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The Rampage 2021 - The Beginning of the Rampage!!!  作者: 冬野 立冬
3章 再び歯車は動き出す
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39話 歯車が再び動き出す(5)


 同時刻。


 すすきののとあるビルの地下にて、とある尋問が行われていた。

 尋問と言っても相手を固定して一生くすぐり続けるという傍目から見たら何をやっているんだコイツらはと言った感じのものなのだが本人達は大真面目である。


「アジトの場所だけは吐かねえな」


「吐くも吐かねえも俺は知らねえんだよ!」


 かれこれ数十分くすぐり続けられテンションが若干ハイになってしまっている『リバース』のメンバーに尋問を行なっているメンバーである杏梨(あんり)津田(つだ)は困った顔を見合わせていた。


「津田くんそろそろアレ使っちゃう?」


「え?杏梨さんアレすか?こんなチンピラに?」


「でも私そろそろ飽きちゃったからさ。早めに終わらせたいの」


「でもコイツ本当に知らないかも知れないんすよ?」


 拘束されている男は二人の会話からして『アレ』の事に大凡の察しがついた。


 ────自白剤とか……?


 こんな一般市民がそんなもん持ってるのか?と思ったがすぐにそんな疑問は打ち消された。


「あんまし、無駄遣いすんなよ」


 尋問メンバーの中で一番(がた)いが良い修哉(しゅうや)と呼ばれていた男がポケットから小さな白い粉の袋を二人に向けて投げた。

 男はすぐにそれが予想通りのものだと判断し咄嗟に声を上げる。


「おいおいおい!(ヤク)はマズイだろ!お前らどっからそんな!!!」


 男は瞬時に声を荒げるが尋問しているメンバーは特に驚きもせず平常運転のテンションで言葉を返す。


「あぁ〜その薬はな。俺の知り合いに警察庁のやつがいてな?そいつに横流ししてもらってんだよ。だからお前がもしそれを訴えても揉み消されるから安心して飲め」


 拘束されている男は何となくではあるがその言葉に嘘はないと思い先程から荒げていた言葉を沈めてしまった。

 先程から目の前の修哉と呼ばれている男には妙な説得力、或いは嘘をつかないタチという雰囲気が何と無く感じ取れて


 ────なんなんだコイツら……


 どこからどう見ても一般市民の集まりなのにどこか頭のネジが外れている。

 そしてその外れ方をコイツらは普通だと思っている。

 男は顳顬(こめかみ)に汗を流しながら尋問メンバーを(いぶか)しげに睨んでいたがそんな目線など気にもせず杏梨は粉が入っている袋を開けて、男の口の近くに持っていった。


 ────あぁ……もしアジトを吐いたら幹部の奴らから殺される……


 薬が男の唇に触れ、男が絶望の(ふち)に立たされていた瞬間だった。


 ドンッという激しい音と共にビルの上のドアが壊される音がしたのだった。


 思わず杏梨は手を止めてドアがある後ろを振り返るがそこには────


 一瞬で杏梨の横まで跳躍していた『リバース』幹部、ウィルの姿があった。


 ────コイツ、速!?


 ────ここにくるのにそこそこ階段の数あったよな!?


 修哉と津田のメンバーの中でも特に強い男二人がすぐに異変に気付き自分達の合間を颯爽と抜けていったウィルに視線を向けるが時は既に遅かった。


「おいおい嬢ちゃん。薬はダメだろ?」


 跳躍したまま呟かれた言葉に杏梨は動揺しながら一歩引こうとしたタイミングで腕に強い衝撃が走った。


 ウィルの回し蹴りが薬を持っていた杏梨の右腕に入ったのだ。


「杏梨!」


 修哉はすぐにウィルに向けて駆け出すがウィルもすぐに声の方向に目線を向けてもう一度足を大きく振り上げた。

 ウィルの蹴りは修哉の腕に止められたが、止まる瞬間に凄まじい音が響いた為修哉の腕には相当のダメージが入っているものと思われた。


「ウィルさん!?なんで!」


 拘束されていた男が助けに来た仲間を見るなり、目を見開いて質問をした。


「さっき、『リバース』の特徴の青い鳥を付けてない奴がビルの合間を飛び回っててな?ここら辺で見失ったから探してたら妙なバン車があったから突入してみた。そしたらこの有様だ」


 ────篶成(すずなり)の奴か!


 ビルの合間を飛び回るというよくわからない言い回しにすぐに修哉はピンと来てその人物が誰かを理解した。


「女に暴力振るうなんて最低だな外人野郎」


「薬なんて使ってるやつに言われたくねえよ」


 ウィルは振り上げていた足を下ろすと同時に次は拳を叩き込もうとしたが修哉も拳を叩き込むモーションに移行しており、二人は同時に殴り合う形でダメージを負った。


「早えな」


 ウィルは思わず称賛の声を上げるが修哉もウィルに対して「そっちこそ」という言葉を吐いていた。


「俺は『リバース』に関してはそこまで忠義を誓ってないんだ。成り行きで幹部なんかになっちまったけど……俺はお前みたいな強い奴と殴り合う為に居座ってんだよな」


「俺なんかが強い?じゃあお前が追ってきたビルの合間を縫うように飛んでた奴と邂逅(かいこう)したらお前瞬殺だな」


「へぇ?そりゃ楽しみだな!」


 言葉を言い終えると同時にウィルは再び足を大きく振り回し、その矛先を修哉に向けて放った。

 修哉は再び腕で蹴りをガードするがそれでもガードした腕にはダメージが蓄積しつつあった。


 ────ダメージが一発一発重い奴とは長期戦は不利だな。


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