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テオとイズの冒険日記  作者: モードー
日記帳二冊目【魔導天界国 ヴェルトラオム】
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050【弱点の解明】

〖神暦 3240年 4月 9日〗

 日記の筆者『テオ』

 場所「魔導天界国 ヴェルトラオム」


「…」


ルミエルの背中に刺さった氷の矢を血が滴る。


…その血が氷の矢を覆い、氷の矢を割った。


…その刺さったはずの場所には傷が見当たらない。


「うそでしょ」


僕は呟く、するとフィルが反応した。


「多分、ルミエルは攻撃を食らうこと想定してない。 再生能力はあるけど、ダメージは与えられる。」


…攻撃されることを想定していない?


僕はルミエルに視線を移す。


…リリーの斬撃を翼でさばき、上から降って来るガラスの破片を魔法で防ぎ、イズの雷撃は手から展開される光の盾で防いでいる。


なるほど、攻撃がルミエル(自分)に当たると考えていないのか。

なら…


[水操作ウォーターコントロール]」


僕はリリーの作ったステージを取り囲むように膜をはる。

その膜が球体状に広がる、そして、僕は遥か眼下に有る川、河、溜池、水路に水の道を伸ばした。


「フィル、周りの水の操作は任せて、フィルは僕の水の矢を凍らせて!」

「オッケー!」


僕は、フィルの声と共に、水のドームから矢を出現させた。


シュュピキィ


その多量の矢が、凍る。


ビュン


一斉にルミエルめがけて飛んで行く。


キン キキキン


…防がれた。

僕も注目されているのだろう。


「まだまだ。」


…シュウ ピキィ


ビュン


…シュウ ピキィ


ビュン


「…おいテオ、この水のドームの主導権、僕にかわれ。」


フィル言った。


「…いいよ。」


「よっし」


フィルが呟いた瞬間、ドームが凍った。


「え?」


ダダダダダダ


氷から氷の矢が飛び出し、一つ一つがルミエルめがけて飛ぶ。


「おいテオ、お前はあいつらの援護しとけ。」


フィルが、肉球をイズに向けた。


「オッケー」


僕は、言った。


…氷から氷の矢が出るって、どういう…

僕がそんなことを考えていると、ルミエルの翼が、純白から黒に変わった。

そして、その翼から羽が一本抜け、その羽が高速で飛びリリーの肩を貫いた。


「くっ」


リリーが咄嗟にルミエルから離れる。


「リリー!」


僕は、リリーへ走って駆け寄る。


「なによ、こんくらい痛く…いや、痛いけど、なんともないわ。」


リリーが肩に刺さった羽をビッと抜いた。


「ふぅ」


リリーがまたルミエルに近づき、刀を振り下ろす。


ギン


ルミエルの黒い翼が×に交わり、その中心でリリーの斬撃を受けた。



シュウ


ビュン


僕は、水の矢を放った。


…ルミエルは、一瞬振り向き防御魔法を展開した。


なるほど、


僕は、足音を殺し、ルミエルの背後に近づいた。


そして、腰に刺している剣を引き抜き、振り下ろす。


ギン


防がれた…


僕は、サッとその場から退いた。


けど、分かったことがある。

今、ルミエルは魔力探知を使っていない。


つまり、外部の情報を五感に、それも視力に大きく頼っている。


弱点が分かっただけでも、これは大きいぞ。


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