ちゃんと向き合うことは大事だと思った
いつも読んでくれてありがとう(・x・)
「・・・・天地さん」
「は、はい。何かごめんなさい!」
「いえ、それはいいんです。それで・・・あの、家に誘ってくれるんですか?」
「!?!?」
パニックです。現在俺の頭の中はパニックです。
怒られるかと思いきや、まさかの・・・。
動物園デートの帰り道、この後の予定に悩んでいた。
アイビーが「困った時に」と残してくれたメモの内容は散々だった。
しかも、それをソラールさんが読んでしまったんだよね・・・。
「ふふ、いつもの天地さんと違う反応ですね」
「あ、いや・・・」
「天地さんが誘ってくれたら行こうと思ったんですけど、何だか困らせちゃたみたいなので今日は帰りますね。デート、楽しかったですよ」
「・・・うん、俺も楽しかった」
「良かった。また誘ってくださいね。今度はちゃんと家まで・・なんてね」
ソラールさんは小悪魔的な笑顔を残して帰っていった。
いや、女神に小悪魔ってどうなのよってのはナシね。
ソラールさんが見えなくなるまで見送った後、俺も歩き出した。
自分のヘタレ具合に嫌気がさして髪の毛をグシャグシャとかきながら。
あ~もう!自分が嫌いになるよまったく。
ソラールさんは恥ずかしがり屋でとても初心だ。
多分、今日のデートだって頑張ってくれてたと思う。
さっきのやり取りなんて尚更だ。彼女は凄く頑張ってくれたと思う。
それに対して言葉が詰まったまま返事が出来ないなんて。
ハーレム生活とか言ってる場合かよ!
一人の女性とちゃんと向き合えないのに何言ってんだ俺は。
「あ゛~~~~ クソッ!!!」
もし、あのままソラールさんを家に迎い入れたらどうなったんだろう。
ソラールさんは可愛い。保護欲を誘う雰囲気も相まってさらに可愛く見える。
今日のソラールさんの態度を見れば、俺に対する気持ちも何となく分かる。
それに応える事は出来たのだろうか・・・。
無計画に無秩序に周りに対して好意を振りまき、いざ相手が向き合ってくれると逃げてしまう。自分でも最低な男だと思う。
だったら少しでもマシな男にならないと・・・。
自分と向き合って、相手の気持ちとも向き合って・・・。
せっかく新しい人生をもらったんだ。少しは成長しないといけない。
そのためにまずは・・・。
どこだ
どこにいる
まだそう遠くには行っていないはず
「ソラールさん!!」
「・・・え? 天地さん」
街中で大きな声を出してしまったので周りから注目されている。
ちょっと冷静になると恥ずかしい。
俺はソラールさんの手を取って人が少なめな場所を探した。
「ソラールさん急にごめんね」
「い、いえ。どうかしましたか?」
「うん。ちゃんと話をしておこうと思って」
大きな声で呼ばれたのが恥ずかしいのか手を繋いだ事が恥ずかしいのか分からないけど、ソラールさんの顔は真っ赤だった。
目が少し赤いのは気のせいだろうか。
もし泣かせたのだったら、俺は本当に馬鹿だ。
「ソラールさん、今日は本当にありがとう。楽しかったよ。後、本当にごめん。普段から調子のいい事ばかり言ってるのに、いざとなると逃げてしまってごめん」
「天地さん・・・」
「俺は・・・俺はフェアーさんが大好きなんだ。そこは間違いなく。でも、ペコ・・・えぇとアルリーナか、彼女が向けてくれる好意も嬉しい。それに今日頑張ってくれたソラールさんも・・・ソラールさんの事も正直言って好きだ。 言ってる事が最低なのは分かってるんだけどね。でもそこを誤魔化してしまうのはもっと最低になってしまうと思うんだ。だから、ちゃんと言っておきたかった」
みんな好き宣言とか頭おかしいよね俺。
でも仕方ないじゃないか、それが俺の本心なんだから。
例え、これで軽蔑されてしまうとしても言っておこうと思ったんだ。
「ふふ。天地さんは前からずっとハーレム宣言してましたもんね」
「あ、いや・・・うん。何かごめん」
「ううん、いいんです。何だか安心しました」
「安心?」
「はい、天地さんがちゃんと向き合ってくれた事に。です。天地さんが言ってたように、アイビーがメモに書いてたように、私はこういった事がちょっと苦手です。だから今日はすごく頑張りました。さっき別れた時はちょっと・・・悲しくなって泣きそうでした。あ、ほんのちょっとですよ? でも、天地さんはこうやって来てくれた。ちゃんと自分と向き合って、ちゃんと私と向き合ってくれた」
目に涙をいっぱいためながらソラールさんは話している。
「私はずっと、ずっと後ろめたい気持ちを天地さんに持っています。私は貴方の人生を終わらせてしまった。私は貴方の将来を奪ってしまった。貴方と顔を合わせるたびに後ろめたい気持ちに襲われます。 でも貴方はいつも笑顔で話しかけてくれて・・・アイビーと一緒に私をからかったり、私の料理を倒れるまで食べてくれたり、仕事のない日にご飯を作ってくれたりしました」
目からこぼれ出た涙を拭いもせずソラールさんは話を続ける。
「どうして私を罵らないのですか?どうして?私は貴方の人生を狂わせてしまったのに・・・。どうして私に優しくしてくれるんですか?この前も今日も楽しくて・・・自分のした事を忘れてしまいそうです。貴方の笑顔を見るたびに辛くて、貴方の笑顔を見るたびに嬉しくて。 さっき、天地さんが追いかけてきてくれた時ハッキリと自分の気持ちが分かりました。いえ、前から分かってたのに押し込めてた気持ちが溢れ出してしまいました」
あぁ、この人はなんて綺麗な顔で微笑んでくれるんだろう。
「私は・・・私も天地さんが好きです」




