67話 Rebirth(4)
「修哉さん連れてきましたよ!」
「修哉大丈夫かよコレ」
津田が連れてきた修哉を見て灰田が額に汗を滲ませる。
修哉は腹部に鉛玉を受けたことにより意識不明の状態に陥っており、至急病院に運ぶ必要があった。
取り敢えずは杏梨が持っていた布で出血部位を応急手当てとして止血しているがそれでも出血は完全には止まっていない為、修哉が戦線離脱を余儀なくされる事は明確であった。
「取り敢えず俺は修哉を病院に連れてくっつっても銃弾だもんな?んー、神田の所まだやってんのかな?」
灰田はこの街で働く『裏』側の人間の治療を秘密裏に担当している知り合いの医者の名前を挙げるなりすぐにスマホを取り出してメッセージアプリから電話をかけた。
電話コールが灰田の耳で木霊する中、灰田はバン車の中にいる美鈴に対して話を振る。
「美鈴ちゃんはどうする?見た感じ一旦離れて休んだ方がいいと思うんだが?」
対して話を振られた美鈴は蒼白になりかけている誰が見ても調子が悪いと感じる顔に無理矢理笑顔を作りながら灰田に返答をした。
「大丈夫です……できる限りここに残りたいので」
美鈴の違和感のある返答に対して灰田は疑問を感じたがその言葉の真意を聞く前に電話の相手が応答した為、その質問は結局口から開かれる事はなかった。
その代わりに電話に出た神田と呼ばれている男が会話を始める。
『もしもし?どうした〜急患?』
電話の向こう側から聞こえて来る声は何処となく飄々としていて切羽詰まったこの場の状況とはそぐわない雰囲気を纏っていた。
灰田はその飄々とした口調とは裏腹に場に適した焦りを含んだ口調で会話を進めていく。
「修哉が腹を撃たれた。今すぐに対応できるか?」
『あぁ、良いよ。『裏』側ならいつも通り急患受付の所に神田先生宛てって言ってくれれば通すよ。さあ急いだ急いだ〜』
「わかった。ありがとう」
灰田は電話を切ると急いでバン車に乗り込み車のエンジンを掛ける。
「池尻!早く乗れ!」
灰田はまだ『リバース』のメンバーと殴り合いを続けている池尻に大声でこちらに来る事を一方的に伝えると後部座席にいる美鈴に対して声色を優しめに抑えて口を開いた。
「取り敢えず事情は後だ。ここに置いていくのも篶成にぶん殴られそうだから近くの公園か何処かに津田と杏梨と一緒に置いていく。大丈夫だな?」
美鈴は少し迷った表情を見せるが数秒後静かに「はい……」と頷いた。
それを見るなり灰田はアクセルを踏み込み車を走らせようとする。
車が進み出したギリギリの所で池尻が助手席に乗り込み、シートベルトを閉める。
「全員何かしらに捕まってろよ。下手に喋ると舌噛むから喋るのも推奨しねえ」
灰田はスピードが乗り始めた瞬間に車のライトを付けて進む道を定めそして────
「飛ばすぞ」
勢いよく廃工場の出口へ駆け抜けた。
× ×




