日常(5)
土のエルフの里に行ってから二日が経過した。
今日は一週間に一度の行商の日だ。
造形魔法で作った荷馬車にこれまた造形魔法で作った家具や食器を
積み込む。
馬車を牽くのは、トリティアの枝を馬の形に造形魔法で加工した物に僕が
魔力を与えて召喚した中級精霊のホーンだ。
ホーンは、普通の馬よりも速いスピードで移動でき持久力もそこそこある。
時速で言えば、40kmくらいだと思う。
今日は、エルラさんが用事で居ないので僕とウォッタムで行商に行く。
御者台に乗り、出発だ。
最初は、一番近い水のエルフの里だ。
里の広場に作った家具や食器などを置いて商売をスタートする。
この里で、一番売れるのは釣り竿だ。
簡単な釣り竿なら造形魔法で作れることが、判明したので毎回来る時に
は20本くらいは持って来ている。
ちなみに、エルフ達が使っている通貨はエルクといる名の金貨だ。
これは、昔あったエルフの国の金貨らしい。
一番価値が低い8等金貨から始まり1等金貨まで種類がある。
8等金貨=1円 7等金貨=10円 6等金貨=100円
5等金貨=5百円 4等金貨=1千円 3等金貨=5千円
2等金貨=1万円 1等金貨=10万円
という具合にある。
釣り竿は2千エルクで売っている。食器は大体平均5百エルクで
家具は大体数万エルクで売っている。
釣り竿は、開店してすぐに売り切れる。
(もうちょっと作るべきかな釣り竿?)
食器もそこそこ売れ出て来て、売れ行きの調子が良い時にリアスさんが
訪ねて来た。
(何でか、この人が来ると毎回警戒してしまう自分が居る)
リアスさんは、僕を見つけると駆け寄って来る。
(何故か今凄く逃げたい・・でも逃げると追って来るんだよなこの人)
諦めて、彼女が近づいてくるのを待つ朗児。
そして、彼女が朗児のもとに到着して言ったことは
「雨を降らせてください。お願いします」
だった。(良かったまともなことで)
はたして、雨を降らせる行為がまともな人間に出来る芸当かどうかは
もはや朗児は考えていない。
店をウォッタムに任せて朗児は、雨を降らせる魔法を発動させる。
そして、雨が降った。
「良かったです。最近雨がめっきり降らなくて困っていたんです」
そういえば、前に降らせた時もお礼を言われた事を朗児は思い出す。
「前から雨が余り降らないとこなのこの森?」
疑問に思い聞いてみる。すると、リアスは少し考えてから
「いえ・・ここ一カ月だけ全く降らないですね。理由は分かりませんが」
季節的な事じゃなさそうだな、このリアスさんの反応を見るに
つまり、何か理由があるってことか?
雨と言えば水、水と言えばウォッタムだ!ウォッタムに聞いてみよう。
てな訳で、リアスさんと共にウォッタムのところに戻る。
そして、ウォッタムに最近雨が少ないことの理由が分かるか聞いてみた。
ウォッタムの返答は
「おそらく、この森の何処かで雨を降らせないようにする魔法が使われて
います。それが原因かと思われます」
降らせる魔法があるなら、逆もあるってことか道理だな。
リアスさんはウォッタムの説明を聞き、黙って考えこんでいる。
そして、考えが纏まったのか彼女が出した答えは
「それは、おそらくダーク・エルフの仕業だと思います」
というのが、彼女の答えだった。
ダーク・エルフって確か・・
(ハイ・エルフと同格の強さを持つ種族だと前に聞いたな)
その種族がこの減雨の原因?話には続きが有りそうだな。
僕は黙って、リアスさんの話の続きを待った。
「ハイ・エルフ族とダーク・エルフ族はずっと対立しているんです」
それが、話の続きでありおそらくこの減雨の原因の大元かな。
これは、一度両方から話を聞かなきゃいけないな。
続く




