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14(『真世界』編06)

ユージたち『真・整合騎士団』は『ゼラウス』に乗って『紅髪の死神団』がいるAAOに向かっていた。


 AAOに向かっている途中にとある騎士の一団を見つけた。ユージはその騎士の一団を見ると、えっといった表情をしていた。何故なら、見知った顔がいたのだ。ユージの内心ではまさかといった心境であった。そしたら、ユージは『ゼラウス』から飛び降りて、その騎士の一団の前に立つと、その騎士の一団に向かって


「何者だい?・・・君たち・・・ここから先はAAOだ・・・とても君たちが行くところではない・・・大人しく引き返すんだ・・・」


 と言うと、その騎士の一団『高麗・騎士団』の一人がユージに向かってこう言った


「俺たちは・・・AAOに向かっているユージという方を探しに行こうとしているだけだ・・・だから通してくれ・・・」


 と言うがユージは、やはりと目を伏せていると、そこにユリスが飛び降りてきた。ユージはそれを見て、その騎士にこう言った。


「君たちが言う・・・ユージというのは俺だ!!・・・それで・・・俺に何かようかい?・・・兄さん・・・」


 ユージが言った事にその騎士の一団たちの一人が驚きを上げた。


「ユージ・・・お前がユージなのか!?」


「そうだよ・・・久しぶりだね・・・兄さん・・・そして・・・妹よ」


「お兄様・・・」


 妹はユージが生きていたことに涙を流していると、ユージは右手に蒼き剣『ユミヘル』の剣を出現させると、兄と妹は顔を真っ青にしていた。そして、蒼き剣を地面に突き刺すと


「『ユミヘル』・・・『アーマメント』だ」


 ユージが地面に突き刺した蒼き剣が光り出し、そこから氷の蔦がどんどんと出てきた。しかし、その氷の蔦はユージとユリスの背後に向かっていた。そして、背後から呻き声が聞こえた。だが、それだけにとどまらず


「『リコレクション』」


 そしたら、また、蒼き剣は輝きだし、先ほどよりも大きな氷の蔦がユージとユリスの背後に向かっていた。そして、そこに広がる世界は凍てつきながらも幻想的な世界であった。それを見ていた騎士たち一行。そんな騎士たち一行を無視して地面に突き刺している『ユミヘル』の剣を抜くと、その剣を鞘に収めると、剣と鞘は霧散して消滅した。その代わりに白き剣を出現させる。ユージはその剣を見ながら


「頼むぞ・・・『エクスカーバル』・・・『アーマメント』」


 ユージが握っている白き剣が輝きだし、輝き終わると、ユージは幻想的な世界の方に向いて歩き出し騎士たちの前に立つと、横に一閃した。そしたら、幻想的な世界が一瞬にして消滅したのだ。騎士たちは今の出来事に驚いていたが、ユリスだけは澄まし顔で見ていた。そしたら、ユージは『エクスカーバル』の剣を鞘に収めると、霧散して消滅した。その後、ユージはユリスの元まで歩きユリスの頬を擦っていると、ユリスはユージに


「ねぇ・・・あの人たち・・・どうするの?」


「そうだね・・・ねぇ・・・ユウイチ兄さん・・・リリ・・・君たちはこれからどうするの?」


 ユージは兄であるユウイチにこれからのことを聞くと、ユウイチは


「そうだな・・・ユージが生きていたことが分かったし・・・帰ることにするか・・・WSOに・・・」


「そうしてくれるのはありがたいが・・・そうもいかなくなった・・・」


「どういうことだい?・・・ユージ?」


「さっきの奴らは『紅髪の死神団』の下っ端たちだ・・・そんな奴らがこんな所にいるということは・・・俺たちのことは既に奴らに知られてしまったと考えていいだろう・・・仕方ない・・・お前たち騎士たち全員・・・俺の騎士団の一員として仲間にならないか?・・・これは君たちのためでもある・・・『紅髪の死神団』は『四聖皇』の一人・・・『紅髪のシュン』が率いる化け物たちだ・・・しかも・・・その下っ端たちはユウイチ兄さんたちの顔を見ていたとすれば・・・奴らは兄さんたちにも危害に遭う可能性だってある・・・そこだけは気をつけて欲しい・・・」


 と言うと、ユウイチは


「分かった・・・ユージ・・・お前の騎士団に入るよ・・・元々・・・俺には人の上に立つような資質はない・・・お前の方が・・・俺の仲間たちを使いこなすことが出来るだろう・・・」


 とユウイチはそう言うと、ユージは


「兄さんほどではありません・・・しかし・・・兄さんがそこまで言うのならば・・・貴方の騎士たちを『真・整合騎士団』の団員として面倒を見ましょう・・・」


 ユージはそう言うと、兄であるユウイチの部隊『高麗・騎士団』の団員たちをユージの『真・整合騎士団』の団員として迎え入れた。そしたら、ユージは『高麗・騎士団』たちを『ゼラウス』に転送させた。そして、『ゼラウス』に転送し終わると、ユージは


「レーゼ・・・ライ」


「何かしらユージ・・・」


「彼らは・・・」


「こいつらは・・・新たな仲間である『高麗・騎士団』・・・正確に言うと・・・俺の兄さんの騎士団だ・・・それよりも・・・大至急・・・幹部たちを招集してくれないか?・・・それと・・・彼らを部屋に案内してくれないか?」


「分かりました・・・」


「以下通りに・・・」


 と言って、レーゼとライはこの場を去っていた。ユージとユリスはその間に兄のユウイチと妹のリリを連れて、ユージの執務室に入った。そしたら、ユージはユウイチとリリに向かって


「どうして・・・ユウイチ兄さんとリリがこんな所に来ている・・・これから起こるのは・・・戦争のようなものだ・・・だが・・・関わってしまった以上・・・俺にも責任はある・・・だから・・・お前たちは・・・今まで通り・・・『高麗・騎士団』の面倒を見ること・・・それでチャラだ・・・いいだろ・・・」


