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キラービー:違和感

 詳細をベーグルと詰める為に椅子に腰かけると、腿裏に激しい痛みが走る。

 そう言えば蜂に刺されたんだった。


 大丈夫と思いつつ、ネットでミツバチに刺された場合の対処法を見てゾッとする。

 ミツバチはたいして毒は無いと思っていたのだが、セイヨウミツバチは毒の強さだけはスズメバチ並みなのだとか。

 あれはどっちだんたんだろう・・・?


 ともかく毒針の除去やアイシング等にしばし集中する。

 パンツ姿で鏡に尻を向けて患部を確認する様は、決して人には見られたくない姿だ。


 幸い、しばらく様子を見ても呼吸困難等のショック症状は表れなかったが、今後は気を付けないと。

 あらためて調べてみると『ミツバチは大人しいし毒も弱い』というオレの認識は、ニホンミツバチのものらしい。

 セイヨウミツバチは、巣を守る為なら攻撃もするし、毒性は先の通り。

 ただ、写真を見ても、あれがどっちだったかは分からなかった。

 そもそも必死だったので姿そのものも、あまり覚えていない。

 ただ・・・


「あの蜂は普通じゃないよな」

 少し落ち着いた所で、ベーグルとの対話を再開した。

 セイヨウミツバチなら楽観できないことを調べつつも、公園の、あんな開けた花壇周辺に巣があるとも思えない。

 さすがにあの攻撃性は異常だ。


「おそらく ネイム 影響」

 とベーグル。


「しかしネイムは蜂にも影響するのか?昆虫も感情なんてあるの?」

 なんとなくネイムは、ある程度高度な知的生命体の感情に反応するというイメージがあったからだ。

「ある 防衛 本能」

 そうか。外敵に対する攻撃性はネガティブ感情だ。それが増長されれば、ああなるというのは納得がいく。

 しかし、ベーグルはその後で気になることを続けた。


「ただ 変 いくつか」

「ほう」

 それはオレもなんとなく感じていたことだが、その違和感を上手く整理、言語化出来ていないところだった。

 そこで、それに対して何度かベーグルとやり取りをする。


 その内容をまとめるとこうだ。

 まず違和感のある点は3つある。

 一つは、やはり、巣があるとは思えない場所での攻撃性。

 一つは、公園を出たら攻撃性が嘘のように消えていたこと。リュックに止まっていた蜂は、そのまま飛び去って行った。

 最後はフェロモン。蜂は攻撃フェロモンを出す。仮に数匹の蜂の攻撃性が消えたとしても他の蜂が来る。公園を出たとたんに全く寄ってこなかったのは異様だ。


 それらをまとめると、一つの仮説が生まれた。

 あの蜂は、何者かの命令によって、巣ではなく公園そのものを守るような行動を取っていると。


「その何者って・・・」

 ベーグルの答えはこうだ。


「おそらく 人間」


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