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74話 収束の始まり(3)
「どうした!?受け身だけで精一杯か!?」
工場内。
篶成が戦闘から離脱してからの状況はまた大きく一変した。
基仁はライムの攻撃を防ぐ事に精一杯となっており、先程から防戦一方となっていた。
刀とライムの爪が擦れる鋭い音が工場内に響き続けるが、肉がえぐれるような柔い音は一向に響かない────
そんな状況が続く中一人の男が動き出す。
ライムが腕を振りかぶった瞬間、ライムの死角から腹部へ一発の蹴りが放たれた。
篶成にも匹敵する予想外の蹴りの強さにライムは思わず身体を後退させる。
「誰だ?」
「一応堺家の人間だよ。見てるだけに飽きたからそろそろ参戦しよっと思ってな」
「面倒だな……」
蒼矢は先程の『リバース』の男を倒した時と同等の殺気を出しながら基仁とライムの間に立った。
「すまないな」
「別にお前を助けた訳じゃねえよ」
基仁は蒼矢によって生まれた隙で呼吸を整えると同時に刀を握り直し、再びライムに向き直る。
「歳は食いたくないものだ」
「アンタには関係ないだろ」
× ×




