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幕間
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「――あぁ、シエラ、目が覚めたんだね」
人生で最初に"意識"をしたとき、真っ先に見えるものは何だったのだろうか。
この悲しい男の顔は、まるでシエラそのもののようだ。他者を取り込み自我が生まれるのならば、きっとこの男は他者であり自我でもある。
シエラはおぼろげな意識の中で、そんなことを思った。
「さぁ、支度をしておいで。これが今生で最後の、俺と君の時間になるだろうから」
そう言って寂しそうに笑った男の美しさは、朝日に消え入りそうな朝露だった。
シエラは体を起こし、自分の両の掌を見る。
――あぁ、私はまだ生きているんだ。
安心感と、どこか達成感。シエラは目の前で笑う男の、深いぬばたまの黒き瞳を見た。星空がありそうな黒い闇は、今は朝の光の中で穏やかだ。
「シエラ?」
「あなたを一人にはしないよ」
これは誰の言葉だろう。
シエラだろうか、シエラの中にいるレイルだろうか、それとも、宝玉を通じて聖玉が見せた儚い幻想だろうか。
「ありがとう」
優しい朝日の中で、グレイはそっと微笑んだ。