「分かったよ・・・ユージ・・・」


「分かりました・・・お兄様・・・」


 ユウイチとリリはユージが言った事に賛同し執務室を出て行った。その後、ユージとユリスも執務室を出ていた。


 その後、『ウラシル』の会議室に『真・整合騎士団』の幹部たちが集結しつつユージとユリスが来るのを待っていた。そして、ユージとユリスが会議室に入ると


「待たして済まない・・・今から話すことは・・・向こう側の事についてだ・・・」


 ユージはそう言いながら自分の席に座ると、ユリスもユージの隣の席に座った。そしたら、ユージの右腕であるシャルルが話の切り口をした。


「ユリスさん・・・身体の方は大丈夫かな?」


「えぇ・・・今は大丈夫よ・・・それよりも今日・・・私とユージさんは『紅髪の死神団』の下っ端たちと相手をした・・・しかも・・・この世界で会ったこと・・・です」


 シャルルたちはユリスが言った事に少々驚きを上げていた。


「それは・・・ただ事ではないですねぇ・・・」


「あぁ・・・まさか・・・この世界で・・・『紅髪の死神団』の下っ端たちに出会うとは・・・急いで・・・奴らと戦わなければなりませんね・・・ユージ・・・」


「それだけではありませんわ・・・この会議室の外にいる輩・・・何者なのです?・・・教えてくれませんか?・・・ユージさん?」


「そうだな・・・入ってこい・・・」


 ユージは扉の方に声をかけると、扉の方からユウイチとリリがやって来た。それをシャルルたちは見て、ユージの方を見ると、ユージはユウイチとリリの紹介をした。


「彼らは俺の兄貴と妹だ・・・」


 シャルルたちはユージが言った事にまた少々驚きを上げた。そしたら、ユージはユウイチとリリを席に座らせると、ユージは、また、話し始めた。


「さて・・・今後のことだけど・・・と言っても・・・話せる状況じゃないみたいだな・・・」


「えぇ・・・」


「その通りだな・・・」


「行くぞ・・・開戦だ!!」


 ユージがそう言うと、シャルルたちはそれぞれの持ち場に向かうために会議室を出ていた。そしたら、ユージも会議室を出ていた。その後にユリス、ユウイチ、リリがついて行った。シャルルが艦内放送で状況を報告した。その報告は今ここに『紅髪の死神団』の艦空挺がやって来た。それを聞いてユージは右手に白き剣『エクスカーバル』の剣を出現させた。そしたら、ユージはユリスたちに向かって笑いながらこう言った。


「心配するな・・・俺は死なねぇよ・・・」


 ユージはそう言って『ゼラウス』の甲板に出ると、そこにあった光景は『紅髪の死神団』の艦空挺が来ていた。そしたら、その艦空挺から一人の男が飛び降りてきた。しかも、その男は『紅髪のシュン』であった。しかも、シュンは既に剣を抜いていた。ユージはそれを見てシュンに


「場所を変えないか?・・・『紅髪のシュン』」


「そうだな・・・『青薔薇』」


 と言って、ユージとシュンは甲板から跳躍して他の場所に向かった。それを見ていたシャルルたち、シュンの幹部たちはそれぞれの戦場で戦うことになる。しかも、それぞれバラバラに跳躍して場所を変えて戦いあっていた。


 森に囲まれた草原まで跳躍したシャルルとシュンの右腕の二人はそれぞれ武器を構えながら対峙していた。そして、それぞれの名を名乗った。


「僕の名はシャルル・・・『真・整合騎士団』・・・ユージの右腕」


「奇遇だな・・・俺の名はベルンガ・・・『紅髪の死神団』・・・シュンの右腕だ」


 二人はそう言って互いの武器がぶつかり合った。


 二人の武器がぶつかり合い続けていると、二人は精霊を解放し始めた。


「お願いよ・・・『カリムース』・・・『アーマメント』」


「『ダルル』・・・『アーマメント』」


 二人が精霊を解放させると、シャルルの武器が二つの銃と二つの剣が出現した。反対にベルンガは長物の刀が出現した。そして、二人はそれぞれの武器でぶつかり合った。しかし、この攻防は少しずつではあるがシャルルが圧倒し始めた。ベルンガはシャルルの力がだんだんと増大し始めた。ベルンガはいったいどうなっているのか分からなかった。しかし、その勢いは少しずつだが、弱まっていた。だが、シャルルの気迫は一行に衰えていなかった。シャルルが解放した精霊の銃の弾丸を躱すベルンガ。だが、銃の弾丸は不規則に撃ってくるのでタイミングを間違えると一瞬にして絶命してしまうということだけは分かった。しかも、シャルルは銃と剣を交互に変えながら戦っていた。ベルンガはそんなシャルルを見てこう思った。


「(この女は・・・まるで・・・戦乙女・・・しかも・・・双銃・・・双剣・・・これらを扱う・・・貴様は・・・まさに・・・戦乙女・・・だが・・・こんな所で負けるわけにはいかない・・・)・・・『リコレクション』」


 ベルンガは精霊の『記憶解放』をすると、長物の刀からもの凄い神威を感じ取れた。そしたら、ベルンガは史上最高の一撃を放とうとした。シャルルはビクッとなり冷や汗を流した。


「『秘剣・ツバメ返し』」


 そしたら、シャルルは瞬時に


「『リコレクション』」


 精霊の『記憶解放』をした。それでベルンガの『秘剣・ツバメ返し』を受けきろうとした。だが、シャルルはその剣よりも双剣の一撃でたたき折ろうとした。


「『双剣峨朗・龍前』」


 シャルルの双剣とベルンガの長物の刀、それぞれの一撃がぶつかり合い相殺してしまった。そしたら、シャルルは瞬時に双銃に切り替えてベルンガに弾丸を放った。その弾丸によってベルンガは両腕と両足を撃ち抜かれてしまいその場で倒れ込んでしまった。シャルルはその場で息を吐きながら立っていると、ベルンガがシャルルに


「さすがだ・・・貴様はその異名の通りの女だな・・・俺の負けだ・・・シャルル・・・いや・・・『双剣銃』のシャルル」


 シャルルはそれを聞いたのか否かその場から立ち去り『ゼラウス』に戻っていた。




 時は少々遡り、とある湖の近くにまでやって来たホウと『紅髪の死神団』の幹部の一人。そしたら、ホウと幹部は互いに武器を取って構えていた。


「一つ聞きたい・・・貴様の名は何だ?」


「俺の名は・・・サーベル・・・」


「そうか・・・サーベルというのか・・・私の名は・・・ホウ・・・『真・整合騎士団』・・・大幹部・・・『五騎士星』の一人だ・・・」


「またの名を・・・『霊剣』のホウ・・・いかなる相手でも・・・一撃で沈める騎士と聞いている」


 サーベルもホウの噂はたびたび聞いていたようだ。しかも、良い噂ではないようだが、それでも『真世界』中では有名であったようだ。そしたら、ホウは自らの精霊を解放する


「頼むぞ・・・『テーティレス』・・・『アーマメント』」


 ホウは、自らの精霊である『テーティレス』の武装解放をすると、サーベルも自身の精霊を解放した。


「『ダウザ』・・・『アーマメント』」


 サーベルが持つ武器は槍。その槍からもの凄い神威を感じ取ったホウ。ホウ自身の武器は双刀であった。ホウは双刀でサーベルに斬りかかろうとしたが、サーベルの槍が先に攻撃を仕掛けてきた。しかも、ホウの背後から攻撃してきた。だが、ホウはその攻撃を躱すが、内心では少々驚きを上げていた。


