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UNMAPPED  作者: オールライト


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5/12

第5話「新たな世界」

 「すげぇな、グラフのやつ」

  俺ももっと強くならねぇとな。

 「エッジも始めたらしいし。お前もかかってこい。黒髪」

 「黒髪ばっかりうるせぇな。俺の名はリーヴルだ」

 「そうか。黒髪早く来い」

 舐めやがって。

 俺はあえて挑発に乗った。敵の出方を見た方がいいのは分かっている。

  ……まぁ正直めんどくさいからだ。 さっさと終わらせよう。

 俺は先ほどと同じように空間(エスパス)で足元の空間を固める。そして自身にかかる空気抵抗を最大限まで減らし一気に加速した。”ラピッド” 俺は”身体強化”をもちろん使ってシルクへ殴りかかる。

 だけど。

 シルクも糸(スレッド)を使い、地面に粘着性のある糸を 張り巡らせていた。足を取られてしまい俺はほんの一瞬だけ動きが鈍る。

 その隙をシルクは見逃さなかった。俺の拳を受け止めそのまま流れるよう逆に殴り返してきた。

 シルクも”身体強化”をしていて全力の拳が俺の頬のすぐ横を通り過ぎ強烈な風圧を感じる。俺はその拳を空間曲折によって逸らしていた。そしてすかさず後ろにジャンプして距離を取る。

(今の拳は当たっていたらさすがに危なかった。むやみに突撃するもんじゃないね)

 「今のを凌ぐとは……次は俺からだ」

 どうやらシルクも全力の拳を俺の空間曲折に簡単に外させられたのが想定外だったらしく少し顔が強張っていた。そして今度はあてるといわんばかりに猛烈な勢いで一気に距離を詰めてくる。

 「来い!」

 俺は自分が油断していたことを認めて気合いを入れ直すために声を出して迎えた。今度は手加減しない。俺の覚醒率は15%今出せる力を全部出す。

 ”身体強化”

 距離を詰めながら指先をこちらに向けて糸を放つ。おそらく先ほどと同様に粘着性の糸。ただ今度はちぎれないようにさっきのよりも強度は圧倒的に強く数も三本と多い。

  俺は体を傾けて糸を避けた。

 だが、その糸は俺を狙ったものではなかった。避けられた糸がさらに奥にある倒れた部下の剣へと糸が3つともそれぞれ違う方向に伸びる。 シルクは拳を閉じて殴る構えをとった。それと同時に糸を自分の方向に引き後ろから糸によって引き寄せられるように倒れてる部下三人の剣が飛んでくる。そして、正面からはシルク自身の拳が迫り前後からの挟み撃ちだ。

 俺は素直に感心した考えたなと。 だが、俺ももう油断しない。”空間圧縮”その名の通り空間(エスパス)の能力を使いそれぞれ別方向に延びた糸を視認し圧縮してつぶす。シルクは確実にちぎれないように全力まで強度を高めていた糸を潰され動揺しているはずだが冷静に拳を俺めがけて振り抜きに来る。だが俺は続けて”絶空”を発動した。この技は空間に層を作り拳との間に隔たりを生み出す。今の俺でもこれくらいの攻撃なら、防げる。

