052【勝利と就寝】
〖神暦 3240年 4月 10日〗
日記の筆者『テオ』
場所「魔導天界国 ヴェルトラオム」
勝った…
黒い翼のルミエルが、霧のように溶けていった。
バタン
何かが倒れる音がした。
「なに⁈ 敵襲⁈」
僕は、咄嗟に腰の剣に手をかける。
「違うわよ、イズが倒れただけよ。」
リリーが指をさす。
そこには、前のめりに倒れたルミエル…イズの姿があった。
「無理したんだな…」
僕は呟き、イズに近づいた、すると小さな稲妻が生まれ、それがイズの周りを取り囲む。
ジジジ
稲妻が引くと、そこにはいつもの、あの小さなイズの姿があった。
「あ~ 疲れた。 ってか私達勝ったよね。」
「うん。 勝ったよ。」
「よっしゃ。 …というか、もう真夜中…夜が明けてんじゃん。」
イズが呟いた。
…?
空は水色で明るいし、そんな0時なわけ…
「あ~もう。 なんなのよここ。 空が現実時間とリンクしてないじゃない。 体内時計狂っちゃうわよ。」
イズが宙に浮く。
「…テオ~ もう私ムリ~ どっかにテントはって~ さっさと寝るわ~」
イズがパタンと地面に座り込んだ。
「…わかった。 じゃぁリリー。 地面に降ろして。」
「オッケー!」
リリーが手で○を作り、指をパチンと鳴らした。
すると、水のステージが動きエレベーターのように降下していく。
アリスは…
僕は、魔法で作った球体の中にいるアリスのほほをつつく。
「大丈夫?」
すると、アリスがむくっと起き上がった。
「あ~疲れた。 も~むり。 ワタシ寝る~」
「なんかイズと同じこと言うな。」
僕は、クスッと笑った。
「ついたわよ~」
リリーが言った。
すると、水の地面が消え、僕は、バランスを崩してしりもちをついた。
「大丈夫?」
リリーが僕の手を引っ張る。
「大丈夫、 ありがとう。」
僕は、そう言って少し開けた場所にリュックを置いた。
「テントにかわれ~」
僕が右手をかざす。
すると白い煙を上げながら、一瞬にしてそのリュックテントへと変容する。
「とりあえず、入って。」
僕は、みんなをテントの中に入れた。
「え~っと、まぁとりあえず、皆どこで寝る?」
僕は、辺りを見回す。
テントには、何人か寝れるスペースはあるものの、敷布団が無い。
「あ~待って、僕の自室のタンスの奥にあったかも…」
僕は、テントの奥の扉をあけ、自室へワープする。
たしかここに…
…あった
僕は、敷布団を何枚か持って行った。
「はいじゃぁ、置いておくからあとは女性陣の皆様にまかせます。」
僕は、フィルを連れて自室へ歩いて行った。
「は~い、じゃぁおやすみ~」
イズの声が聞こえたので、僕は「おやすみ~」と言葉を返した。
「…フィルの怪我はもう治ったね。」
僕はフィルを見て呟いた。
「あぁ、しっかしあの天使ちょー強かったな。」
「うん。 …けど、どうして白龍とルミエルが現れたんだろう…」
僕は寝間着に着替える。
「複製体なんじゃねぇか?」
フィルが言う。
「まぁルミエルは説明がつくけど、白龍がなぁ…」
そういえばあの小さな龍にも「白龍さま?」って聞かれたな。
「なーんか、僕白龍の因子でも持ってんのかなぁ…」
「も~僕は寝るからね~」
フィルが言い、ソファーの上に寝っ転がった。
「僕も~」
僕も、ベッドに倒れるように寝た。




