002 - じょーじ -
002 - じょーじ -
俺の名前はジョージ・トゥルソー、42歳独身だ。
今俺は仕事でやって来た深い森の中で全裸少女の顔面を掴んでいる、こいつは魔物に襲われ腹にやばい卵を産み付けられたらしい。
「痛いです!、離してくださいっ!」
ぱっ・・・
俺は手を離した、地面にぺたりと座り込んだ少女は俺を睨んでいる。
身体は俺が拭いてやったからそこそこ綺麗になっているが近寄るとまだ体液や血の酷ぇ匂いがする、水で身体を洗いたいって主張する気持ちはよく分かるぜ。
「分かるように説明しやがれ!、それに何でこんな森の中に一人で居たんだよ」
「所属していたパーティを追い出されそうになって、嫌だと言ったらここへ置き去りにされました」
確かに酷ぇ連中だが・・・長くこの仕事をやってる俺にとっては珍しくもない話だ。
「お前の攻撃魔法を見たが凄ぇ威力だったじゃねぇか、そんな有能な魔導士を追い出すなんてお前のパーティどうかしてるぜ」
「・・・です」
何か呟いてるがよく聞こえねぇ!。
「あ?」
「私は剣士です・・・」
「攻撃魔法が使えるのにか?」
「私には魔力が殆どありません」
おかしいじゃねぇか!、魔力が少ない奴が何で攻撃魔法使えるんだよ?、魔法ってのは人より魔力の多い奴が師匠に大金払って教わるもんだろう?。
「魔力無いのに何であんな魔法使えるんだ?」
俺は素直に思った事を聞いただけだが少女が下唇を噛んで泣きそうになってやがる!。
「へくちっ!」
少女がくしゃみをした、鼻水が垂れて寒そうだ、だが俺はこいつに服を貸してやるようなお人良しじゃねぇし貸したら俺の服が無くなっちまう。
俺は放置されてる荷物に近付いた・・・。
「頭の上の魔法陣がついて来てるぞ!」
「おじさんの頭の上に固定してますから歩き回っても大丈夫です」
そんな事できるのかよ!、もしかして上級魔法か?。
ごそごそ・・・
俺は少女の話を聞かなかった事にして奴等の荷物を漁る、どうせ捨てて行ったものだし俺が有効に使ってやろう。
そこそこでかい荷物だったが着替えが入って無ぇ!、まぁ野郎3人のパーティだから着替えなんてあっても邪魔になるだけか・・・それに最近は暖かくなってきたから毛布も無いぞ。
俺はタオルを見つけて少女に差し出した。
「これを腰に巻いとけ」
「腰だけですか?、胸も隠したいのですが」
俺は少女の胸を見た、気の毒なくらいぺったんこだ。
「胸なんてどこにあるんだよ?」
「ひどいです!」
思わず言っちまった俺の言葉を聞いて少女が涙目で抗議する、小動物が威嚇してるみたいで全然怖くねぇがな!。
「食料は少ないが幸い水はそこそこあるから魔物に襲われなきゃ街まで帰れそうだな、お前はどこの街から来たんだよ」
「お前じゃないです、私の名前はアイリスです」
「・・・で、そのアイリスはどこから来たんだ?」
「メリーの街・・・」
俺が住んでるところから森を挟んで反対側じゃねぇか!、遠いから面倒臭ぇな・・・そう思ったのが顔に出てたのかアイリスが俺に言う。
「街には帰りません、あのクソ野郎達の顔を見たくありませんので!」
クソ野郎ってのはこいつを追い出したパーティ仲間の事だろう、そりゃ当然だ、奴等のせいで死ぬほど酷ぇ目に遭ったんだからな・・・だが。
「他の街に知り合いは居るのかよ」
ふるふる・・・
頭を横に振っている、居ないようだ。
「まさか俺について来るってんじゃないだろうな!」
こくこく!
