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恋敵 二

その足で二人は黒田家に向かった。

淳は再び黒田家の主人と向かい合っている。前回と違うのはお雪も一緒なことだ。

「先日はご主人様よりお手紙をいただき、ありがとうございました。お心遣い大変嬉しかったです。」

そう言って淳は深々と頭を下げた。

ご主人は何度か頷いた。

「あの時、ご主人に冷静に良く考えるよう助言いただき、ずっと考えていましたが。」

淳は一瞬下を向いたが、意を決して顔を上げた。



「やはり僕の気持ちはかわりません。このお雪さんと一緒になりたいと思っています。そしてお雪さんも承諾してくれました。」

主人はやはりそうなったかと思うと同時に、複雑な心境だ。

「して、ご両親は何と?」

ここが一番気になるところである。


淳は目を伏せ、

「その後はまだ話をしていませんが、きっと受け入れてもらえると思っています。」

主人はやはりそうかと思った。

「結婚は本人同士だけのものではなく、家同士のことでもある。先生とお雪が結婚するのなら、長谷川家のご両親も祝福してくれる形でなくてはならない。」

主人は、

「よいですか、先生。」

と念を押した。

そうしなければ、お雪が苦労するのは目に見えている。

「もちろんです。これから両親とよく話し合うつもりです。」

淳にしても気持ちは同じだ。

淳は丁寧に挨拶し、黒田家を後にした。しかし、両親を説得する妙案はなくどうしたものかと淳は途方に暮れている。


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