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蒼の瞳は、すべてを知っている。  作者: 消す者(イレイザー)
第一章【塔へ】

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12.守るための決意

 父さん達の死から、一年と少し。色々なことがあった。

 森で見える光の玉について、ノアたちに話したことも、その一つだ。

 自分にしか見えていないものが何なのか知りたくて、ある日の狩りの帰り道、思い切って話してみたのだ。


 森の中に、色とりどりの光が浮かんでいること。

 その中には、禍々しい色をしたものもあること。

 そして、それらが森の奥へ向かっているように見えること。


 結果は、散々だった。


「……アルトリウス。最近、ちゃんと眠れてるかい?」


 真剣な顔でそう尋ねてきたノア。


「疲れてるんじゃない? 無理してるなら休んだほうがいいよ」


 心配そうに眉を下げたエルナ。


「見えないものが見える、ってこと?」


 何とも言えない表情で首を傾げたミレイア。


 カイルに至っては、しばらく俺の顔を眺めたあと、真面目な声でこう言った。


「一回、神父様に相談してみるか?」


 もちろん、断った。



 結局、あの光については、今でも誰にも理解されていない。

 それでも、モヤを纏う獣については違った。

 あの巨熊との戦いを経て、俺たちは森に潜む異変を知った。


 モヤを纏った獣は、普通の獣とは明らかに違う。

 速さも、力も、ときには身体の頑丈さや大きささえも、常識から外れている。

 モヤを纏う獣の姿は、光の玉とは違い俺だけでなく、誰の目にも見えていた。

 だから今では、森でそうした獣を見つけたら、俺に知らせるか、すぐに距離を取って逃げる。

 それが、村の狩人たちの共通認識になっていた。


 そして、半年と少し前から、ロイドたちも狩りに加わるようになった。


 ロイドは、俺たちより二つ年上だった。

 昔は、俺たちにちょっかいを出すこともあったが、いつからか、それもなくなっていた。

 何か大きなきっかけがあったわけではない。

 ただ、気づけばロイドも大人に近づき、村の仕事を真面目にこなし、狩りにも責任を持って参加するようになっていた。

 人は、そうやって少しずつ変わっていくのかもしれない。


 一方で、昔から変わらない連中もいる。

 ガレスとフィンだ。

 かつてロイドと一緒に、俺たちをからかっていた二人。

 ガレスは口数が少なく、体格もいい。力仕事が得意で、ノアとは妙に気が合うらしい。


 フィンは身軽で、周囲を観察することに長けている。

 ただし、カイルとは昔から相性が悪い。

 顔を合わせれば、どちらかが嫌味を言い、もう片方がすぐに言い返す。

 それでも、狩りの最中にまでくだらない喧嘩を持ち込むほど愚かではない、はずだ。


 .....……たぶん。




 そんな俺たちももう、十六歳になった。

 ロイドたちに関しては十八を迎えて成人だ。


 ノア、エルナ、ミレイアの三人は、今では一組で森を回れるほどの腕前になっている。


 ノアは獣の動きを受け止め、エルナは罠や獣道を見つける。ミレイアも弓の腕を伸ばし、狙った場所へ矢を当てられるようになっていた。

 三人で役割を分担し、互いの苦手な部分を補い合う。


 まだ経験不足なところはあるが、以前とは比べものにならないほど頼もしくなった。


 カイルも、できることを増やしていた。

 義足での生活には、もうだいぶ慣れている。

 以前のように自由に走り回ることはできないが、弓を扱い、獣の痕跡を見分け、若い狩人たちに森での立ち回りを教えることもある。

 今では、ロイドたちの組を指導する役割も担っていた。


 自分が前線で戦うのではなく、周囲を見て仲間に指示を出す。

 失ったものを抱えながらも、カイルは自分の居場所を見つけていた。


 __________________


 目下の問題は、獲物が減ってきていることだった。


「この辺りも、だいぶ少なくなってきたな」


 ある日の狩りの帰り道、ロイドが手にした獲物を見下ろしながら言った。


「もう少し奥まで行けば、まだいるんじゃねえか?」


 フィンが森の奥へ目を向ける。


「今まで行っていた場所より、さらに先、ってことか?」


 カイルが尋ねると、ロイドは頷いた。


「そうだ。獲物が減ってるなら、範囲を広げるしかないだろ」


 確かに、いつもの場所を回っても、獲物の足跡が見つからない日が増えている。

 村の暮らしを考えれば、狩りの範囲を広げるという考え自体は間違っていない。


 だが、俺は賛成できなかった。


「俺は反対だ」


 ロイドがこちらを向く。


「理由を聞いてもいいか?」


「森の奥ほど、モヤを纏う獣と遭遇する確率が高いからだ」


 以前から気づいていたことだった。

 浅い場所では、モヤを纏う獣を見かけない日もある。

 だが、森の奥へ進むにつれて、その遭遇率は明らかに上がっていく。


「モヤを纏う獣なら、今までも倒してきただろ?」


 フィンが口を挟む。


「倒せる相手もいる。けど、全部がそうとは限らない」


 俺は言葉を選びながら続けた。


