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サラの祈り  作者: 和正
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再会(4)


ダリヤがマルコの娘であり、アフメド医師とマルコの間で交わされた約束の鍵を握る人物であることが簡単には受け入れられず、運命とは時に残酷で皮肉な一面を容赦なく垣間見せると感じた瞬間でもあった。


ダリヤの手術についてどう記事に書けばいいのかも分からなかったし、フルカンが何かを企んでることは言葉の節々から感じ取れたが、その内容は全く考えもつかなかった。


解決しない、もしくはできない問題がひたすらウムトの頭を駆け巡り、混ざり合っては、頭痛をもたらし、これ以上考えることはできないと、ウムトはそのまま眠りに落ちた。


目が覚めるとシャワーを浴び、朝ごはんを食べて、いつも通りの朝を過ごし、いつも通り遅刻気味に家を出た。昨日のことを整理しきれていなかったが、とにかく病院に行くことだけは忘れずに覚えていた。


フルカンの机を眺めながら、今日も『名のないカフェ』でコーヒーを片手にユルマズとメルべを待っているのかと思うと、変装している姿が頭に浮かび、今や笑いそうになっていた。


午前中に急ぎの仕事を終わらせて、昼過ぎに病院に行ければと考えていたが、病院にいつ行けばいいのかフルカンは一切言っていなかったし、なんとなく嫌な予感がした。


フルカンと親しい社員のバルシュに午後に外出することを伝えると、バルシュはフルカンから話を聞いていたようで、中々病院に行こうとしないウムトにもう少ししたら声を掛けようと思っていたらしい。


「気をつけてな」とウムトの肩に手を置いた。バルシュはフルカンと違い、清潔感に溢れる男で、寝癖がついているところを見たことがなかったし、机も整理整頓されていた。ことあるごとにメガネを拭き、埃一つないレンズを眺めながら満足そうな顔を見せていた。


フルカンが謹慎処分中はバルシュが編集長の仕事を任され、自分の仕事も進めながら締切に間に合わせようと、ここ最近は忙しそうだったし、歩き回りながら社員に仕事の状況を確認していた。


そのせいだろうか、明らかにメガネのレンズを拭く回数が減っていた。それでもバルシュのメガネはいつも綺麗だったし、いつも拭きすぎなんだろうと、ウムトはその様子を眺めていた。


フルカンはいつも「それを取ってくれ」「このメモの住所に行け」とか、とにかく人の扱いが乱暴で、物の扱いも丁寧だとは言えなかったし、確かに仕事はできるのかもしれないが、その下で働く人たちは大変だった。


そんなフルカンが謹慎処分になったことで、少しはいい方向に向かうと思ったが、そうもならず、フルカンがいるストレスはなくてもそれぞれの業務量は増えていた。


照りつける日差しの中、ウムトは病院の入口ではなく、中庭を少し歩くと、以前よりも花が咲き、新たな色彩が加えられていることに気がついた。


ダリヤと初めて話した日のようにそこでまた会えたらと思ったが、そこにダリヤの姿はなく、もうアフメド医師と部屋で話しているんじゃないかと思い、少し急ぎ足で病院の入り口に向かった。



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