頭を縦に振っている、畜生!ついて来る気満々だ!。
「だから先ほど言った取引をお願いしたいです!」
「魔力を・・・ってやつか?、俺は何をすればいいんだよ」
・・・
アイリスの説明を聞いた俺は頭を抱えた。
無能と言われハンター稼業も上手くいかず30歳を過ぎてからは雇われの荷物運びで生活していたこの俺の魔力量は尋常じゃない程あるらしい。
「抱きつかれた時にあまりの魔力の濃さに肌がビリビリって痺れました、その魔力を分けて貰えれば私は魔法を使い放題ですっ!」
「だがお前の腹の中には幼虫が居るだろ、あと50日もしたら・・・」
俺の言葉を遮ってアイリスが説明する。
「難しい魔法ですから魔法陣を慎重に描く必要がありますが・・・私の身体の時間経過を100倍遅くできます、ですから私の寿命はあと5000日に伸びます」
「5000日・・・1年が400日だから・・・よく分からんが10年とちょっとか?・・・だがそんな冗談みてぇな魔法があるのかよ?」
「限られた人しか使えない最上級魔法陣ですのであまり知られていないかもしれませんね」
がしっ!
俺は偉そうに無い胸を張るアイリスの顔面を掴み力を込めた。
「わぁぁ!、おじさんやめて、お顔が痛いですっ!」
「まだ隠してる事あるよな、話せ・・・さもないと取引は無しだ」
結界の魔法?とやらがあるとはいえ、こんな魔物がうようよ居る場所で立ち話は落ちつかねぇ、俺達は今森の中を歩いてる。
クソ野郎どもに斬られた俺の足はアイリスが治療?してくれた、歩くとまだ痛ぇが血が止まり傷も塞がっている・・・ちょっと手を触れただけだが何をした?。
そう尋ねる俺にこいつは微笑むだけで何も答えねぇ!、アイリスのくせに生意気だ!。
半刻ほど深い森を歩き続けたが幸い魔物にも襲われず目的の場所に到着した、俺達は緑に飲み込まれそうになっている「遺跡」の中に入った。
「ここは入り口が狭いからでかい魔物は入って来ねぇだろう、さぁ話を聞こうか」
「遺跡」の隅に転がってる岩の上に腰掛け、俺は腰にタオルを巻いた半裸少女と向き合った。
「・・・このような場所に連れ込んで私を襲うのかと思いましたが違うのですね」
「だっ・・・誰がお前みたいな貧相なガキを襲うんだよ!」
「おじさん酷いですっ!」
お前が自意識過剰すぎるから思わず叫んじまったじゃねぇか!、ちなみに俺の好みは巨乳の熟女だ!。
半裸少女は俺の言葉を聞いて涙目になってるが事実を言ったまでだ、俺は悪くねぇ!。
ばしゃばしゃ・・・
ばしゃばしゃ・・・
「あ、奥から水の音がしますね」
とてとて・・・
アイリスがそう呟いて遺跡の奥に歩いて行く、ちょっと待て一人で勝手に歩き回るな!。
「おい待てよ!」
人の言う事を聞かずに行っちまったぞ、俺は奴を追いかけて薄暗い遺跡の奥へ向かった。
とてとて・・・
ばしゃばしゃ・・・
「わぁ、お水が上から落ちてますね、ここで身体を洗いましょう」
「待て!」
がしっ!
崩れた岩の上から落ちてる水の下に行こうとしているアイリスを俺は慌てて止めた。
こきっ!