「俺たちが知っているのは、あくまで今まで遭遇した獣のことだけだ。どこまで強くなるのか、何が違うのかも分かっていない」


「それでも、獲物を探さなきゃならねえのは同じだ」


 ロイドの言葉には、もっともな部分もあった。

 獲物が減れば、村の暮らしは苦しくなる。

 だからといって、危険を無視していい理由にはならない。


 俺は、無意識に首元へ手をやった。

 首から頬にかけて残る、長い傷跡。

 あの日のことを思い出すたび、今でも身体が強張る。


 隣では、カイルが義足に手を置いていた。

 木と金具で作られたそれは、彼が失ったものを静かに物語っている。

 父さんたちが命を落とし、カイルが足を失い、俺の身体に傷が残った事件。

 ロイドも、そのことは知っている。

 ロイド達やノア達も少し顔を顰めた。


 けれど、あの巨熊を実際に見たことはない。


 俺たちが何と戦い、どれほどの恐怖を味わったのか。その姿を直接見たわけではなかった。


「あのときの獣は、俺たちが倒したわけじゃない。運よく生き残れただけだ」


 俺はロイドを見て言った。


「森の奥へ行くほど、ああいう獣に出くわす可能性が高くなる。俺は、それを知ってるから言ってるんだ」


 ロイドは黙って俺を見つめていた。

 その表情に、軽率さはなかった。

 ただ、実際に見たことのない脅威を、どこまで想像できるのか。


 その差は、どうしてもある。


「…俺も、今は範囲を広げるべきじゃないと思う」


 カイルが口を開いた。


「獲物が減ってるのは分かる。だが、人数を増やしたところで、危険な獣に勝てるとは限らねえ。まずは今の範囲で、獲物を見つける方法を考えたほうがいい」


 ロイドはしばらく考え込んでいたが、やがて頷いた。


「分かった。今すぐ奥へ進むのはやめておこう」


「助かる」


「ただ、獲物が減り続けるなら、いつかは考えなきゃならないからな」


「ああ。そのときは、改めて話し合おう」


 今は、それで十分だった。


 _________________


 それからも、俺たちは今までと同じ範囲で狩りを続けた。

 仲間たちの連携は、以前よりずっとよくなっている。


 ノアが獣の進路を塞ぎ、エルナが罠の位置へ誘導する。

 ミレイアが弓で牽制し、三人で獲物を仕留める。


 ロイドたちの組も、カイルの指導を受けながら着実に腕を上げていた。


 俺も、以前ほど焦らなくなった。

 獣を見つけても、すぐには飛び出さない。

 風向き、地形、獣の動き。

 それらを確かめ、危険があれば引き返す。


 父さんに教わったことが、少しずつ身についてきたのだと思う。

 そんな日々の中、俺は狩りの合間に一人で森を歩くことが増えていた。


 光の玉の動きを確かめるためだ。

 色とりどりの光は、森の中を漂い、ときには木々の向こうへと消えていく。


 特に、禍々しい色をした光には注意していた。


 それらが集まる先には、モヤを纏う獣がいることが多かったからだ。

 その日も、俺は仲間たちと別れ、一人で森の中を探っていた。


 いつもの狩り場から、少し離れた場所。

 木々の間を抜け、地面に残る足跡を確かめながら進んでいたときだった。


 ________ィィィッ!


 鋭い笛の音が森に響いた。


 狩人たちが危険を知らせるために使う笛だ。

 俺は即座に顔を上げた。


 __近い。


 音のした方向へ、俺は駆け出した。

 枝を避け、木々の間を抜ける。もう一度、笛が鳴った。


 急げ。


 胸の奥で、焦りが膨らんでいく。

 そして、木々の向こうに開けた場所が見えた。


「ノア!」


 目に飛び込んできた光景に、思わず声が出た。

 ノアが地面に倒れていた。


 その少し先には、小さな兎が一匹。

 いや、違う。

 兎の身体には、薄暗いモヤがまとわりついていた。


 そして、その周囲には、禍々しい光の玉が二つ浮かんでいる。


 兎は、普通の獣とは思えないほどの速さで地面を蹴った。

 ノアが槍を構え、身を守ろうとする。


 だが、間に合わなかった。

 兎の後ろ脚が、ノアの身体を蹴り飛ばした。


「ぐっ……!」


 ノアの大きな身体が地面を転がる。

 俺は一瞬で状況を理解した。


「全員、下がれ!」


 その場にいたエルナとミレイアが、すぐに距離を取る。

 兎が再び地面を蹴った。


 狙いは、倒れたノアだった。


「させるか!」


 俺は槍を構え、地面を蹴った。

 兎の動きは速い。

 だが、今まで何度もモヤを纏う獣と戦ってきた。


 その動きを観察し、次の一手を読む。

 兎が地面を蹴る直前、身体がわずかに沈む。


 俺は、その瞬間を狙った。


 __見えた


 脇腹に近い位置。

 モヤが不自然に歪んでいる。俺には、その歪みが見える。

 狙う場所は、そこだ。


 兎が飛び込んでくる。

 俺は半歩だけ横へずれ、槍を突き出した。穂先が、歪みのある場所を捉える。

 手応えがあった。


 直後、兎の動きが目に見えて鈍る。

 跳躍の勢いが失われ、身体が地面へ落ちた。俺は間を置かず、槍を引き戻して追撃する。

 兎は二度と立ち上がらなかった。


 周囲に漂っていたモヤが、ゆっくりと薄れていく。

 俺は槍を下ろし、兎の身体を確認した。


 ……やったか?


