055【戦艦】
〖神暦 3240年 4月 9日〗
日記の筆者『イズ』
場所「完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオム」
想像は、現実になる。
――『魔法理論 その一巻』 より
…なるほど。
私は、もう一ページめくる。
目次か?
1,魔力の種類
2,魔力行使
3,魔法使い
とな。
こんなに分厚い本なのに、たった三章?!
一章に何ページ使われいるのやら…
私は、本棚の上に座り、本を読み始めた。
日記の筆者「テオ」
…[司書]の権限ってなんだ?
「あの…イヨさん? なんで僕が[司書]の権限を持ってんの?」
『…名テオドア=ベルカント は、[司書]の権限を完全に獲得しています。 …完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオムは、形態移行が可能です。』
答えにナットラン!
僕は、心の中で叫ぶ。
「まぁ、その[司書]の権限は、何ができんの?」
『[司書]の権限を持つ者は、ヴェルトラオムへの命令権を持っています。 …完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオム は形態移行が可能です。』
…もう。
さっきから形態移行ってなんなんだ。
「イヨ、形態移行って何?」
僕は、興味本位で尋ねてみた。が、それが間違いだった。
『確認。完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオムは、完全智識保有戦艦 エル・ヴェルカント・ヴ
ェルトラオムへと形態移行します。 …攻撃プログラム[厘]を発動。』
その音と共に、物凄い轟音がとどろいた。
地面が揺れる。
僕は、転びそうなアリスの腕を咄嗟に掴む。
揺れが納まり、恐る恐る目を開けると、そこは、あの図書館ではなかった。
いや、確かに本棚はあるが、飛行船内のような作りになっている。
…まてよ。
「イヨ、この形態の名前は?」
『完全智識保有戦艦 エル・ヴェカント・ヴェルトラオム です。』
戦艦。
戦艦だ。
僕は、その窓を開ける。
すると、奥に高い山脈が見えた。
…バター高原の奥に広がる、セレスタルの山脈だ。
え、
「イヨ、いままでのヴェルトラオムは、どこにあったの?」
『エル・ヴェルカント・ヴェルトラオムを除くヴェルトラオムは、11次元に存在します。』
…つまり、ここは現実ということか?
「じゃ、ここ現実世界?」
『はい。』
なるほど、
僕が考えていると、アリスが僕の肩をつついた。
「なに?」
「あのさ、おにいちゃん、この船、エル・ヴェルカント・ヴェルトラオムっていう名前よ。 ヴェルカント、ベルカントってワタシたちの苗字よ。」
…たしかに。
「たしかに、なんかあんのかな。… イヨ、ヴェルカントってどういう意味?」
『ヴェルカントは、王の苗字です。』
…なんか、ベルカントってエルフの王族の名前ってイズからきいたような…
「あ、じゃぁもしかして僕に[司書]の権限があるのって…いや、違うか。」
エルフの王族の血が入っているのなら、その権限があってもおかしくないと思ったのだが、アリスも[司書]の権限を持っていないとおかしいので、それは違う。
『完了。 攻撃プログラム[厘]の準備が完了しました。 これより攻撃を開始します。』
ドゴォォォォォォ




