047【輝天使 ルミエル】
〖神暦 3240年 4月 9日〗
日記の筆者『テオ』
場所「魔導天界国 ヴェルトラオム」
「[星天魔法: 超新星爆発]」
冷静な高い声がした。
…この声は…イズだ!
僕が思った瞬間、辺りが真っ白になった。
物凄い光があたりを覆う。
チチチチ
火花が散った音がした。
ピン キィィ
高い音がした。
爆発音にしては高すぎるが、なぜか僕はこの音を爆発音として処理する。
「待たせたわね。」
その爆発で起こった霧をシュッと割くく音と共に、一人の妖精が現れた。
「〈光雷のイザベラ〉到着よ。」
「イズぅ…」
僕はイズの方を向いた。
「で、あれ何なの?」
僕はあの天使を指さす。
先ほどのイズの魔法でほほに軽いかすり傷がある。
…かすり傷しかない。
そして、その無表情な美しい天使は右手を上にあげる。
「…マスター 逃げるわよ」
いつの間にか背後にいたマリリアが言い僕を含めた4人を水のドームで包み、空へ持ち上げた。
「あれがなになのか? ね。」
イズがその天使を見下ろす。
「輝天使 ルミエルよ。」
その言葉と同時にその天使、ルミエルがこちらへ物凄いスピードで舞い上がってきた。
…あの魔力、何処かで――
ドォォ
大きな音と共に、太陽が弾けたような物凄い光が目に飛び込んできた。
…痛い。
目が開かない。
「なに? 今の?」
僕は目を少しずつあけながら言う。
「多分閃光弾と同じ役割をもった魔法よ。」
アリスが僕の腕をギュッと掴む。
「とりあえず、ほんとに逃げるわ。」
マリリアが僕たちが乗っている水のドームを、有り得ない位の高度まで上げた。
「理論上、魔法でこの高度まで上がってくるのは不可能よ。 じゃぁ作戦を立てましょうか。」
「そうだね。 じゃあ、何でもいいから、あれ、ルミエルの詳細情報を知ってたら、教えて。」
僕が言うと、イズが手を挙げた。
「はい。イズ。」
僕はイズに視線を動かす。
「あれは、私よ。」
は?
「え、どういう…」
「だから、私なのよ。 多分私の複製体。」
「…なんで?全く違…いや。」
僕はルミエルの動きを思い出す。
あの魔力の流れ、目の色、確かにイズに似ている。
「…まって、シリウスって…」
僕はリュックから『赤き星達の追憶記』を取り出し、15ページを開く。
「あった、シリウス。全てを焼き尽くす者。 〈光雷のイザベラ〉の自作魔法だ。」
「ちょっ アンタなんでそれもってんの?!」
イズが恥ずかしそうに叫ぶ。
「だから、僕は〈光雷のイザベラ〉のファンなんだよ。」
「…ふ~ん。」
「まぁ、話を戻して、あれが、イズの複製体というのは解った。 けど、イズって妖精だよね?」
僕は最大の疑問をぶつけた。
「まぁ、一応ね。けど、私には天使の血が流れてるの。 まぁ先祖返りみたいなものよ。 そしてもう一つ。 アレは正確には天使ではないわ。 『臨精霊』と同じ[臨]の称号を得た天使。『臨天使』よ。」




