生活環境を整えよう!
魔法で生活環境を整えます。
トリティアと共に地上に来た朗児の目に映ったのは
地上一面を覆うツタや根だった。
「このままだと歩きにくいね・・道って造れたりしない?」
彼女にこのツタや根を除けて道を造れないか確認してみた。
すると彼女は即答で
「できますよ、この地面にあるツタや根も私の体の一部ですからね
腕や足を動かす感覚ですね分かり易く言うと」
簡単に出来ます。と胸を張って豪語する彼女は何処を動かして欲しい
のか聞いてきた。
「じゃあアソコとココの根やツタを除けてくれる」
はい。と返事をして彼女は、手を僕が頼んだ方向に向けて手で分ける
様な仕草で手を左右に動かした。
地面を這っていたツタや根もそれに反応するかの様に左右に除けていく。
太くて重そうな木の根が簡単に動いていく光景はある意味壮観だった。
そして、森まで通じる道が出来上がった。物凄い速さで終わった作業跡に
出来た道を見て僕は
(僕が他人なら絶対通りたくない道だな)
と思ってしまった。だって敵とか来ても頭上や横にある根が自動で攻撃で
きそうで怖いもん。そして何気に道の一番先の場所には、通行止めが如く大
きな根が横たわっており通行を阻害している。
(ドア代わりに丁度良いな。危ない生物もこれで入ってこれまい)
朗児は完璧だと言うとウンウン頷く。トリティアも褒められて満足そうだ。
彼女にとって主の役にたてることはこの上ない喜びだった。
「あの根を除けることも出来ぬような輩では、主様に会う資格は有りません。
それどころかこの地で立つことさえ難しいでしょう」
そう言い切る彼女を見て、朗児は改めてこの地は怖ろしい土地だと思った。
(暫くは、引き籠って様子を見よう)
こうして森への道造りは終了した。
道を造り終わった頃、朗児は次なる問題に直面していた。それは・・
「喉が渇いた」
そう水を得る手段が今存在していなかった。周りの森には、川らしきもの
もここから見る限りでは見られない。
朗児が悩んでいると、トリティアに肩をツンツンと突かれた。
朗児がそちらを向けばトリティアは自信満々に
「水ならありますよ」
と言ってくる。だが見る限り彼女の周囲に水は存在しない。
(何処に有るんだろう?)
僕がそんな思いを抱いていると、彼女の本体である霊樹に張っていたツタが
僕の方に向かって来て僕の手前で止まるとそのツタの先から水が出て来た。
横からトリティアがコップを「どうぞ」と言いながら差し出してきたので
反射的に受け取りそのコップで水を汲んで飲んでみる。
「美味しい」
それは、不思議な程美味しく感じる水だった。しかもこの水も若干の光を
放っていた。
こうして水問題は解決した。だが、一つ気になることがある。
「この木製のコップどうしたの?」
彼女は、木であるためコップを使用するはずがない。そしてあの部屋にも
コップなど置いて無かった。
では、このコップはいったい何処から来たのか?答えはすぐに彼女により
もたらされた。
「造形魔法で作りましたが何か?」
(造形・・魔法?・・魔法で作った物なんだ)
「僕にも出来るかな造形魔法?」
これは、挑戦してみたい!魔法のある世界で僕の魔力は神レベルにある
らしいので魔法に興味がある朗児はトリティアに初々しく聞くのであった。
「出来ますよ・・ちょっとお待ちください」
そう言うと彼女は、自分の本体に向かい適当な大きさの枝(ほぼ丸太)を
捥いで持って来た。捥いだ場所は瞬時に再生していた。
(捥いでる彼女も凄いけど、彼女本体の再生スピードも化物だな)
「ん?どうかしましたか主様」
彼女は、自分の何倍もする大きさの枝を軽々と片手で持ちながら聞いてきた。
(怖いんで早くそれを地面に置いていただきたい)
彼女は枝を地面に置くと僕に向き直り説明を再開した。
「まず、この枝に触れて魔力を軽く流して下さい」
そう言われ、彼女の言う通りに枝に触れて彼女に与えた時と同じ様な感覚で
その枝に魔力を流してみた。
その途端枝は木っ端微塵に吹っ飛んだ。
「この様に、その物の許容量以上の魔力を注ぐと壊れたり破裂したりするので
気負つけてください」
そう言いながら彼女はもう一本枝を用意した。
(そういう事は最初に言って欲しかったな)
再度用意された枝に今度は、気を付けて魔力を流してみる。
すると、魔力を流した枝に青い線が血管の様に現れた。
「それが、全ての物に存在する『理の線』です。それに触れながら
今度は頭に作りたい物を思い浮かべてください」
言われた通りに、頭に机と椅子を思い浮かべてみた。
すると、枝は生きてるが如く動き出し形を段々と変えていきそんなに時間も
掛からずに簡素な机と椅子が出来上がった。
「ヤッター!出来た。魔法凄く便利だな」
僕は子供の様に燥ぎながらその喜んだ。トリティアは良かったですねと微笑ん
でいる。
(思わず燥いでしまった。トリティア以外誰も居なくて良かったよ)
その後朗児は、簡単な食器類を作ったりして造形魔法の練習に勤しんだ。
日が暮れる頃には、大分造形魔法が上達していた。
トリティアは、朗児が練習している間に地下の部屋に自分のツタを伸ばして
水道を作ったり朗児の練習を手伝ったりしていた。
こうして、朗児の生活環境はそこそこ整えられた。
そして、朗児は今日作成した木製のベッド枠にまた葉っぱを敷き詰めて眠りに
ついた。
続く
造形魔法は、才能ある造形職人が約10年の修行でやっと出来る技です。
主人公は約半日でモノにしました。
次回は、主人公が魔法を使って雨を降らせます。




