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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後8年目

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1376 星暦559年 藤の月 21日 魔力認証結界(4)

「考えてみたら、防御結界の中に防御結界を展開して干渉し合わないか、調べておく方が良いかも?」

 朝食後のお茶を工房で飲んでいたら、アレクが指摘してきた。


 確かにな。

「まあ、別に美術品を誰も触れないように展開する防御結界は無くても良いんだが、二段階的に防犯強度を高める予定なのが干渉しあって出来ないとなったら最初から分かっている方が良いよな。

 実験してみるか」

 術同士が絶対に同じ範囲内で展開出来ないという事は滅多にない。

 温度管理とか冷風を吹かせるような魔具は大抵家の中で随時室温に対応して使っているが、そういう時だって家全体の防犯結界や防御結界が起動していることは多いのだ。


 一々何かの魔具を使う際に他のと干渉してしまうからとそちらを止めなければならないとなったら、不便でならない。

 とは言え。

 排他性の強い性格を持つ防御結界の場合は同じような防御結界とぶつかる可能性はゼロではない。


 という事で、一般的によく使う防御結界の魔具を二つ作って、一つを小さ目に展開した上で、その隣でもう少し大きな防御結界を重なるように展開してみた。


「良かった、特に問題はないかな?」

 シャルロが安心したようにそっと手を伸ばしながら言った。ちゃんと結界によって手が弾かれている。


 が。

「なんかちょっと、内側の結界が変な感じに魔力が不規則に動いている感じがする。

 一応ちゃんと起動しているっぽいとは言え、これだと魔力の消費が激しいか、早く壊れるかするかも」

 通常の常時起動型魔具の場合、魔力が滑らかに巡って術を起動させ続けるのだが、最初は問題なく巡っていた小さい方の防御結界の魔力が、もう一つの防御結界が重複起動してからちょっと不規則にパチっと大きくなりながら流れているように心眼サイトで視える。


 これでは魔力の消費量が多そうだし、早い段階で魔術回路が焼き切れるんじゃないか?


「確かに……ちょっと魔力の消費量が多いかも? 

 違うタイプの防御結界なら大丈夫のか、試してみるか」

 アレクが眉を顰めながら二つの防御結界をじっと視ていたが、溜息を吐きながら提案した。


「確かあと3通り防御結界の魔術回路があったよね~」

 先日魔術院の特許部門から探しまくって写してきた魔術回路の紙をぺらぺらと捲りながらシャルロが何枚かを抜き出して俺たちに一枚ずつ渡してきた。


「よし、それぞれ2つずつ作って、同じのを重ねた場合や、違うのの中で展開した場合なんかの組み合わせでどれか問題なく使えそうなのがあるか、確かめてみよう」

 今回は試作品を沢山作ることになりそうだなぁ。

 ちょっと魔術回路用の素材も買い足しておいた方が良いかも……と思いながら工房の奥に取りに行ったら、既に新しいワイヤーが巻いて置いてあった。


 流石アレク。

 ちゃんとそこら辺は先読みして準備してあったらしい。

 そういえば、こないだなんかそれっぽいことを言っていたかも?


 ◆◆◆◆


「こっちとこっちだと干渉しないようだな」

 合計4つの防御結界を2つずつ作り、それを色々な組み合わせて重複起動させて干渉具合を確かめたところ、どうやらそのうちの二つは完全に干渉しない組み合わせなようだった。

 残りのもいくつかは干渉度合いがかなり低く、多少は魔力消費量が増えても多分魔術回路が破損したりはしないだろうと思われるのもあった。だが、長期的な利用を考えると完全に干渉しない組み合わせの方が良いだろう。


「じゃあ、この二つを暫くずっと起動しっぱなしにして何か問題が起きないか確認する間に、どっちかに魔力認証を組み込むことによる排除対象からの除外が可能にならないか、頑張ってみようか。

 でも。その前におやつだ!!」

 半日かけて色々と試して疲れたのか、シャルロが伸びをして立ち上がった。


「そういえば、ケレナにでも牧場で羊とか馬とか牛とか、一頭ずつしか通さないような仕組みのゲートがないか一応聞いておいて貰えないか?

 魔力認証を防御結界に直接組み込めなかったら、結界を解除するなら部屋の入り口を一人しか通れないゲートっぽい扉にしたら後ろから誰かがついてはいるのを防げるんじゃないかと思うんだが」

 湯沸かし器を手に取りながらシャルロに頼んでおく。

 魔力認証が上手くいけばそんなゲートは要らないが、ケレナが知り合いの牧場主とかに話を聞く必要があった場合は何日か掛かるかもだからな。


 先に問い合わせだけしておいても損はないだろう。


「一人しか通れないゲートねぇ。

 王宮とかで使えば良さそうだけど、無いってことを考えると作るのが難しいか見た目が微妙かなんじゃない?

 でもまあ、見た目だけだったらお金を掛ければ何とかなるかもだし、一応聞いてみるね~」

 シャルロが頷きながら部屋を出て行った。

 パディン夫人からおやつのケーキを貰いに行くつもりなのだろう。

 いつもながら、あれだけケーキやクッキーを食べて全然太らないし肌も荒れないなんて、あいつの体は一体どういう作りをしているんだろう?





ウィルも太らないですけどねw

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― 新着の感想 ―
どこかのマッドな錬金術師と同じで魔術を使うとカロリーが消費されるんでしょうか
術式による相互干渉は、相性問題もありますからねぇ。 そういう点を解析していくと、新しい回路ができそうではありますが。 (相性の良い回路を合体させて、別の性質を生み出すとか) そこら辺は「発見」した上で…
普通に考えたら内脂肪で寿命がマッハなんだが…まあ精霊パワーでいい感じに害になる分吸い上げ取るんやろうな…羨まし過ぎる…
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