感じ悪い!
先生「はーい席について。今日は転校生を紹介するよ。」
教室から先生の落ち着いた声が聞こえてくる。
僕は廊下でしゃがみ込む。
コミュ障に自己紹介を求めてはいけないんだよ先生ガチでやだもう本当に
人間怖いやだやだやだやだ(
僕は心の中で駄々をこねながらゆっくりとドアに手をかける。
ガラッ
僕はクラスメイトの顔を見たくなくて、教室の床を見つめながら歩く。
先生「はい自己紹介してー。」
これは陰キャへの嫌がらせだと捉えてもいいですか???
ゆか「、、あ、、え、、と、、」
ふと前を向くと1人の男の子と目があってしまう。
僕は慌てて顔をそらしてから自己紹介を続ける。
ゆか「、、えと、、ずんだ高校から来ました、、し、白崎、ゆかです、、、」
だんだんフェードアウトしていく自分の声に恥じらいを感じる。
あー死んだ!!!!!!黒歴史確定!!!!!
これから僕の名前はフェードアウト女ですよ!!!!
心のなかでは騒げる。口には出せないところが僕の悪いところだ。
先生「白崎さんねー。はい。じゃあ、、浅木のとなりね。」
浅木って誰だよッッッッッ
すると1人の男の子が挙手をする。
さっき目があった子だった。
ふざけんなまじで目あった人だって認知されちまうじゃねぇかこの野郎
僕は心のなかで騒ぎ散らかしながらゆっくりと自分の席に近づいて座る。
浅木「、、、」
浅木とやらは僕のことをまじまじと見つめる。
やめてよ今日朝からお好み焼き食べたから青のり歯に付いてるとかだったら死ぬ
ゆか「えと、、ゆ、ゆかって言います、、よろしくね、、??」
僕は首を傾げながら浅木って人に話しかける。
陰キャ激コミュ障から話しかけてやったんだぞ?!
予想以上の返答が帰ってこなかったらこいつと二度とかかわらないことにしよう(
浅木「、、、おまえ、どこかで会ったか?」
ゆか「、、へ?」
ガチで予想以上の返答が返ってきたんだけどなにごと
僕はこいつと金輪際かかわらない予定で話しかけたんだけど。
ゆか「、、ひ、人違いじゃないかなぁ、、あはは、、」
僕が愛想笑いをすると、「ふーん。」と興味のなさそうな相槌を打つ。
こいつがちでなんなの
僕はそんな気持ちを必死に抑えてただ愛想笑いを続ける。
浅木「、、、それ、どっかで見かけたことあんだけど。」
そう言って浅木って名前の人は僕の髪飾りに触れる。
こいつってもしかして無自覚たらし??
ゆか「あー、、これ、、えと、、し、知り合いからもらったんだ、、」
僕はどう接していいかわからずただへらへらと笑っていることしかできなかった。
浅木「、、あっそ。」
そう言ってゆっくり手を離す。
先生「浅木学校案内もしてやれよー」
は?聞いてない1人で回れるし(
浅木「はいはーい。」
そういって浅木は立ち上がり、僕の方を向く。
浅木「いくぞ」
ゆか「あ、うん、!!」
僕は慌てて立ち上がり、後を追う。
ゆか「、、、、、」
浅木「ここが職員室で、ここが保健室、、」
淡々と教室紹介をするこいつに僕は少し不安を抱いていた。
これから僕はどうなってしまうのか。
そんな不安が僕に襲いかかる。
すると突然、大量の足音が遠くから聞こえてくる。
何の音だろうと後ろを振り向くと、浅木は露骨に嫌そうな顔をしていた。
しばらくすると大量の女子が浅木のもとに押しかけてくる。
後輩の女子「浅木先輩っ、、!!今日もかっこいいですねっ、!!」
隣のクラスの女子「浅木くんっ、!!今日一緒にお弁当食べないっ、??」
女の先輩「浅木くん、ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど、、」
ゆか「うわ、」
人間が大の苦手な僕は大量に押しかけてくる女子の波に逆らいながら
人混みを抜ける。すると、浅木が口を開く。
浅木「、、悪い。俺、今転校生に学校案内してんだ。」
頭を掻きながら嫌そうに話した浅木の周りの女子は、
一瞬時が止まったとおもうと、すぐにさっきよりも大きな黄色い歓声が耳に響く。
後輩女子「学校案内してあげてる浅木先輩かっこいい!!!」
女の先輩「私が代わりにやっておいてあげようか??」
隣のクラスの女子「てゆーか転校生来てたの?!どこにいるの?!」
同級生らしき女の子が浅木に問うと、浅木はゆっくりと僕を指差す。
その瞬間、僕は死を察した。
100人近い女子全員がこちらに視線を向ける。
僕は恥ずかしくて死にそうになった。今どうやって死のうか考えている。
しばらくすると女子同士がヒソヒソと話し始める。
後輩女子「え、、あの人、、?」
隣のクラスの女子「てかあの髪飾り何、、??花、??」
先輩女子「いかにも芋って感じする、、」
聞こえてんぞコラ
僕はこの凍った空気の中180dBの声量でもっと空気を凍らせたほうがいいのか悩む。
浅木はヒソヒソ声が聞こえているのか知らないが、ただじっと僕を見つめていた。
こいつ、、学校で王子様やってんのかよ。
こんな幸薄そうな顔で??みんなの憧れ王子様キャラ??