「(速い・・・あの一瞬で私の背後を取るとは・・・しかし分からん・・・あやつの身体からどうやったらこんな速さを出せる・・・あのような速度を出せるのは・・・ユージ団長クラスの実力者だ・・・奴は・・・それだけの実力者じゃない・・・まさか・・・奴は・・・槍に特化したプレイヤーか?・・・試してみるか?)」


 そしたら、ホウは双刀でもう一度サーベルに斬りかかろうとする。だが、サーベルは先ほどのような速度で躱さずに槍でホウの双刀と応対をした。しばらくの間、ホウの双刀とサーベルの槍の攻防が続いた。サーベルの貫こうとする槍をホウは双刀でいなし躱していた。しかし、ホウも双刀でサーベルに斬りかかろうとするが、槍で防ぎ凌いで躱すサーベル。そしたら、サーベルは槍でホウをはじき飛ばすと


「解せねぇな・・・『霊剣』といわれるほどの騎士が・・・この程度の実力者とは・・・願い下げだ」


「それはこっちの台詞だ・・・サーベル・・・貴様の槍の軌道など・・・手に取るように分かっていた・・・」


「何?」


「それだけ貴方の実力は弱いことだ・・・」


 サーベルはホウが言った事に怒りで声を荒げた。


「小娘!?・・・貴様だけは・・・ここで殺す!!」


「やれるものならやってみろ!!」


「『リコレクション』」


 サーベルが精霊の記憶解放をした途端、サーベルが持つ槍が光り出した。その槍から竜のような神威が漏れ出していた。さらに、サーベルは槍に神威を込めると槍はより一層に輝きだした。ホウはそれを見て一撃で仕留めるという気迫を感じ取れた。


「行くぞ・・・『霊剣』のホウ・・・我が最高の一撃を受けるがいい!!!!・・・『竜双・メテオロード』」


 サーベルは槍をホウに向けて放たれた。しかし、ホウはその一撃を真っ正面で受け止めようとしていた。そしたら、ホウは


「『リコレクション』」


 と精霊の記憶解放をした。そしたら、ホウの双刀からもの凄い神威が漏れ出し奔流で渦巻いていた。ホウはその神威の奔流を双刀に納め込みながら神威を注ぎ込む。神威を注ぎ込んだ双刀から赤き炎と蒼き炎のような奔流が生み出されていた。


「そんなもの・・・私の一撃で受け止め・・・貴様を倒す・・・『双炎・鳳凰斬り』」


 サーベルが放った槍とホウの双刀がぶつかり合った。しかし、ホウの双刀がサーベルの槍をはじき空中に舞い上がった。サーベルはそれを見て


「な、何!?」


 とつぶやいていると、ホウがサーベルの元に向かって斬り込みに行きながら


「いったはずだ・・・貴様の槍など・・・ユージ団長の突きの方が鋭く速かった・・・・・・『争覇・羅城斬り』」


 ホウは双刀を居合いのようにサーベルの身体に斬りつけた。そしたら、サーベルの身体からクロスのように斬りつけて血を拭きだし、口からかなりの吐血をした。サーベルは口から吐血した状態で


「ば、バカな・・・我が最高の一撃を受けはじき・・・しかも・・・ここまでの一撃を放つとは・・・『霊剣』のホウ・・・俺の完敗だ!!」


 と言ってサーベルは仰向けに倒れた。ホウはそれを見届けずにその場から立ち去り『是ラウス』に向かった。




 一方、樹海に向かったナルカと『紅髪の死神団』の左目に眼対をしているプレイヤー。しかも、既にナルカは自身の武器である弓と矢の準備し構えていた。だが、左目に眼対しているプレイヤーもボーガンやら遠距離系の武器を持ちだしていた。ナルカはそれを見てこう言った。


「なるほど・・・貴方は『紅髪の死神団』の狙撃手といったところでしょうか?・・・私の名前はナルカ・・・『弓魔性』のナルカ・・・と聞かれていると思いますが・・・」


「確かに・・・その異名は聞いている・・・いかなる所からでも・・・どれだけ離れていても・・・標的に対しては・・・必ず命中するほどの腕前だと聞いている・・・だが・・・君は俺の異名を知らないでもない」


「もちろん知っておりますわ・・・貴方の名前は・・・アールド・・・『必中』のアールド・・・今まで外したことはないというほどの狙撃者・・・と聞いておりますわ・・・」


 とナルカはそう言うと、アールドから離れて木々の枝に乗って移動していた。そして、最初にいた地点からかなり遠くの地点から弓を携えて構えていると、そこにボーガンの矢が飛んできたのだ。ナルカはその矢を躱しながら、自身も矢を放つ。だが、ナルカが放った矢は手応えがなかった。ナルカは瞬時に物事を考えた。


「(先ほどの矢は・・・追尾機能によって放たれたものじゃ・・・だとしたら・・・奴は既に精霊の武器解放をしているはず・・・)」


 などとナルカは考えていた。最初にいた地点から、ナルカがいるところに精密照準でボーガンの矢を放っているアールドは既に精霊の武器解放をしていたのだ。つまり、ナルカの推測は正解していたことになる。そしたら、アールドは次に用意した矢の先端が螺旋のようにとがっていた。その矢を携えてボーガンを放つ。ボーガンから放たれた矢はもの凄い推進力と勢いでナルカの元へ向かっていた。アールドはそれを見ながら


「(俺の精霊『キュラソーエル』は・・・どんなに離れていても・・・敵を一撃でたたき潰すほどの威力を秘めている・・・さて・・・いつまで・・・俺の狙撃からかいくぐりながら俺に狙撃できるかな?)」


 などと思っていると、アールドの右斜め後ろから矢が放たれて右腕を貫通した。アールドは自身の右腕の現状を見て、こう思った。


「(ば、バカな・・・狙撃だと!?・・・あり得ない・・・今奴がいる地点から・・・この死角のような狙撃は・・・移動しないといけない・・・いったいどこから狙撃してきた)」


