054【完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオム】
〖神暦 3240年 4月 10日〗
日記の筆者『イズ』
場所「魔導天界国 ヴェルトラオム」
「完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオム」
リリーが言う。
『確認しました。 魔導天界ヴェルトラオムは、完全智識保管都市エル・アストラ・ヴェルトラオムへと形態移行します。』
刹那、物凄い地響きと共に、高い機械音声のような声がした。
「なに⁈」
私は驚き、外に飛び出す。
すると、そこには物凄い量の本が並んだ本棚があった。
物凄く大量に。
「なんじゃぁこりゃぁ⁈!!!」
テオが叫んだ。
すると、その本棚群がカタカタ音を出し始め、渦を巻き気が付けば、大きな図書館のようになっていた。
地面も石ではなく木でできたフローリング。
空もドームのようになっている。
『館内に[司書]の権限を持つ者を確認しました。 名・テオドア=ベルカント。』
電子音がした。
「え、なになに? 僕⁈」
テオが驚き自分を指さす。
『[司書]の権限を持つ者。 名 テオドア=ベルカント。 その他の[司書]の存在が確認されませんでした。 よって、全権限をテオドア=ベルカントへ移行。 完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオムのシステムを再起動します。 …成功。 これにより、完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオムは全形態への瞬時以降が可能となりました。 …完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオムは形態移行が可能です。』
電子の声が鳴り響く。
「なんか。うん。まぁ、[司書]の権限ってなに?」
テオが呟く。
「知らないわよ。」
私が適当に言葉を返すと、またあの声が聞こえた。
『[司書]の権限とは、この都市内での最高権力者。つまり王を意味します。 …完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオムは形態移行が可能です。』
「ところで、あなたはだれ?」
テオが尋ねる。
『主である魔王の第14人格。 「コードネーム14」です。 イヨとでもお呼びください。 …完全智識保管都市 エル・アストラ・ヴェルトラオムは形態移行が可能です。』
「よくわかんないけどわかったよ。ありがと。」
テオが言う。
…魔王か。
魔は、世界が若かりし頃に存在したとする11人の魔法の天才。
帝国の魔術開発にも大きく貢献したという。
「完全智識保管都市かぁ…」
私は、そこの本を試しに手に取る。
「えーとなになに? 『科学法則・その243565巻』…」
…二十万巻⁈
私は、試しにその本を開く。
「…カオス理論・バタフライ効果 何事においても初期情報が…」
むりむりむりむり。
こんなの…まてよ?
私は、いいことを思いつき、本を探し始めた。
「テオ~ この図書館からの脱出方法考えといて~」
「はぁ、わかったよ。」
よっし。
私は、その高い本棚を魔法で飛び回る。
「あった。 『魔法理論』シリーズはこのあたりなのね。」
ここの本を読破すれば、私は、真の魔法の天才になれるのでは??!!
「『魔法理論 その125363476巻』」
い、いちおくうぅぅぅぅ?????????!!!!!!!!!
ちょっと待て、
私は、そびえ立つ円形の本棚をぐるっとまわり、本を手に取る。
「『魔法理論 1933365470』」
じゅうきゅうおくぅ…
エル・アストラ・ヴェルトラオム、恐るべし。
…とりあえず、一巻から読もう。
私は、この数字は本棚の段数が上に行くほど大きくなることを突き止めた。
「なら…」
私は、下へ降下する。
数十分後
「あった。 一巻。」
私は、やっとの思いで『魔法理論 その1巻』を見つけた。
私は、わくわくした気持ちで一ページ目を開く。
「魔法とは…」
魔法とは、体内魔力、体外魔力を駆使し、[世界]へと助けを求める、言わば祈りのようなものだ。
その祈りを具現化し、祈りの力を倍化する行為、それを詠唱と言う。
[世界]へ祈りが通じることができれば、想像は現実になる。




