↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/55

楽しめればいいんです

参った困ったどうしよう。

天界には東京〇ォーカーなんてありませんよ。

美味しいお店?オシャレなカフェ?何それ美味しいの?そんな状態。

つまり・・・終わった。


「あらあら、ワタルさんパニックになってますね」

「・・・ごめんなさい。俺、何も知らなかったです・・・」

「ではデートは中止でしょうか?私もデートなんてしたことがないので何をしていいのか分かりませんし・・・お店とかもあまり知りません」

「あ~、フェアーさん主導ってのも無理か~。でもデートはします!」







そんなこんなで俺達は家の裏手の泉の前にいます。

シートを広げてまったりしています。

飲み物とお菓子を置きフェアーさんは編み物、俺はボーっと泉を見てる。


いやね、適当に街を歩いて良さそうな店でご飯食べてとか出来たよ?

そんなデートも普通にアリだと思うよ?

でもフェアーさんとの距離は変わらないままだと思うんだ。

だったら無理せず、ゆっくりとした時間を過ごそうかなって思ったわけさ。

初めて会った時もまったりお茶してたしね。


「フェアーさんそれ何を作ってるの?」

「もうすぐ天界も冬ですからね、手袋でも編もうかと思いました」

「ほぉ~ 気が向いたら俺のも作ってほしいなぁ」

「あらあら、今編んでるのがワタルさんの手袋ですよ」


マジで!?

手編みの手袋作ってくれてるの!?

じゃあマフラーなんかも作ってほしいなぁ・・・って、それは贅沢か。


ちなみに、手編みのマフラーを作られるのを「重い」とか言うヤツいるけど、

恋人が作ってくれるのに何が重いのか分からんのだよ。

昔、恋人が作ってくれたマフラーはボロボロになるまで使ったなぁ・・・。

ちょっとチクチクするけどね。それも手編みの味ってやつだ。


「あらあら、次はマフラーですか。チクチクしない素材で編みますね」

「うん、思考を読まれるのにはもう慣れた。作ってくれるなら文句は言いません!」

「ふふふ。慣れたなんて言う人は初めてです」


あぁ、これこれ。

普段の張り付いたような笑顔じゃなくて、この笑顔が見たかった。

ふんわりと、本当に楽しそうに笑うんだよなぁ・・・。

この笑顔が大好きなんだよ俺は。


「あらあら、今日も口説かれてしまいましたね」


別に口説いてるわけじゃなかったけどね。

普通は思考なんて読めないから。でも読まれちゃったんだから仕方ない。

ガンガン口説いてやろうじゃないの!


「ふふふ。何だか久しぶりにワタルさんらしい感じがします」

「俺らしい?」

「ええ、働き始めてからのワタルさんは何処か余裕がない感じでした。その原因のひとつに私の態度があるのは分かってましたが、私は普通に接しているつもりで・・・でも多分ワタルさんから見るとそれは違和感があったんでしょうね」

「普通に・・・か」

「私も自分のことがよく分からないのです。長い時間ひとりでいることに慣れてしまいました。誰かと接するのは仕事の時くらいでしたから。なのでワタルさんが仕事として屋敷に来てる時は無意識のうちに私も仕事として考えてしまっていたのかもしれません」


まだまだフェアーさんのことを理解してなかったなぁ・・・。

少しでも分かったつもりでいた自分が恥ずかしい。

フェアーさんごめんね。俺ももっと成長しないとダメだね。






「さぁて、そろそろお昼にしましょうかね。フェアーさん何が食べたい?」

「何が食べたい・・・ごめんなさい、分からないです」

「ふむ。じゃあ、今まで食べたものの中で一番印象に残っているのは?」

「・・・そうですね・・・ええと・・・・・・」


しばらく考え込んで出た答えはやっぱり「ごめんなさい」だった。

食事を楽しむという事を今までしてこなかったんだろう。

まぁ仕方ない。これから教えていきましょうかね。食べる事の楽しみを。


「んじゃ、何か適当に作りますか。どうせウチにある食材なんて大したもんないし」

「私も手伝いましょうか?」

「ううん、今日は俺が作る。いや・・・やっぱり一緒に作りましょうか」

「はい、分かりました」


俺が作ってフェアーさんに食べてもらおうと思ったけど、それって普段と同じ。

なので一緒に作る楽しみってのを知ってもらうことにした。

誰かと一緒に作るって経験がないみたいだしね。


「えぇっと・・・うん、食材ホントに少ないなウチ」

「あ、ウチに移動して作りますか?」

「ん~それはそれでアリだけど、今日はここで何とかしましょ」


朝晩のご飯はフェアーさんちで作るからね。我が家の食材は寂しいもんだ。

何が作れるかな~。


「フェアーさん、そこのクリームチーズを半分と肉の缶詰をボウルに出して混ぜてもらえますか」

「はい。えっと・・・これとこれですね?分かりました」

「で、俺はこのフランスパンに切れ目を入れて・・・マスタード塗って・・・あ、レタスも・・・」

「ワタルさん出来ました」

「ほいほい、それじゃこれにブラックペッパー振って・・・挟んで・・・はい、完成~」

「簡単なんですね」

「ウチにある食材だとこれが限界ですね。手抜きでごめんなさい」

「いえいえ、誰かと料理するなんて新鮮でしたよ」


って事で手抜きサンドウィッチの出来上がり。

また泉の前に戻って食べることにしましょうかね。


「さぁ、食べましょ」

「はい。いただきます」


うん、手抜きだけどけっこうイケる。フェアーさんは・・・どうかな?

あ・・・いい笑顔じゃないのさ。


「フェアーさん、どう?」

「はい、美味しいです。何ででしょう?こんなに簡単な料理なのに、とっても美味しいです」

「そりゃよかった。やっぱり食事は楽しまないとね」


そう、食事は楽しまないとダメさ。

どうせ毎日食べるんだから楽しんで美味しくいただくのがいい。


「誰かと一緒に作って、誰かと一緒に食べる。フェアーさんはひとつ経験しましたね」

「はい。食事を楽しめるなんて思ってませんでした。ワタルさんのおかげですね」

「これからも色々作って、楽しみましょ」

「はい。またお願いします」


食後はまた泉の前でのんびりと過ごしたよ。

フェアーさんは編み物をして、俺はその様子を見て、時々お喋りをして。

夕方になって帰っていったフェアーさんの顔はいつも以上にニコニコしてた。

少しは楽しんでくれたみたいでよかったな。


今日はまったりと過ごしたけど、次はまた違うことしたいね。

それまでに少し色々なところに足を伸ばさないとなぁ・・・。


さすがに毎回家の裏でデートとかダメだよね。


【手抜きサンドの作り方】

材料

・フランスパン ・クリームチーズ ・コンビーフ1缶

・レタス数枚  ・ブラックペッパー・マスタード

作り方

①コンビーフ1缶をボウルに投入。それと同量のクリームチーズも投入。

 よ~~~く混ぜてブラックペッパーを適量入れ、また少し混ぜる。

②パンに切れ目を入れ、マスタードを塗る。そこにレタスを数枚。

 出来上がった①の具材を挟めば完成。


お手軽なのでお試しあれ(・x・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。