 アールドが内心そう思っていると、木々からナルカの声が聞こえてきた。


「良いこと教えてあげる・・・先ほどの狙撃は・・・私の精霊『タータロス』・・・能力は・・・言わなくてもすぐに分かることですわ」


 そしたら、ナルカは弓を構えて矢を携えた。そして、放った。だが、何もないところに放った。そしたら、矢の軌道の前に何やら黒いものが出現し矢がその黒いものに入っていた。その後、アールドの背後に先ほどの同じ黒いものが出現し、そこから矢が放たれてきた。アールドはその矢を躱して、その黒いものを見た。そして、アールドは瞬時に理解した。


「(あれは・・・瞑道・・・まさか!?)・・・異空間移動!?」


「正解ですわ・・・これが『タータロス』の能力ですわ・・・どんなに離れていても・・・この瞑道を介して矢を放てば・・・瞑道を介して他の瞑道から矢が放たれるということになる・・・これが・・・『タータロス』の能力・・・」


 アールドはそれを聞いて内心冷や汗をかくが、奴の精霊の弱点に気がつき、アールドはボーガンの矢を瞑道に向かって放った。そして、ボーガンの矢が瞑道に入って行き、ナルカの所へ異空間移動したとアールドは思った。しかし、左斜め後ろから矢が左脚を貫通した。アールドは左脚に貫通した矢を見た。そして、その矢を見てアールドは驚きを上げた。何故なら、その矢は先ほど瞑道に向かって放った自身のボーガンの矢だったからだ。そしたら、木々からナルカがこう言った。


「一つ言い忘れていましたわ・・・私の精霊が作られし瞑道は私のみにしか異空間移動をしません・・・いくら貴方が・・・瞑道を介して私に狙撃しようとすれば・・・『タータロス』は敵の放った攻撃をそのまま敵にはね返してしまいますわ・・・何度やっても・・・」


「(無駄ということか・・・ちくしょう・・・完全に向こうが優位にさせてしまった・・・この状況を打破するためには・・・精霊の記憶解放をするしかない)・・・『リコレクション』」


 アールドは精霊の記憶解放をすると、アールドの身体全身からもの凄い神威が放出していた。それをナルカは瞑道を介して見ていた。


「(どうやら・・・精霊の記憶解放をしたようですわね・・・急がないと・・・やられてしまいますわね・・・)」


 ナルカはアールドから溢れ出ている神威の放出量を見て、これからが勝負といった心境をしていた。しかし、ナルカの背後からボーガンの矢が放たれてきた。それを感知したナルカはその矢を瞑道に守らせて回避した。そしたら、瞑道に吸い込まれた矢は他の場所に出した。そして、先ほどの狙撃を見て、ナルカは


「(危なかった・・・今の狙撃・・・確実に仕留めに来ていた・・・また同じ方法で放たれてきたら・・・仕方ない・・・)・・・『リコレクション』」


 ナルカも精霊の記憶解放をすると、弓が光り輝き、漏れ出す神威が天馬のように顕現していた。そしたら、ナルカは右手に先端がユニコーンの角、或いは、ペガサスの角のような矢が出現し、しかも、何百本ものの矢が顕現していた。ナルカはその矢を弓に携えて構えると、ナルカの目の前に何百もの瞑道が出現し、標的は完全にアールドである。そしたら、ナルカは矢に神威を込める。


「『桜花・ラティカル・レイン』」


 ナルカはそう言って矢を放つ。ナルカが放った矢は瞑道を通っていき、瞑道を介して、アールドに放たれた。そして、ナルカが放たれた矢はアールドの腹を貫く。しかも、その後に二本の矢がアールドの腹を貫いたのだ。アールドはその三本の矢で口から少々吐血をした。吐血しながらアールドは自身の腹を触ると、自身の腹に矢が刺されていた事に気づき、いったいどこから放たれたのか辺りを見回した。だが、辺りには何もなく、矢を放つ度に出現していた瞑道もなかった。アールドはそう思っていると、今度は左脚に矢が貫いたのだ。次は右脚、その次は両腕に矢が貫き、アールドはその場に倒れ込んでしまった。アールドは今までのことはいったい何なのか皆目見当もつかなかった。そしたら、ナルカが瞑道を介して説明した。


「私の精霊『タータロス』は本来、目に見えない精霊・・・冥府の精霊だから・・・その記憶解放・・・神出鬼没・・・何もなかったところから・・・突如出現する能力・・・それを利用して狙撃をしていた・・・と言っても既に貴方の耳には聞こえていないでしょうけど・・・」


 などとナルカは言っている。何故なら、既にアールドは気を失っていた。ナルカは瞑道を介して見てから、『ゼラウス』の方へ向かった。




 とある樹海の所まで移動したララとリン、その後を続いて『紅髪の死神団』の二人組。そして、樹海の中で広がった平原に着くと、ララとリン、『紅髪の死神団』の二人組それぞれ対峙する。しかも、それぞれ武器を構えて対峙していた。リンは青竜刀、ララは長剣と短剣を構える。そしたら


「名を聞こう・・・私の名は・・・ララ」


「そして・・・私はリン・・・『真・整合騎士団』・・・『五騎士星』の一人」


 名を聞きながら、自身の名を言うと、『紅髪の死神団』の二人組も自身の名を言った。


「俺は・・・サイ」


「同じく・・・クウ」


「「『紅髪の死神団』・・・『死屍王』と呼ばれしものだ・・・!!」」


 と言うと、ララとリンの二人は内心ではこう思った。


「「(息が合っている・・・)」」


 と放心していると、サイとクウは瞬時に精霊の武器解放をした。


「『シュウカ』・・・『アーマメント』」


「『シーガ』・・・『アーマメント』」


 サイとクウが精霊の武器解放をしたら、二人の拳からもの凄い神威が放出していた。そして、サイはララにクウはリンに向かって攻撃を仕掛けてきた。ララとリンはサイとクウが攻撃してくるのを見て躱そうとするが、間に合わずそのまま真っ正面から受け止めようとした。そして、ララとリンはサイとクウの攻撃を受け止めるとはじき飛ばされそうになると、ララとリンは武器に神威を込めてサイとクウをはじき返した。それによって、ララとリン、サイとクウは互いで距離を取って武器を構えた。そしたら、今度はララとリンがサイとクウに攻撃を仕掛けた。しかし、サイとクウはララとリンの攻撃を真っ正面から受け軽々とはじき返されてしまった。だが、それでも二人は果敢に敵に向かって攻撃をし続けた。しかし、それでも受け止められてはじき返されてしまう。そしたら、サイとクウがララとリンに向かってこう言い放った。


