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テオとイズの冒険日記  作者: モードー
日記帳二冊目【魔導天界国 ヴェルトラオム】
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53/58

051【 [天より落ちる神の怒り] 】

〖神暦 3240年 4月 9日〗

 日記の筆者『テオ』

 場所「魔導天界国 ヴェルトラオム」



…アリスにルミエルの弱点を伝えたいのだが、アリス本体は眠っているのでどうすれば…


「アリス~聞こえる?」


僕は、上空のガラスの破片の集合体に話しかけた。


《おにいちゃん、聞こえるよ~》


なにか、頭の中に直接声が響いた。


「アリス? どこにいるの?」


僕は、辺りを見回す。


《どこにもいないわ。》


「はい?」


《まぁ、原理はまた今度教えるわ。》


「…わかった。 あ、ていうかルミエルの弱点解ったよ。」


《おぉ、なぁに?》


「あのさ、ルミエルは魔力探知レーダーを使ってない。つまり、視覚に大半を依存しているってこと。」


《…なるほどね。 じゃリリーとイズに引くように伝えて。》


アリスが、つぶやいた瞬間ガラスの破片の動きが変わった。

「リリーとイズ! 一旦引いて!」


僕は、アリスに言われたとおりにした。


「了解了解!」


リリーが刀を魔法か何かで消した。


ジャッ ギィィ


ガラスの動きが変わった。


ガラスが竜巻の様に円を描きルミエルを覆う。


シャァァァァァ


ガラス同士がこすれる音がした。


そのガラスが一種の鑢の様になり、ルミエルに迫る。


「こっわ。」


僕は、自然に声を漏らした。


《おにいちゃん、ワタシの魔法が解けたら、なんか必殺技でも叩き込んで! あ、イズたちにも言っといて。》


「みんな! かくかくしかじかで、なんか必殺技でも叩き込んで!らしいです。」


ジャィィィ… バン


ガラスが霧のように爆散した。


解けた。


「リリー、テオ! ルミエルの動きを止めて!」


イズが叫んだ。


「オッケー!」


僕とリリーの声が被った。


「せーのっ[水の檻(ウォーターカージュ)]!!!」


僕とリリーが声を合わせ、いつもより強い束縛魔法を展開した。


…ギギギ


水の檻がルミエルを捕まえる。


パチン


イズが指を鳴らした。


…すると、イズが白い光に包まれた。


シュゥ


音と共に光が引くと、そこにはイズではない者…すぐ目の前にいるルミエルと全く同じ者がいた。


「久しぶりにこの体になったからね。 少し動きにくいが…」


その者…イズ?が背伸びをした。


「…だれ?」


「なによ、だれって。」


その翼が白いルミエルが、透き通った少し低い声で答える。


「イズよ、イズ。 まぁさておき、やっちゃいましょうか。」


イズがその白く、長く繊細な指を弾き光の粒子を辺りに飛ばす。


「今、この時を持って申請する。 輝く光よ、燃える炎よ、穿つ紫電よ、万物よ、臨天使ルミエルの名の下に、その垣根を取り払い集まれ。」


イズが右腕を振り上げる。


「消えなさい!!![天より落ちる神の怒り(エクレール)]!!!」


ビッ


イズが叫び声と共に、右腕を振り下ろした。


一瞬、一本の黒い直線が、束縛しているルミエルの上空を走った。


ジジジ ドシャァン!!!


一本の大きな雷がルミエルの心臓を背後から貫いた。


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