浅木が100人近くの女を気にもとめず僕の腕を強く引っ張った。
まって幸薄そうって思ってたのバレた??
僕はそんな焦りを抱えながらされるがままに腕を引っ張られる。
後ろから女子のキャーキャーした叫び声が聞こえるが、気にしたら負けだと思って
とりあえず殺されないようにどうやって言い訳をしようか考えることにした。
浅木に引っ張られたまま何処かにつれてこられたと思うと、そこは屋上だった。
浅木が屋上の重い扉をゆっくりと開けると、金木犀の匂いがふわっと香る。
僕はこの匂いが大好きだ。
昔付き合ってた人がくれた香水。
もう使い切ってしまったけれど、容器もとても可愛くて、今も小物入れに使っている。
、、最低な別れ方をしたけれど。
ゆか「えと、、どう、して、??」
僕は浅木がどうしてここへ連れてきたのかがわからず、首を傾げて聞く。
すると浅木は少し間を開けてから口を開いた。
浅木「、、あいつら。毎日毎日俺に駆け寄ってきて、めんどくさいから。」
ゆか「、、でも、あの中に可愛い人とか、結構いたけど、、」
浅木「、、興味ない。」
そう言って浅木は僕に背を向ける。
浅木「アイツら大人しくなっただろう。戻るぞ。」
浅木はゆっくり歩き始める。
僕はそれを追いかけるようにしてついて行った。
昼休み、僕は金木犀のいい香りがする屋上で1人寂しくご飯を食べていた。
すると屋上のドアがゆっくりと開く。
浅木「、、先客じゃん。」
僕を見てそう呟いた浅木に会釈すると、浅木は少し戸惑ったように会釈を返す。
そして僕に近づき、隣に座ってお弁当を食べ始める。
何も話さず、ただ黙々とご飯を食べる。
僕はこの沈黙が怖くて恐る恐る話しかける。
ゆか「お弁当、、手作り、??美味しそうだね。」
コミュ障の僕は下手な笑顔を作りながら話しかけると、浅木はこちらを向いた後、
お弁当に向き直る。
完全に無視されたと思って勝手に落ち込んでいたら、浅木がようやく口を開いた。
浅木「、、母さんの手作り。」
ゆか「あ、、そう、何だ、!!優しいね、お母さん。」
浅木「別に。普通じゃね〜の。」
ゆか「そっ、、、かぁ、」
僕は生まれてから母も父もいなかった。
孤児院で育った僕は、母の手作り弁当を食べたことがなかった。
まぁ6年以上過ごした孤児院もなかなかひどいところだったけど、、
浅木の言葉で昔のことを思い出していると、突然携帯の着信音がなる。
浅木は携帯を見て顔をしかめてから、少し離れた場所で電話をし始める。
浅木「〜〜はァ?なんで知ってんだよ。
〜〜〜〜はあ、わかった。今日の放課後連れて来る。」
そう言って浅木は電話を切ってこちらを見る。
何だよ怖ぇんだよ
浅木「、、お前、今日の放課後空いてる?」
突然聞かれて少し驚くが、ゆっくりと頷く。
浅木「、、母さんがお前に会いたがってんだけど。放課後俺の家来れる?」
ゆか「、、は?」
え、なんで浅木のお母さんは僕のこと知ってるの?
てか初対面で家誘う????はぁ??????
僕は大量の疑問で頭が爆発しそうになる。
やばいどこぞのボムガールになっちまう(
ゆか「あ、、、う、うん、、いい、よ、、」
断れなかったァ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!(突然の実況)
浅木「じゃあ放課後な。」
そう言って浅木は先に屋上から出て行ってしまった。
なんだあいつ。