「何回やれば気が済む・・・」


「お前たちがいくら斬りかかろうとしても・・・」


「俺たちの前では無意味だということを・・・」


「と言っても・・・ここでやられるお前たちなどにいっても意味が無いか・・・」


 サイとクウはそう言ってララとリンに向かって攻撃を仕掛けた。そしたら、ララとリンは自身の精霊を解放した。


「『ホーリラ』・・・」


「『モイーラル』・・・」


「「『アーマメント』」」


 二人が精霊の武器解放をした途端、二人の武器から神威の放出したのだ。そして、互いにサイとクウの攻撃を受け止めたのだ。サイとクウはそれぞれ驚きを上げなかったが、その後に来た身体からダメージを感じ、顔をしかめた。そして、ララとリンによってはじき返された。そしたら、ララとリンが自身の精霊の説明をした。


「私の精霊『ホーリラ』は・・・人体における苦痛を生み出す精霊・・・さっきのあれはそういうことよ・・・」


「私の精霊『モイーラル』は・・・同じく人体に影響を与える精霊だ・・・だが・・・リンほどの苦痛を与えることは出来ないが・・・物事の事象を覆すことが出来る・・・それが私の精霊・・・『モイーラル』の能力だ・・・」


 とララとリンは自身の精霊の能力説明をすると、サイとクウはさっきのあれを思い出し身震いをした。それがララとリンの精霊の能力だとすれば、サイとクウに取ってみれば、相性最悪であった。そしたら、サイとクウはすぐさま、精霊の記憶解放をした。


「「『リコレクション』」」


 精霊の記憶解放をした途端、サイとクウの身体からもの凄い神威が溢れ出していた。さらにいうと、その溢れ出した神威がまるで二つの蛇のようにうねっていた。ララとリンはそれを見て、どうやら、サイとクウはこの一撃で倒す気のようだと理解した。だが、ララとリンはそんなサイとクウを見て、どうしてそういった心境になったのかに興味を持った。しかし、それは数秒の間、すぐさまララとリンも精霊の記憶解放をしたのだ。


「「『リコレクション』」」


 そして、ララとリン、サイとクウ。それぞれ全開の状態で互いにぶつかり合った。


「『外胴・デスナックル』」


「『内銅・デスメッチ』」


 サイとクウは自身における史上最高の一撃を放つ。だが、ララとリンはそれ以上の一撃を放った。


「『白鎧・タイザイガ』」


「『全王・ソウテンハ』」


 両者が放った一撃の神威がぶつかり合い奔流となり柱となって立ちこめたのだ。そして、神威の柱が消滅すると、サイとクウの身体中から血を吹き出して倒れてしまった。ララとリンはサイとクウに近づき、生死の確認をすると、サイとクウは気を失っていることを確認して精霊の解放を収めてから『ゼラウス』の方へ戻っていた。だが、両者がぶつかったことで樹海が、両者がぶつかったところ付近の木々が消滅していたのだ。




 その頃、『ゼラウス』の方ではロコ、ライ、エモール、レーゼ、そして、ユリスはユーイチとリリの騎士団と共に『五騎士星』の帰還を待っていた。そしたら、最初に戻ってきたのは、シャルルであった。シャルルはロコたちを見て状況を聞いてみると、どうやら、自分たちの敵はもう倒しており、後は『五騎士星』の帰還を待っていたということらしい。シャルルはそれを知ると顔を少々引き攣っていると、ホウが帰還し、ロコたちを見て、勝ったということを理解し壁にもたれかかっていると、今度はナルカ、ララとリンが『ゼラウス』に帰還してきた。三人は皆の状況を見て、安心しきった顔をすると、後は団長であるユージ・レイロックの帰還だけだとということを知った。そして、ユージとシュンがやり合っている方を向いていた。




 そして、最後はユージ対シュンとの戦いが大樹海に開けた平原で起きていた。それは、ユージの白き剣『エクスカーバル』とシュンの剣がぶつかり合った。その剣のぶつかり合いで周辺の木々が斬り倒れていく。ユージとシュン。二人の剣戟がぶつかり合うだけなのに神威がだんだんと高まっていくのだ。その神威に木々は激しく揺れ、大気すらも大きく振動していた。ユージとシュンの剣がぶつかり合うだけで大地と空が揺れて、いや、今いるこの世界事態が揺れていた。その戦いの中心にいるのが、『青薔薇』のユージと『紅髪のシュン』である。


 ユージが右手に持っている剣は白き剣『エクスカーバル』が握られていた。しかし、ユージはその剣を数回しか解放していない。そしたら、シュンはユージにその白き剣について聞いてきた。


「お前が持つその白き剣・・・精霊の中でも神々しさを感じ取れる・・・つまりそれは・・・神級精霊と言うことになる・・・だが・・・お前の顔を見る限り・・・その精霊は数回しか解放していないと見て取れる・・・その精霊を多用しないのは・・・どういうことだい?」


「良いだろう・・・教えてあげる・・・この剣『エクスカーバル』は・・・お前の言うとおり神級精霊の一つだ・・・その能力は『神速』・・・圧倒的な速度で斬りつける剣だ・・・この剣は・・・本来見せる気はなかった・・・だが・・・この剣を出したのであれば・・・俺に勝機がある・・・・・・この剣の精霊は・・・遙か太古に活躍した精霊の一つ・・・この剣を所有したものには・・・必ず勝利を与えられる・・・だから・・・ここでお前を倒す!!」


 ユージはそう言いながら瞬間的に速度を上げ、シュンの背後に着くと、神速の突きを放つ。しかし、シュンはその突きを上体を反らしながら躱す。だが、ユージはそれを見越した上で上半身と下半身を真っ二つに斬り分ける気で斬りつけてくる。しかし、シュンはこの斬り込みを自身の剣で受け止めた。だが、ユージの攻撃はここまでに止まらなかった。