 「何ッ!?」

  全てを完璧に対処されたシルクはここで初めて動揺した。その一瞬を俺は逃さなかった。 俺は今できる極限まで身体強化を高めながらシルクの拳ごとその顔面を殴る。

  「ぐあッッ」

 拳が砕ける音とともに地面に叩きつけた。

 決着がついたのを見てグラフが話し始める。

 「終わったな。やるな、リーヴル」

 「お前もな。避けながら書くなんて、すげぇよ」

 「慣れだ」

 やっぱりこのイケメンはむかつくくらいハイスペックだ。……まぁ、それはいつものことか。

 「本はどこだ?」

 「もう回収した。奥に保管されていた」

 仕事早。

 「じゃあ帰るか」

 「あぁ。」


――――――――――


 カランカラン。

  「ただいま、マスター」

 「もう戻ったのか!?二人とも!」

 「マスター、本取り返してきてやったぞ」

  「ありがとう」

  俺は二人のやり取りを聞きながら密かに思っていた。読みたいと。俺は欲望にまっすぐなので聞いてみた。

 「なぁマスター。これ、ちょっとだけ読んでもいいか?」

 「リーヴル、グラフ。その本、お前たちにやるよ」

 「えぇ!?」

 思わぬ返答が帰ってきた。嬉しい半面疑問も湧いた。

  「元々考えてたんだ。情報で金を得るのは危険が付きまといすぎる。俺は強くない。だから、時が来たらやめようと思ってた」

 「確かにな」

 思うところがあったのかグラフが直ぐに相槌を打った。

 「そう。そしてこんなことが起きてお前らが取り戻してくれた。だからいいタイミングだと思ってな貰っていってくれ」

  「分かった」

 「俺としては、本が好きだからありがたく貰っておく!!」

  「あぁ頼んだ。二人とも今日はもう遅い。良かったら泊まっていけ」

 確かに。風呂も入りたいしな。

  「ありがたく言葉に甘えるぜ、おっちゃん!」

 「マスター、ありがとう」

新しい本も読めるし色々あったけど……今日はいい日だな。にしても疲れたけど。


――――――――――


  あー、よく寝た。

 「おはよう、おっちゃん」

 「おはよう、リーヴル」

 「グラフのやつは?」

 「あいつは外で風景を眺めながら、絵を描いてるよ」

 「そうか」

  本当に絵を描くの好きだよな。しかも、めちゃくちゃ上手いし

 「飯を作ってやろう。グラフを呼んで朝食にするか」


――――――――――


  「ところでお前ら次はどこに行くんだ?」

 「なーんも決めてない」

 「だと思った」

 知ってたよ。といわんばかりにグラフが相槌を打つ。

 「そうか。ならお前ら。七大国に行くっていうのはどうだ?」

 七大国?確かあの偉大な冒険者の本のほとんどの舞台がそこだったな。

 「あそこなら一つ一つの国がめちゃくちゃでかい。だから、本も探せばいくつか見つかるはずだぞ」

 「本当か!? ならグラフ。そこに行くぞ!」

 「七大国か。俺もまだ行ったことはないし見たこともない景色がありそうだからいいだろう」

  「なら決まりだな! ところで、一番近いのはどこなんだ?」

  「ここからだと北に進んだ先にあるフランマ王国だ」

 「フランマ王国か」

次はそこで新たな本を 探すか!

  「グラフ、そこでいいか?」

 「あぁ、任せる」

 「なら決定だな! ありがとな、マスター!」

 じゃあ、早速出発するか!

 「行ってくるぜ、マスター!」

 「あぁ、気をつけてな。」

 

――――――――――


 マスターの話によると、七大国のひとつ。フランマは結構な距離があるらしい。急ぐ理由もないしゆっくり数日かけていくか。

  「グラフはフランマがどういう国か知ってるか?」

 「俺は、あまり知らない」

 「そうかぁ。俺も本で読んだ知識しかないが……」

 本で読んだのはフランマという国はこの世界に存在する最も大きい7つの国のうちの一つだということ。気温が高く、比較的過ごしやすいエルノアとは比べ物にならないらしい。そういう理由もあってか国の武力は高く、闘技場なんかもあるらしい。

  まぁ俺は本が目的だから特に興味もないけどね。とりあえず本を探すことが第一優先だな!



次回は今週の金曜日20時に上げようと思います。

間に合えばなんですけどね。

遅くても土曜日までには上げるので読みに来てくださいね。(読まれないとモチベに、、、)

では次回は七大国フランマ編です!

では!

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― 新着の感想 ―
リーヴルの純粋でまっすぐな知的好奇心や行動力がとても魅力的で自然と応援したくなりました。 謎に包まれた古い本や七大国、そしてまだ見ぬ絶景「マグヌスカーテン」など、冒険心をくすぐられるロマンあふれる世界…
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