空戦の歴史
歴史です
ゼア統一戦争の末期、偵察と連絡に使われていた航空機が急速に軍事転用された。
最初期の軍用飛行士には、騎兵将校、貴族、決闘者が多かった。
彼らは地上で身につけた名乗りと一騎討ちの作法を、そのまま空へ持ち込んだ。
航空機が新兵器だった時代に、操縦者だけは古い戦士の価値観を背負っていたのである。
発達を支えたのは、豊かな金属資源と海水精錬から生まれた産業だった。
高性能合金、耐熱材、精密加工、動力機関が同時に進歩し、ゼアの鎖国が終わる頃には、二重反転プロペラ機とジェット超音速機が相次いで実用化された。
二重反転プロペラは、同じ軸に前後二組のプロペラを置き、互いに逆方向へ回転させる。
強力な発動機の出力を効率よく推力へ変え、機体が一方向へ振られる力も打ち消せる。
構造は複雑だが、精密加工を得意とするこの世界では、艦上戦闘機を含む多くの高速機に採用された。
高速戦闘機は、空中戦だけでなく対地・対艦攻撃にも使われた。
爆弾、魚雷、対艦ロケットを積む戦闘機と空母攻撃機が発達した一方、巨大な専用爆撃機は主役にならなかった。
遠方へ大量の爆弾を運ぶ思想より、空母から発進した高速機が目標を確認して攻撃する思想が優勢だったためである。
電波環境が悪くても、レーダーが使われなかったわけではない。
遠距離では複数の観測結果から敵編隊の方向と規模を推定し、近距離では火器管制レーダーが機銃、対空砲、無誘導ロケットの見越し射撃を助けた。
赤外線捜索追尾装置であるIRSTや早期警戒機も発達したが、いずれも単独で戦場を確定する装置ではなく、飛行士を目標まで導く補助として扱われた。
こうして航空機は、高度な工業製品でありながら、最後の識別と攻撃を人間に委ねる兵器として発達した。
機体が新しくなるほど古い決闘文化が目立つという、この世界独特の航空戦が形作られていった。
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現在も飛行士たちが「航空騎士道法」と呼ぶものは、単一の現行法ではない。
その起源は、航空機が軍事利用される以前のゼア鎖国期にある。
諸侯、騎兵、貴族将校、決闘者の間で、相手の名と所属を確かめ、降伏者や武器を失った者を追撃せず、勝敗と違反を記録する慣習が守られていた。
ゼア統一戦争末期に航空機が軍事転用されると、最初の飛行士となった騎兵将校や決闘者が、その作法を空へ持ち込んだ。
名乗りは名誉だけでなく、所属、交戦意思、降伏、救難信号を結びつける識別手段にもなった。
国際連合の成立時、各国で異なっていた航空戦の慣習は「航空騎士道法」として明文化され、正式な国際法になった。
当時の法は、機体と戦闘員の識別、脱出者、降伏者、捕虜、負傷者、救難者の保護、救難機や民間機への攻撃禁止、撃墜と救助の記録義務、決闘の成立条件までを同じ体系に含んでいた。
レイ第1領の独立からレーダーの発達期にかけて、航空機同士の近距離戦を前提とした旧法だけでは、地上部隊、艦隊、複数国軍、長距離兵器を含む戦場を扱えなくなった。
このため、強制力を持つ保護、識別、責任の条項は通常戦闘規定へ統合され、航空戦固有の実務は空戦規定へ分離された。
通常戦闘規定は、すべての戦闘員に適用される軍事上の義務である。
敵味方と民間人の識別、降伏者、負傷者、捕虜、脱出者の保護、誤射の防止、禁止兵器、指揮命令系統などを定める。
違反すれば軍法上の処罰を受ける。
空戦規定は、航空戦固有の実務を扱う。
識別前の攻撃禁止、交戦空域、離脱境界、追撃条件、燃料や損傷による帰投基準、僚機救援の優先順位、一騎討ちを受けてよい条件などが含まれる。
Z包囲戦争直前、弾道ミサイルと電子識別の台頭によって、航空騎士道法は独立した法として形骸化していた。
法的義務として残るのは、機体番号、所属部隊、国籍や交戦主体を識別できる情報の提示である。
個人名、コールサイン、声紋を含む名乗りは任意であり、名乗らなくても捕虜、脱出者、救難者としての保護は失わない。
それでも、多くの飛行士は旧法の精神が一般規定へ吸収されたことを受け入れきれていない。
名乗り、決闘、第三者介入の自粛、相手の技量と勝敗の記録を守り、旧法由来の名誉慣習を現在も「航空騎士道法」と呼んでいる。
個人名を示す名乗りには、法的義務とは別に、身元と信号の照合を早め、現場での相互信用を作る実務的な価値もある。
規則が衝突した場合は、通常戦闘規定、適法な作戦命令、空戦規定、旧航空騎士道法由来の慣習、個人的な約束や感情の順に優先される。
通常戦闘規定に反する命令には、照会、拒否、違反記録の義務がある。
決闘中でも、艦隊防衛、僚機の危機、帰投命令、敵増援があれば中止できる。
騎士道を理由に命令違反を正当化することはできない。
高名な飛行士は国際的な名鑑へ登録される。
氏名、所属、コールサイン、機体標章、声紋、戦績、二つ名、決闘記録。
名声は栄誉であると同時に、敵エースを引きつけ、味方の艦隊や輸送機から引き離す戦術資源でもある。
航空騎士道は、戦争を安全にする制度ではない。
それは危険な戦争の中で、誰が戦い、誰が責任を負い、どこで戦いを止めるかを、人間同士で確かめようとする仕組みである。
まとめ
空戦では決闘がメジャーだよ
幼○戦記のライブラリじみたシステムがあって二つ名もポンポンつけられるよ