「『カーバリング・ブレイドダンス』」


 白き剣『エクスカーバル』による神速の剣戟の嵐をくり出す。シュンはその剣戟の嵐を自身の剣で受け流したり、躱したりするが、その剣戟の数にとても捌ききれずに血を流してしまう羽目になってしまうシュン。ユージの剣戟の嵐が止むと、そこには血を流したシュンがいた。だが、シュンの顔には正気を失ったような顔はしてなかった。ユージはそれを見て、もう一度、『カーバリング・ブレイドダンス』を放とうした。だが、その前にシュンが先に精霊の武器解放をした。


「『ヤーマ』・・・『アーマメント』」


 シュンが精霊の武器解放をした途端、シュンの身体から黒い神威が漏れ出していた。ユージはそれを見て身震いし悪寒を感じた。何故なら、今、シュンが握って武器が鎌のような剣を握っていたからだ。ユージはまずいと思って後方に後退しようとしたら、左肩から斬りつけられて吹き飛ばされてしまった。ユージはその攻撃で気を失ってしまった。シュンはその場から立ち去らずに、その場に居続けた。何故なら、依然とユージの身体からは神威が立ち続けていた。しかも、もの凄い量の神威を放出していた。


 その頃、ユージは気を失ってはいたが、頭の中から安らかな声が聞こえた。


「(この声が聞こえるのなら・・・耳を・・・意識を傾けて欲しい・・・私の名は・・・アルテミ・・・貴方に秘められた才能を開花するものといっても良いだろう・・・「(よく言うよ・・・女神のくせに・・・そのような言い回し出来るとは・・・)」・・・わ、悪かったわね・・・私だってこんなようなことをしたくないの・・・それよりも・・・今は貴方に秘められし才能・・・『神の力』を目覚めさせてあげる・・・「(『神の力』?)」・・・そう・・・貴方に秘めている才能・・・『第一級特異危険視』だけが持つ力・・・それが『神の力』・・・貴方が持っている才能は『神の叡智』・・・無限にも及ぶ知識量で敵を倒す方法を思いつく・・・さらに精霊の本来の記憶を解放させることは出来る・・・さぁ・・・立ち上がり世界を自分だけのものにしなさい・・・貴方の精霊たちは・・・世界を支配する力を有している)」




 そしたら、シュンはユージの身体からドックンという音が聞こえたので、ユージの方に向いてみると、ユージの身体から神々しいほどの神威が放出していた。さらに、シュンはもう一つ気づいたものがあった。


「(俺の剣でつけた傷が治まっている・・・)」


 シュンは内心驚きを上げていた。そしたら、ユージは白き剣『エクスカーバル』をシュンの方に突きつけると


「『アーマメント』」


 精霊の武器解放をし、さらには


「『リコレクション』」


 精霊の記憶解放をした。そしたら、『エクスカーバル』の刀身が光り出し、辺り一帯がその光で包み込まれていく。そして、次に目を覚ますと、シュンが目にした光景は雲一つも名青天の空に包まれながら辺り一面が草原であった。シュンはこの光景を見た後、ユージに


「それが・・・その剣も記憶開放か?」


「あぁ、そうだよ・・・この空間こそが『エクスカーバル』の記憶解放・・・この世界を知ったとき・・・この精霊は・・・酷く悲しんだのだろうと思う・・・だって・・・こんな世界はこの剣には似合わない・・・所有者が見つかるまで・・・ずっと一人だったんだから・・・とお喋りはここまで・・・さて・・・戦いの続きを使用ではないか・・・『紅髪のシュン』」


 そしたら、ユージとシュンは青天の世界での死闘が始まった。ユージの剣とシュンの剣がぶつかり合う音がこの青天の世界に響く。ユージとシュンの剣どうしがぶつかり合うだけなのに息を上がり始まった。シュンに取ってみれば、内心では


「(いったいどうなっている・・・奴の剣とぶつかり合っているだけなのに・・・息が上がり始まるのは・・・まるで・・・)」


「気がついたようだね・・・そう、この世界の維持には・・・お互いの神威を消費しながら維持している・・・さらにいうと・・・この世界は神威と同時に多大な酸素を消費する・・・その維持にも酸素は急速的に減り続ける・・・つまり・・・酸欠状態での死闘ということになる」


「なるほど・・・先ほどから感じる・・・この息苦しさは・・・酸欠によるものだったわけか・・・」


 シュンはそう思うと、息を整えてから剣を構えてユージに斬りにかかった。だが、ユージはシュンの斬り込みを『エクスカーバル』で受け止める。シュンも精霊の記憶解放をした。


「『リコレクション』」


 シュンは精霊の記憶解放したことによってシュンの剣からもの凄い黒き神威が漏れ出していた。ユージはそれを見て、好奇そうなあるいは嬉しそうな顔をしていた。そしたら、ユージは左手に黒き剣を出現させた。それだけに止まらず白き剣『エクスカーバル』をこの青天の世界に同化させると、今度は黒き剣に宿りし精霊の武器解放をした。


「『ヘカテール』・・・『アーマメント』」


 黒き剣『ヘカテール』の武器解放をした途端、黒き剣からこの世から思えないほどの何かが放出していた。シュンはそれを見たからなのか。身体中から身の毛がよだつ震えが起きていた。シュンは自身の身体状況を見て分かってしまったようだ。ユージが握っている黒き剣は絶対に相対してはならないということは分かったシュンは精霊の記憶解放した状態の武器を握って構えていた。そしたら、シュンはユージに斬りかかろうとする。だが、シュンは今、感じ取ったものにビクリとなって後退した。だが、ユージはその瞬間にシュンに斬りかかった。しかし、シュンはユージの斬り込みを自身の剣で受け止め躱した。シュンはその間に感じ取ったものを思い出していた。


「(あの時に感じ取れたものは・・・死の予感・・・首と胴・・・上半身と下半身が真っ二つに斬られる錯覚が見えた・・・いや・・・斬られた・・・あれはそこまでの境地に入らないと出来ない芸当だ・・・あの短期間で・・・もの凄い速度の成長だ・・・人間じゃない・・・神の領域・・・その領域にいる人間はもはや怪物だ・・・)」


 などと思っていると、ユージはその場に突っ立ってシュンに黒き剣『ヘカテール』について説明した。


「今、俺が握っている黒き剣『ヘカテール』は・・・破壊、混沌、冥府といった精霊だ・・・お前が見えたのは・・・死のビジョン・・・相手を明確な死を与える精霊・・・その武器解放は・・・逃げることのできない死・・・圧倒的な力を持ち・・・恐怖や絶望で明確な死を与える力を持つ精霊」


