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73話 収束の始まり(2)
「ここで大丈夫です!後は走って行きます!」
廃工場近くの路上。
三春は札幌に来た中で、一番楽しそうな表情を浮かべながら車を飛び出た。
目的地は目の前にある廃工場。
少年は市民Aの皮を脱ぎ捨てる為に走り出す。
「ちょっと三春!」
そんな三春を慌てて凛が止める。
三春は顔だけを凛に向けて言葉の続きを待つ。
凛は三春を止める為の最後の言葉を言おうとしたが、これまでで一番輝いている三春の顔を見て、何処か敵わないような自虐的な笑みを浮かべ、ため息混じりの言葉を口にする事にした。
「無茶しないでね」
「うん、行ってくる」
収束は進んで行く────
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