057【パスワード】
〖神暦 3240年 4月 10日〗
日記の筆者『テオ』
場所「完全知識保有戦艦 エル・ヴェルカント・ヴェルトラオム」
バタン!
イヨが扉を乱暴に開く。
「…着きました。」
イヨがパチンと指を鳴らす。
すると、照明がつき、明るくなる。
そこには、正に操舵室だった。
舵を取る総舵輪。
地図、コンパス。
そして、光る板が何枚かあり、よこの壁には外の景色が映し出されている。
「…あの端末です。」
イヨが、総舵輪の右にあるテーブルに浮かぶ魔晶板を指さす。
「はい!」
僕は、叫び、その端末を触る。
すると、1234567890と、数字が現れた。。
123
456
789
0
と、並んでいる。
「なんだこれ?」
僕が呟くすると、イヨが「パスワードです!」と言った。
パスワード?
そんなん知らないよ。
「え、なに?」
「わたくしでも知りません。」
イヨが言った。
1234
試しに入れてみた。
ブッ
画面が赤く点滅した。
ダメだった。
けど、四文字だということは解った。
4567
ブッ
2645
ブッ
…適当はダメだ。
…う~ん。
あ、誕生日!
1107
十一月七日。
僕の誕生日だ。
ブッ
ダメだった。
『攻撃プログラム[須臾]発動まであと10分』
電子音がなる。
その音が、僕を焦らす。
…なんかないか?
「…マスター、何かないの? 司書なんでしょ? 心当たりは?」
リリーが心配そうな目でこちらを見つめる。
…パスワード、司書、ベルカント、ヴェルトラオム…
「アリスって、誕生日十一月八日だよね?」
僕は、アリスの方をむく。
実は、僕は11月7日の夜中12時に生まれたのだが、アリスは11月8日の0時一分に産まれた…らしい。
1108
ダメもとでその数字を入力する。
ピコン
画面が緑色に光る。
…マジか。
「と、解けた!」
僕は思わず声を上げ、アリスに抱き着いた。
「ちょ、おにいちゃん。」
「あぁ、ごめん、でも嬉しくって。」
僕は振り向き、端末画面を覗く。
…なんだこの文字は。
ミミズのような文字と、クチャとした文字がある。
帝国の標準語の文字とは程遠い、
僕はその文字を、とりあえず、日記に書き込む。
『制御システム』
こう書いてある。
読み方は分からない。
「なにこれ…」
とりあえず、イヨに聞いてみる。
「イヨ、この文字何?」
「…分かりません。 あ、しかし、この図書館を調べればわかるかも…」
「けど、そんな時間は…」
僕が呟く、すると、イヨが少し微笑んだ。
「大丈夫です。 どうにかします。」
イヨが言った瞬間、彼女が地面へと、バタっと倒れ込んだ。
『…外部からの攻撃を確認… ピー、ピー、 警告。 攻撃プログラム制御に異常が発見されました。…一時停止します。 復旧まで、2時間43分。』
「…イヨ?」