 そしたら、ユージは笑みをこぼし、シュンに斬りかかっていた。シュンはその剣を受け止めて後方に下がりながら武器を構えてユージの斬り込みに対応しようとした。だが、シュンの頭によぎったビジョンに一時、身体を硬直してしまい固まってしまった。ユージはその間に斬りかかった。シュンはそのビジョンから覚め、ユージの剣を躱す。ユージの剣を躱したシュンは自身の剣で反撃した。しかも、その斬り先は首筋を狙っていた。ユージはそれを見て、シュンは殺す気で斬りに来ていた。しかし、ユージはその剣を受け止めてシュンの剣をはじき返した。ユージによってはじき返されたシュンは自身の剣に渾身の神威を込めた。ユージはシュンが次の一撃で決着をつけようしていた。ユージはそれが分かると、自身も『ヘカテール』に神威を込める。


「(仕方ない・・・騎士養成学校時代に考案したが・・・あまりにも身体に不可を欠けてしまうことと多大な神威の消耗があって・・・封印していた剣技を使うとするか・・・)」


 などと内心で思っていたユージにシュンは


「『死二郷・デルタ・デス・スラッシュ』」


 渾身の一撃でユージに斬りつけてきたシュン。だが、ユージもその一撃に負けない一撃を放った。


「心剣技水奥義・・・『メイル・カイバザン』」


 シュンの一撃とユージの一撃がぶつかり合った。二人の剣がぶつかり神威と神威の鍔競り合った。互いに雄叫びをあげてさらに神威を剣に込めた。だが、だんだんとユージの剣が押し始め、ついには、決着がついた。二人がぶつかり合ったときに生じた神威を奔流が晴れると、そこには悠然優美な顔をしていたユージと苦悶の顔をしていたシュンが立っていた。そしたら、シュンの身体からクロスのように斬られていた傷口から血を吹き出し、口からかなりの血を吐きながら倒れてしまった。だが、シュンは倒れながらもユージに


「ま、待って・・・先ほどの一撃は・・・いったい?」


 先ほどの一撃について尋ねた。そしたら、ユージは黒き剣『ヘカテール』を鞘に収めながら


「さっき、使ったのは・・・心剣技水奥義『メイル・カイバザン』というもの技だ・・・この技は・・・俺が編み出した剣技の一つであり・・・俺自身で封印した剣技でもある・・・実戦で使ったのは・・・君が始めただ・・・光栄に思うが良い」


 と言うと、シュンは今にも気を失いそうな状態で


「そ、そうか・・・俺は・・・『青薔薇』の最高の一撃を受けたって事か・・・ユージ・レイロック・・・また・・・お前とは・・・し、勝負を・・・・・・したいものだ・・・」


「あぁ・・・俺もだ・・・だが・・・今は眠れ・・・『紅髪のシュン』・・・」


 と、ユージはそう言って『ゼラウス』に向けて歩き始めた。シュンはもう既に気を失っていた。




 その頃、『ゼラウス』内では、ユリスが今にもユージの迎えに行こうとしていた。だが、そんなユリスをシャルルたちが行かせないように押さえていた。しかも、シャルルたちはユリスに説得している内容が


「ユリス副団長・・・今、身体を動かすと・・・身体に障ります・・・どうか落ち着いて・・・ユージ団長のご帰還を待ちましょう」


「そ、そうだよ・・・ユリスさん・・・お兄様が負けるはずがありません・・・必ず戻ってきますよ・・・だって・・・ユージお兄様は・・・騎士団の団長なんですから・・・」


 ユリスはリリが言ったことにようやく落ち着きを取り戻し、ソファに座り込むと、リリはシャルルたち『五騎士星』に湯リスのことを尋ねると、『五騎士星』のシャルルがリリにあることを話した。その話した内容にユウイチとリリが驚きを上げた。その内容が


「実は・・・ユリス副団長の腹にはユージ団長との子供が身籠もっているです・・・といっても・・・それが発覚したのは・・・数ヶ月前で・・・その時まで・・・団長すら知らなかったんだ・・・だから・・・」


「あぁ・・・ユージお兄様は心配性なところがあるからなぁ」


「そういえば、そうだったな」


 ユウイチとリリはシャルルが言ったことに内心思ったことを言っていると、そこに


「どうやら・・・俺のことを話し合っているようだね」


 の声が聞こえた。皆、その声がした方向に向くと、そこにはユージが今、帰還したようだ。だが、シャルルたちはユージの雰囲気が変わっていた事にも気づいたが、他にさっきまで『ゼラウス』内にいたのにも関わらず、辺り一帯が青天の世界に包まれていた。ユージは「あっ」となってその空間を解除して『エクスカーバル』を無窮から出現させた。ユージは『エクスカーバル』を鞘に収めると、青天の世界から『ゼラウス』内に戻っていた。それに気がつくシャルルたちであったが、今は先ほどの世界についてユージに尋ねようとしたら、ユージ自身が先ほどの世界について話し始めた。


「さっきの世界は・・・『エクスカーバル』の記憶解放の世界・・・幾万の時の間・・・ずっと・・・その世界にいたといわれている・・・いくら時間が流れても・・・風化することはない剣・・・この剣は・・・それ程悲しみを帯びた剣・・・とそういうわけでこの剣は精霊の中でも・・・最強の部類に入る精霊だ」


 とユージはそう言うと、ユリスに近づき頭を撫で始める。


「ユリス・・・身体の方は大丈夫か?」


「えぇ・・・大丈夫よ・・・それよりも・・・ユージ・・・雰囲気変わった?・・・今までと違って静かなる雰囲気を出している・・・」


「そうかもしれない・・・もしかしたら、これが俺の本当の自分かも知れない・・・」


「ふふっ・・・そうかもしれないわね・・・今の貴方の方が・・・しっくり来るわ・・・身の内に燃やす騎神のような感じがするわ・・・」


「ありがとうございます・・・お姫様・・・」


「ちょっと・・・私はお姫様のような柄じゃないわよ」


 そういった会話をしていたら、ユリスの顔が真っ赤に染まる。そんなユージとユリスの会話を見ていたシャルルたちはユージに今後の方針を尋ねると


「そうだな・・・それじゃあ・・・この世界から脱出し・・・現実世界に向かうとしますか?・・・皆それでいいかな?」


 ユージは方針を皆に伝えると、皆は了承し現実世界に向けて出発し始めた。その間は全員、『ゼラウス』で戦いの休息を取っていた。休息を取っていたら、通信連絡が入ってきて、通信回線を開くとそこに移っていたのは、ギン・ライラック、カズ・リレイク、ユン・ルイルックが移っていた。ユージはいきなりの通信の訳を尋ねると、ここにいる全員、『四聖皇』を倒したことを話すと、自分らも倒したことを宣言する。彼らはそれを聞いて、笑みをこぼす。だが、ユージはそれだけのために通信してきただけではないというのは分かっていた。そしたら、ギンが出始めにあることを聞いてきた。


