・・その願いが来ているんだ」
「大変だな・・・俺の家では・・・経済が少しずつ変化している・・・さっきの話を聞いて合点がいった・・・ゴード側の家事情で何か大きなことが取引されていると思うんだ」
「それについては俺も同感だ・・・とりあえず・・・今日はお開きにしてログアウトしよう・・・それじゃあ・・・ロードゥ・・・失礼するよ」
ゴードもユーイチもログアウトして今回のお茶会みたいなものがお開きになった。その後、シズもミウもログアウトして両親にこの事を伝えた。
朝宮家ではロンズこと華銅が父の総一、母のかなめにブローカーが言ったことを報告すると総一は
「なるほど・・・お得意のブローカーの話となれば・・・信用できる・・・ブローカーたちは互いの利権になる商品は力尽くにでも手に入れるはずだ」
「そうね・・・最近のブローカーたちの動きが変だったし・・・それで華銅ちゃん・・・他に何か言っていなかった」
「はい・・・それは・・・」
華銅はその後のことを事細かく話した。そして
「『第一級特異危険視』・・・『銀王』ギン・ライラック・・・そいつが銀次と思わしき姿形をしているんだな・・・」
「はい・・・でも・・・確証は出来ませんが・・・」
華銅が確証の出来ないことを話すとそこに金四郎が入りながら
「父様・・・その話については確実な証拠を手に入れるまで・・・後回しにしましょう・・・今は裏世界の市場を抑えることが先決です」
「そうだな・・・かなめ・・・お前の伝でしばらく情報を集めてくれ」
「分かったわ」
かなめはそう言って後日、裏の者たちに伝で情報集めさせた。
竜一の方も両親に報告をしていた。
それから一年半ぐらい経過後、世界に驚くべきことが新聞の一面を飾った。その内容は『『悪魔の夜叉』フーランゴ『神下七星界』脱退』など『『ミラクル・レイア』の国王放棄』などもあったが、これよりも凄いことが書かれていた。それは『第一級特異危険視』である『銀王』ギン・ライラック、『薬髪』あるいは『妖髪』ユン・ルイルック、『ブラッキー』カズ・リレイク、そして『青薔薇』ユージ・レイロックが同盟を結んだのだ。さらに新聞の一面には『神下七星界』であるギン・ライラックに対する処分は不明と書かれていた。この事に総一は
「恐ろしいことが起きるぞ」
「そうね」
「えっ?・・・えっ?・・・どういうことですか?・・・お父様、お母様?」
「華銅・・・これは・・・あの時・・・ブローカーが言っていたことが起きるということだ」
「そういうことだ・・・これは・・・世界中が崩壊するかも知れない事案だ・・・誰が何の目的でしているのかは知らないが・・・正気の沙汰じゃないことが分かるよ」
「そうね・・・そういえば・・・金四郎も華銅も・・・今日は友達との話し合いじゃないかしら」
「そういえばそうでした・・・失礼します」
金四郎はそう言って華銅と共に部屋を出て行った。
そこからの話は『第一級特異危険視』と『四聖皇』の戦争が始まるが割愛するとしよう。