「痛ったぁぁい!、今首がコキってなりましたぁ!」
走り出した奴の長い髪を思わず後ろから掴んじまった、首を押さえてすげぇ痛がってる・・・だが。
「その水はやめとけ、俺は何度かここに来た事があるが水源の上の方で大量に毒虫が湧いてる、触れたら肌が赤くなって爛れるぞ」
「ひぃ・・・」
「頭から被ってたら今頃は全身水脹れになってたぜ、止めてやった俺に感謝しやがれ」
「そんなの罠じゃないですか!、知らない人が来たら危ないです、注意書きをしておかないと・・・」
「やめろ、この森じゃぁ無知は死に直結する、痛い目に遭えば次からは警戒するようになるだろ、この水だって肌がちょっとばかし凄ぇ事になるだけで死にはしねぇ」
石を拾って壁に落書きしようとしているアイリスを俺は止めた。
「でも・・・知らずに飲んじゃったら」
「高熱で10日くらい寝込んで腹を下すだけだぜ・・・ちなみにその間に食った物は全部吐く」
「ダメじゃないですか!」
俺達は水場から離れて壁の裂け目から光が入ってる開けた場所に来た。
「ここで休もうぜ、詳しい話を聞きたいからな」
歩き回ったせいでアイリスの股間からは魔物の体液が垂れ続けてる、奴はそれが気になるのか頻繁に手で拭って匂いを嗅ぐ・・・俺は懐からボロ布を取り出して渡した。
「ありがとうございます・・・」
ごしごし・・・
「で・・・話なんだが・・・」
「ちょっと待ってください、やはり臭いし気持ち悪くて我慢できないです・・・水系統の魔法は少し苦手なのですが、仕方ないですね」
ぬっ・・・
アイリスが立ち上がって俺に近付いてきた、おい待て顔が近い!。
「魔力をもらいます」
あむっ・・・
ちゅぅぅぅ・・・
「んぐぅ!」
奴がいきなり俺の唇に吸い付いた、俺は口を開けて奴の舌を受け入れる。
くちゅ・・・くちゅっ
ちゅぅぅ・・・
おい待てそんなに吸ったら苦しいだろ!、こいつキスが超絶下手くそだ!。
ぅぅぅ・・・
・・・
「ぷはぁ!、これくらいでいいでしょうか」
「良くねぇよ!、いきなり何すんだ!」
まだお互いの唇から唾液が糸を引いて繋がってるが俺は叫んだ。
「魔力を貰ったんです、魔法陣は確か・・・こうだったかな?」
ぱあっ!
立ち上がった奴の頭上に魔法陣が輝きそこから水が落ちてきた!。
「水魔法か・・・」
ざざざざ・・・
ざざざぁ・・・
「ぴゃぁぁ!、熱っづい”!」
水から湯気が出てるな、どうやら熱かったらしい。
ごろごろっ・・・
こいつ・・・自分が出した熱湯を浴びて転げ回ってやがるぜ。
「おい、何がしたいんだよ?」
「うぐっ・・・熱かったですぅ・・・」
「お前が魔法で出したんじゃねぇか」
「しばらく使ってなかったから間違えたのです!、間違いは誰にでもありますっ!」
そう言いながらアイリスは頭上の魔法陣に書かれた文字?を指先で直してやがる、おいおいそんな事してる魔導士初めて見たぜ。
「温度設定が最大値になっていました、直したのでもう大丈夫ですっ!」
ぱあっ!
ざざざざ・・・
ざざざざ・・・
魔法陣から再び水が降ってきた、アイリスが腰の布を外して全裸になり身体を洗い始める・・・俺の目の前で!。
「何で俺の目の前でやるんだよ!、少しは恥じらえよ!」
「おじさんには既に沢山見られたのでもういいです」
「良くねぇよ!」
・・・
・・・
「ふぅ・・・まだ挿入ってるみたいで痛いのですが、とりあえず綺麗になりました」
身体を洗い終えたアイリスが濡れた布を絞って腰に巻いている。
がしっ!
俺は再び奴の顔面を掴み力を入れた。
「あ”ぁぁぁ!、痛いですっ!、やめて!」
じたばた・・・
「こんな所でのんびりしてると俺の死亡届が出されちまう、早く話せ!」
「分かりました・・・実は・・・」
アイリスが話し始めた内容に俺は愕然とした!。
読んでいただきありがとうございます!。
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