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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後8年目

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1378/1416

1378 星暦559年 藤の月 23日 魔力認証結界(6)

「基本的に、一頭ずつ牛や羊を通す仕組みって、柵とかを使ってちょっと細い廊下っぽい空間を作って、扉を2か所、大きな牛なり羊なりが一頭は要れるぐらいの距離を離して付けるだけなんだって。

 柵だったら仲間が傍に居るから、中に閉じ込めても大人しく立っているんでちょっとした検査とか程度だったら丁度いいけど、痛がって騒ぐような作業をする時は別の小屋とかに連れて行くらしいよ」

 朝食後に現れたシャルロが、ケレナから聞いてきた牧場などで使う一頭ごとに通すゲートの仕組みを教えてくれた。


「要は、認証された人が入ったら一回足を止めさせる扉がもう一つあって、別の人が続いて入れないように後ろの扉が閉まる感じなんだな?

 そんでもって後ろの扉が閉まったら前の扉が開いて認証された人が部屋に入れると」

 かなり単純な仕組みなんだな。


「寒い空気が入るのを防ぐ風除室みたいな感じで、寒い空気ではなく余計な人間が入るのを防ぐための部屋って思えば良い訳だね」

 アレクが付け足す。

 あ~。

 確かに風除室って中流ぐらいの家に時折あるな。

 大金持ちだったらもっと広いロビーが玄関の先にあるし、貧乏人だったら余分な部屋なんぞないから玄関から入ったら即座に生活空間だが、中流ぐらいのちょっと金があるベテラン職人やそこそこ上手くやっている商人や……金持ちが囲っている愛人が住むような家だとそんな部屋があるのも見かける。


「流石に風除室的な部屋をもう一つというのはちょっと大掛かりな工事が必要になるから無いにしても、ちょっと大きな箱を扉を開けた先に設置して、それを通り抜ける際に一回立ち止まって防御結界を解除・再展開する仕組みにすればいいかな?

 認証されていない人がその部屋に入ったら警報が鳴るということで」

 シャルロが提案した。

 貴族の家だったら部屋がいくらでも余っていそうだが、都合よく小さな部屋を美術品を置く場所の隣に作ってそこから入るようにするのはちょっと面倒なのかな?


「一応家族とか親しい友人を入れたい時の為に、警報は解除できるようにしておいて、代わりに警報を解除したら問答無用で通信機で警備の人間にその場所でのやり取りが繋がるようにしておいたらナイフで脅されて警報を解除した場合も何とかなりやすいんじゃないか?」

 警報が解除されたら警備室から誰何が行くというのでは、単に脅された人が『大丈夫だ』と答えるだけになる。

 そうではなく、声が警備側の人間に流れる仕組みにすれば、『〇〇、本当に無事に解放してくれるんだろうな』ぐらいのことは言えるだろうからそれを元に警備の人間が対処する必要性に気付けるだろう。


 まあ、認証を受けた当主なり家族なりが騙されて友人だと思った人間を入れて、美術品がある部屋に入ってから殴られて気を失うなんてことになったらどうしようもないが。

 出来るだけ、入れる人の名前を信頼している相手でも常に何らかの形で声に出すように認証を受けた人間には教え込んでおくと、後からの調査とかもしやすくなるかもだな。


 流石に殴られて意識を失ったところで盗まれれば、誰が犯人かは基本的に分かるだろうけど。


「としたら、まず探知結界で登録された魔力の人間が来たら解除される防御結界をその箱の入り口に設置して、入り口の結界が解除されたら自動で出口の防御結界が展開される仕組みにする。そして中に人が入った後に、登録された人しか箱の中にいなければ再度入り口の防御結界が展開されて出口側の防御結界が解除されるようにする必要があるってことだな」

 アレクが黒板に要点を書いていく。


「そんでもって登録されていない人間が箱の中に入ってきたら警報を鳴らす仕組みと、警報を解除した際に通信機が自動で起動する仕組み、及びその際に出口側の結界が解除されるようにしないと知り合いに自慢できなくなるな。

 人数が多すぎたら中々面倒なことになるが」

『これが起きたらこれ』『これをやったらこれ』という選択が何通りか必要だから魔具がかなり大きくなりそうだ。

 どうやったら小さく出来るか、試行錯誤が必要そうだな。

 しかもその魔具の魔術回路を最低でも箱の外側、出来れば箱から手が届かない範囲に設置したい。


「というか、箱程度だったら人が2人ぐらいしか入れないんじゃない?

 もっと大人数を入れるつもりがあるなら、それこそ本当に風除室ぐらいの大きさの箱なり部屋なりが必要だよね」

 シャルロが指摘する。


「だったら箱を扉の向こうに設置するんじゃなくて、扉から1メタ(メートル)ぐらい向こうにもう一枚壁を作って、通り抜けるならすぐだけど何人も入れたければそれなりの人数を部屋の中に入れられるようにした方が良いんじゃないか?

 自分以外誰にも美術品は見せない!!と主張する人相手だったら箱だけでいいかもだが」

 だが、人生何が起きるか分からないのだ。

 結婚するなりお気に入りな孫が出来るなりで自分の大切な美術品を見せたくなる可能性もあるんだし、面倒だからこの際部屋の入り口にもう一枚壁を作る方が良さげだな。




大きな部屋で1メートル幅を削っても問題ない場所じゃないとダメですね〜。

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― 新着の感想 ―
認証されていない人がその部屋に入ったら仮死状態にするとか
まあ、金庫室に取り付けるような警報になりますからねぇ。 大英博物館を訪れたことがありますが、あの無料空間ですら「ガラス越し、立入禁止のロープ、監視カメラ」の三重の警戒付きでした。 ルーブル美術館は行く…
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