 動き出すんじゃないかと思わせるようなセリフ


 だが、胸の奥には安堵よりも、冷たいものが残っていた。

 これほど小さな獣ですら、ノアを蹴り飛ばすほどの力を持っている。

 もし、俺が笛の音を聞き逃していたら。

 もし、駆けつけるのが遅れていたら。


 考えるのも嫌だった。


「ノア!」


 そのとき、カイルの声が聞こえた。

 振り返ると、カイルが義足をかばいながら駆け寄ってきていた。

 少し離れた場所で狩りをしていたロイド、ガレス、フィンも、笛の音を聞いて集まってきたらしい。

 カイルは俺たちの姿を見つけると、すぐにノアのもとへ向かった。


「おい、しっかりしろ! どこをやられた?」


「……大丈夫だ。少し、蹴られただけだ」


 ノアは苦しそうに顔をしかめながらも、なんとか身体を起こした。

 カイルはノアの身体を確かめ、傷の具合を確認する。

 幸い、致命傷ではない。


 ただ、兎に蹴られた場所は赤く腫れ、ノアは立ち上がるときにも痛そうに顔をしかめていた。


「……今日はもう終わりだ」


 カイルが低い声で告げた。


「でも、まだ狩りは__」


「終わりだ。これ以上続けて、誰かが大怪我をしたらどうする」


 カイルの声には、有無を言わせない強さがあった。


 誰も反論しなかった。


 俺も、何も言えなかった。


 ___________________


 村へ戻る道中、俺は何度も森の奥を振り返った。


 今日の兎には、禍々しい光の玉が二つ浮かんでいた。

 今まで森の奥の方でしか見かけなかった。光が二つの獣。


 今までの狩り場にも、確実に危険が迫っている。その事実だけは、疑いようがなかった。


 村へ戻ると、ノアの傷は手当てを受けた。

 幸い、骨に異常はなく、しばらく安静にしていれば問題ないとのことだった。

 それでも、カイルは狩人たちに告げた。


「しばらく、森へ入るのは控えよう。少なくとも、今日みたいなモヤ持ちの獣が出るうちはな」


「だが、日に日に獲物が減っているんだぞ」


 ロイドが不安そうに言う。


「分かってる。だからこそ、今まで以上に慎重にならなきゃならねえんだ」


 カイルは譲らなかった。


「ノアが軽い怪我で済んだからいいものの、あれが首にでも当たっていたらどうなっていた?」


 ロイドは口を閉ざした。


「今までの場所だから安全だ、なんて考えは捨てろ。何が起きてるのか分からない以上、無理に狩りを続けるわけにはいかねえ」


 俺は黙って聞いていた。


 森の奥ほど、モヤを纏う獣が増えている。

 その傾向は、以前から感じていた。

 けれど、今日の兎は違った。

 あれほど浅い場所にまで、モヤを纏う獣が現れたのだ。

 偶然なのか。


 それとも、何かがまた動き始めているのか。

 考えられることは、一つあった。


 あの巨熊だ。


 俺たちが遭遇した、あの異様な獣。

 あの戦いのあとから、森で見かけるモヤを纏う獣は、少しずつ増えていった。


 もちろん、確証はない。巨熊そのものが原因なのか。

 それとも、巨熊が森の奥にいたことで、何か別の変化が起きたのか。


 そもそも、あの熊と今の異変に関係があるのかさえ分からない。

 考えれば考えるほど、分からないことばかりだった。


 それなのに。


 胸の奥に、奇妙な感覚があった。理由はない。

 証拠もない。

 何かを見たわけでも、誰かから聞いたわけでもない。

 ただ、心の奥底で、何かがそう告げていた。


 ___あの熊だ


 あの巨熊が、何かの原因になっている。

 あの熊が現れたこと自体が、森の異変の、何かの始まりだったのかもしれない。


 頭では、そんな考えに根拠がないことは分かっている。

 それでも、その感覚を振り払うことができなかった。

 まるで、ずっと前から知っていたことを、今になって思い出したかのように。


 俺は無意識に、森の奥へ目を向けていた。

 あの熊が今も生きているのかさえ、確かめられていない。

 それでも、俺の中にある何かが、あの場所を気にかけていた。


 __________________


 その夜。


 俺は一人、家の中で槍を握っていた。使い慣れた柄の感触。