「ユージ・・・お前に聞きたいことがある・・・いや、正確に言うと・・・お前の記憶の中に・・・『神の戦士』についての記録としての知識はあるか?」


 ユージはギンが言ったことに自身の記憶内にある過去の記録を洗い出していると、『神の戦士』という記録を発見した。


「あるよ・・・だが、この記憶というかこの記録は・・・かつての世界中にとても大きな大災害が引き起こされた記録だけだ・・・そこまでの経緯が細かすぎて・・・今すぐには話せる内容じゃない・・・」


「そうか・・・ありがとう・・・それについては・・・おいおい話すことにして・・・カズ、ユン、ユージ・・・お前たち三人に聞きたいことがある・・・・・・お前たちは頭の中から声が聞こえなかったか?・・・その声を聞いてから急激に力を増したという感じはしなかったか?」


「そう言われてみれば・・・そうだったな」


「俺も同じく・・・」


「俺もだ・・・」


「そうか・・・この事については俺独自で調べたことなんだが・・・その声の主は・・・女神という存在らしい・・・といっても・・・この事は兄や妹から聞いた情報だがな・・・その時に聞いた名が・・・ネプレル・・・クウェール・・・フラル・・・フヴェールという名らしい」


 ギンが言ったことにカズ、ユン、ユージはハッとなって声が聞こえたときの名を思い出していた。ギンはそれを見て


「心当たりはあるようだね・・・ここからは俺の仮説なんだが・・・女神たちは・・・俺たち『第一級特異危険視』に『神の力』を与えて・・・かつての大災害を引き起こそうとしているのか・・・或いは・・・止めて欲しいのか・・・だな・・・」


 ギンがそう言っていると、ユージは自身の記憶に貯蔵している記録から『神の戦士』と女神のことについて洗い出していると


「今聞いている者たちに告げる・・・今から話すことは・・・かつての世界で起きた大災害の詳細についてだ・・・」


「頼む話してくれ」


 カズはユージに話すように促すと


「あぁ・・・分かっている・・・今から数兆年前・・・宇宙というものが誕生した・・・誕生の起源は精霊たちによって生まれたと云われている・・・それから数千年の月日が経過した・・・その時に誕生してしまった『カオス・ネオ』という精霊だ・・・その精霊は・・・全てを消滅させてしまう精霊だ・・・その精霊によって・・・全生物・・・全精霊が・・・消滅した・・・・・・それから数億年後・・・この世界・・・いや・・・この星(GRO)にやって来た『カオス・ネオ』・・・しかし、その星に住んでいた精霊によって封印された・・・そして、その精霊を封印した精霊たちを後に『トリエンティア・ゼロ』と呼ばれた・・・その『トリエンティア・ゼロ』は・・・その時代から生きており・・・何度も何度も転生したらしい・・・だが、『トリエンティア・ゼロ』たちの数が減っていき・・・押さえることで精一杯であったゼロは・・・その世界にいた全生物たちに神のお告げと称して・・・とある機関を創らせた・・・それが『中央政府』・・・その誕生が数千億年前になる・・・それからの数百億年の間・・・世界は安泰していたらしい・・・だが、その時代に生まれた『神々に愛されしもの』が現れるまでは・・・そいつが現れたのか否か・・・『カオス・ネオ』に鼓動が走ったのだ・・・その鼓動に気づいたゼロはあることを思いついた・・・それは・・・『カオス・ネオ』を一度解放し・・・『神々に愛されしもの』にぶつけさせようとした・・・そして、それが(GRO)という星と地球に大災害をもたらした戦いがあった・・・・・・その後、『カオス・ネオ』は『トリエンティア・ゼロ』によってまた封印された・・・そして、現代に至るまで解放されることはなかった・・・数億年前までに『カオス・ネオ』はとある一人の男に宿った・・・その男が『シェンカイロン』という男であった・・・だが、ゼロはこう思った・・・既に『カオス・ネオ』の封印はいずれ解けるのではないのかと思われている・・・おそらくだが、次に『カオス・ネオ』が解放された時は・・・世界の終わりだと・・・」


 とユージはひとまず、そこまでしゃべり終わると、ギン、カズ、ユンは驚きを上げたり、苦悶を上げたりしていた。そしたら、また、ユージは話し始めた。女神について


「次に・・・女神のことだけど・・・ギンが言った名は本当に女神であるが・・・実は・・・数兆年前に『カオス・ネオ』によって消滅された精霊たちの生き残りであり・・・全精霊の始祖神である存在・・・しかし・・・その時は魂という存在として生きており・・・数千億年前に生きていた神級精霊を身に宿していた女性たちが死の間際に生き残った精霊たちとの契約で四人の女性たちは・・・自らを精霊の守りし女神になった・・・その後・・・女神たちは不老不死となって・・・ずっと見届けた『カオス・ネオ』を・・・だからこそ・・・もうすぐ・・・目覚めるであろう・・・『カオス・ネオ』のために自身の力を授けた『第一級特異危険視』たちに・・・新時代を託して・・・・・・以上が、俺の知りうる限りの記録だ」


 ユージは『神の叡智』に貯蔵していた記録の中から洗い出された記憶を出して話し終わる。それを聞いた『ジ・エンパイア』、『セイント・ヴォルガル・スウィーナ』、『ぬら組』そして『真・整合騎士団』の面々、驚きはしなかったが、それぞれ希有しがたい表情をしていた。そしたら、ギンは


「とりあえず・・・俺たち全員は『四聖皇』との戦いで疲労を蓄積している・・・しばらくは休息を取って・・・次の戦いに備えよう・・・」


「あぁ・・・」


「そうだな」


「そうしよう・・・とにかく・・・今の俺たちに必要なのは休息だ・・・万全の状態で事に備えたい」


 四人はそう言って通信を切った。通信を切ったユージは皆に休息の命をして自身も自室に戻り床についた。それからの数週間は現実世界に向かって出航していた。

次回は閑話を投稿します。


レベル紹介は省きます。次回の投稿に専念したいので。あと、感想をください。正直な感想を!!

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