第7話「闘技場」
俺たちが入った時には多くの選手がエントリーをしていてどうやら俺たちは最後の参加者だったらしい。中の様子はというと選手たちが好きに使えるようにと剣や甲冑など数多くの武器が並べられていたが、参加した選手たちはみな何かしらの使い手や戦いを求めるものの集まりなので供えられてい当た武器を使うものなどほとんどいなかった。そして俺たちは初めに渡された番号札とトーナメント表をまずは確認した。
「グラフは何番になった?」
「俺は20番だ。お前は?」
「俺は10番。だからグラフとは別グループだな。」
俺たちは運がよくお互いは別のグループに組み分けられていて対戦するには、お互いが決勝にまでのぼる必要があった。ちなみに番号は1~20番まであって1~10番までのグループと11~20番までのグループで綺麗に分けられていた。
組み合わせはランダムなので俺の対戦相手は5番の人で名前はリガルド奴らしい。グラフの対戦相手は11番の人で名前はカイという名前だ。グラフは最初の組み合わせらしくすぐに名前が呼ばれたので俺はグラフにひとこと頑張ってなと告げて選手用の観戦席に移動した。
「さぁさぁ、今日も始まりましたぁぁぁ!!トーナメントバトル!まず最初の組み合わせ!!エントリーナンバー11番!トーナメントではよく出場しているおなじみのこの選手!カイーーー!!そして、エントリーナンバー20番!!初登場グラフーーー!!!」
「うぉぉぉぉぉ!!」
司会者と観客たちが盛大に盛り上がっていた。俺も載せられるようにテンションが上がった。
それにしても、グラフの相手はおなじみなんだな、意外と控室にいた人たちみんな慣れてそうだから出場したことありそうだな。
「初登場か、せいぜい楽しませてくれよ。」
「あぁ。よろしくな。」
グラフの初戦の相手は身長は俺と同じ173センチくらいで、体格は一般的そして武器は特には持っていない。ちなみにグラフはすでに表象で作り出した刀を持っている。
「それではぁーー!はじめ!!」
開始の合図と同時に動いたのはカイの方だ。カイは開幕早々権能を発動した。カイの能力は火というらしく、その名の通り火属性の能力だ。これを用いて手の拳からちょうど体を覆いつくせるほどの火を一直線に放った。グラフかこれに対処するために刀を両手で握り頭の上から綺麗に振り下ろし一刀両断した。カイはこれが想定内だったらしくこの攻撃をグラフが凌いでいる間にさらに能力を用いて火鎧という自信の得意技を発動していた。これは火を鎧のように体に纏い自身に触れるものすべてを燃やす技である。
「これを発動したら俺にその刀は通用しないぜ。燃やすだけじゃなくしっかりと鎧としての頑丈さも持ち合わせてるからな!」
こう言いながらグラフに襲い掛かる火力は凄まじく強度も申し分ない。グラフの刀を殴っても自身に傷はつくことなくグラフは受け止めれてはいるものの、刀にダメージが蓄積する。距離をとってもカイは再び拳から火を飛ばす。グラフはその火を今度は切らず大きく後ろに飛んでステージの端近くまで行って避難する。
「なるほど。少し厄介だな。」
そう言ったグラフだが表情には全く焦りがない。それと同時にグラフも自身の能力を発動した。自分の指で刀身をなぞるように重ね書きをした。そして自身の刀が変化する。まるで刀身が静かにかつ太陽の光を反射させながら揺らぐ海底のように青く光る。
「なんだ!それは!」
「お前が火を纏うなら俺は刀に水を流したまでだ。」
グラフも試したことはなかったが、前回のスパイダーとの戦いで刀の先で火を書いたときに考えていた。そしてリーブルの権能の引き出しの多さからも、もっとできることがあると。だから確信に近い考えで実験してみたのだ。そして成功した。
自分の権能をさらに深く理解し覚醒率も少しだけ上がる。今までよりも強い状態で身体強化を発動。もちろんカイも同様に身体強化をしている。
「ただの水で火を防いだところで鎧の強度は変わらん!刀ごと叩き折ってやるよ!!」
「どうかな。」
二人の全力の一撃がぶつかる。カイは火の火力を上げ防御にも攻撃にも使わない部分の火力まで攻撃に回し全力で殴る。足の部分の火力を減らし、右ひじから拳を加速するように火を噴射して。グラフは逆に驚くほど静かな刀を再び両手で振り下ろす。
二人の衝突に音はなく決着がつく。
カイの鎧が一瞬で真っ二つに割れるように沈下する。そしてカイは倒れる。
「なっなんとぉぉ!!勝者!!グラフーーーーー!」
司会者が第一試合からの二人の熱い試合に驚きながら反応して第一試合はものすごい歓声とともに幕を閉じた。
「お疲れ!グラフ」
「あぁ。なかなか面白い相手だったなこのレベルが何人もいるのか?最も外側の都市でこの盛り上がりとなると王都の大会はどんだけすごいレベルなんだろうな。」
「まったくだな。でもグラフももうすでに注目され始めてるぞ」
どうやらグラフの対戦相手は毎回準決勝には出てきているレベルらしく今回も優勝候補として結構な数の観客はカイに金をかけていたらしい。
説明していなかったがこの闘技場では、任意ではあるが優勝の選手をかけて賭博が発生していたり、一試合ごとですら賭博が起きている。ちなみに俺もさっきの試合で賭博のルールを知ってグラフに持ち金全部かけといたのである。
本当に勝ってくれてよかった、。
「あぁ。らしいなさっきからほかの参加者からの視線を感じる。」
そしてスタジアムを整備した後、すぐに第二試合が始まった。第二試合は1番の選手トール対8番の選手ショートという二人の対決であった。この二人の試合は権能の応酬でであったトールは質量という能力を使いショートは射撃という能力を使う。トールは小さな玉?の様なものや控室にあった武器なんかを大量に投げる。そして物自体の重さを変化させショートを押しつぶすような目的の攻撃、たいしてショートは自分の体のどの部分からでもエネルギーの塊?の様な弾を発射する。だが威力や手数の差が出ており勝負はショートの権能が圧倒する形で勝敗がついた。おそらくトールの方はまだ自身の権能が発現したばかりで単調な攻撃しかったのだろう。
続く第三、四と試合が決着が進んでいった。
そして、おそらく今日一番の注目株の選手が入場してきた。
「さぁ!!皆さんお待ちかねぇぇ!!!前回大会の優勝者ぁぁ!エントリーナンバー7番!!フォース選手!!!」
この選手の登場とともに観客が立ち上がりながら声を上げて歓迎する。
そしてフォースが対戦相手のハリを圧倒して一瞬で勝敗がつく。ただ驚いたのはフォースは何も権能を使っていないように見えた。ただ身体強化と自分の格闘におけるレベルだけで相手の権能を意に介さずに倒した。
フォースのレベルは俺の熟達級よりも高い熟練級に到達していた。そのレベルは身体強化さえあれば覚醒率が多少劣っていようが勝つことができる領域。経験と鍛錬の成果である。
そしてすぐに一回戦最後のリーブルの試合が始まった。
次回はいよいよリーブルの試合です。次は月曜日か水曜日の20時に上げますね!
それではまた。




