26話 堺家騒乱(3)
「大丈夫なの!?当主の人置いてきて!」
「大丈夫よ。さっきの家内で一番強いのは俺って言葉、あれは本当の事だから」
三春と凛は基仁に言われるがままに自分達が入って来た屋敷の裏────所謂、裏口を目指して走っていた。
走っている最中も家の中には物が壊れる破壊音が盛りに鳴り響いており、一際ビビりな三春の心をどんよりとさせて行った。
────『リバース』の人ってこんな凶暴なの……?
これから自分が囮役となって相対する敵の事を舐めていたかも知れない。
堺家の男達は見る限り総じてガタイが良く、全員喧嘩では負けなしなのではと思わせる程には屈強に見えた。
そんかメンバーが敵の襲撃によって次々と張り倒されている事実に三春は不安を抱かざる負えなかった。
────囮役なんて一秒保てばいい方だよなあ……
そんな事を思っていると二人は玄関に到達し、三春と凛は急いで靴を履き変えて外へ駆け出した。
駐車場には来た時も運転してくれた人が待機しており、こちらを見つけるなり手を振っていた。
その手を目印に凛と三春は急いで駆け出したが、すぐにその足は止まる事となった。
その目印が、蹌踉めくように消えたのだった。
そうして、消えた目印の代わりに新たな影が車の目の前に現れる。
その影はこちらを見るなり次第に近付き初め、歩みのスピードを増していく。
そして三春と凛は着々と迫り来る影に一つの特徴を見つけた。否、見つけてしまった。
影の手には、青い鳥の刺青が入っていた。