 何度も繰り返した構え。父さんから教わった動き。

 槍は、今でも俺の一番の武器だ。


 だが、あの巨熊との戦いを思い出すと、どうしても考えてしまう。

 あのとき、俺が手にしていたのは槍ではなかった。


 ジャイガが使っていた、大剣だった。

 重く、扱いにくく、俺の身体には大きすぎる武器。

 それでも、あのときは振るうことができた。

 いや、振るうことができただけではない。


 大剣を握った瞬間、恐怖に押し潰されそうだった身体の奥から、何かが湧き上がってきた。


 獣を斬り裂く感覚。

 重い刃が肉を断つ感触。

 自分の身体が、普段では考えられないほど軽く動く感覚。


 恐怖の中にあったはずなのに、俺は確かに高揚していた。

 あの巨熊と戦うことに。


 自分の力を振るうことに。

 あの感覚を思い出すと、今でも背筋が冷たくなる。


 もう一度、大剣を握ったら。


 また、あの感覚に飲み込まれてしまうのでは、自分が自分では無くなってしまうのではないか。

 だから俺は、あの日以来、大剣を避けてきた。


 槍の腕を磨き、身体を鍛え、少しでも強くなろうとしてきた。


 だが、今日の兎を思い出す。

 小さな獣だった。それでも、ノアは傷を負った。


 もし、あれがもっと大きな獣だったら。

 もし、俺が間に合わなかったら。

 槍だけで、みんなを守れるのか。



 槍を握る手に力がこもる。


 守りたいものがある。

 失いたくない仲間がいる。

 それなのに、恐怖を理由に選択肢を狭めていていいのだろうか?


 俺は、ゆっくりと槍を下ろした。


 _________________


 そして、翌朝。カイルのもとを訪ねた。


「カイル。頼みがある」


「ん? どうした?」


「大剣を用意してくれ」


 カイルは一瞬、目を丸くした。


「……大剣?」


「ああ」


「槍はどうするんだ? お前、ずっと槍を使ってきただろ」


「槍だけじゃ、限界があると思っていたんだ」


 口にした言葉は、嘘だった。

 いや、完全な嘘というわけでもない。

 槍だけでは届かない力がある。

 それは、あの巨熊との戦いで痛いほど思い知らされた。


 だが、本当の理由は別にあった。俺は、大剣が怖かった。

 あのとき感じた、恐ろしいほどの高揚感が。

 自分の中に眠っている何かが、再び目を覚ますことが。


 それをカイルに話すことはできなかった。


「実は、あの熊との戦いのあとから、少しずつ大剣の扱いも練習していたんだ」


 俺は、さらに嘘を重ねた。


「みんなに余計な心配をかけたくなかったから、黙っていた」


 カイルは俺の顔をじっと見つめていた。

 しばらくして、ふう、と息を吐く。


「……分かった。ジャイガさんの家に、予備の大剣があるはずだ。それを使えばいい」


「本当か?」


「ああ。ただし、俺も一緒に確認する。どれくらい扱えるのか、見ておきたいからな」


 カイルはそう言ってから、義足に手を置いた。

 その動きに、俺の視線が吸い寄せられる。


 木と金具で作られた義足。

 そして、俺の首から頬にかけて残る傷跡。

 カイルは俺の視線に気づいたのか、少しだけ口元を緩めた。


「俺達がこうなった理由、忘れたわけじゃねえんだろ?」


 その言葉に、胸の奥が痛んだ。忘れるはずがない。


 父さんたちが命を落としたことも。

 カイルが足を失ったことも。

 俺の身体に傷が残ったことも。

 何一つ、忘れたことなどなかった。


 あの日の光景は、今でも夢に見る。だからこそ、怖かった。

 もう一度、あの力に頼ることが。けれど、それ以上に怖いことがある。


 また、誰かを失うことだ。


 俺は拳を握り締めた。

 胸の奥にあった迷いが、少しずつ形を変えていく。


 森の異変。

 モヤを纏う獣の増加。

 そして、あの巨熊。

 証拠などない。

 誰かに説明できる根拠もない。


 それでも、俺の中では、もう答えが決まっていた。


「原因はわかった」


 俺はカイルを見た。


「あの熊を殺しに行くぞ」

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