046【白龍の次の天使】
〖神暦 3240年 4月 9日〗
日記の筆者『テオ』
場所「魔導天界国 ヴェルトラオム」
シュュ
大量の魔方陣から四方八方に放たれた閃光が、その方向を白龍のへと変えた。
その閃光が白龍にぶつかり、その鱗を、体を貫いた。
「まじか。」
僕は呟き、地へと落ちへ行く白龍を眺める。
ドォォン
大きな音と共に砂塵が舞い上がった。
…理解が出来ない。
僕は[冒険家]を発動させ、どうにか理解しようと考える。
「意味わかんない。」
僕は言葉を漏らす。
「どおしたの? お兄ちゃん?」
アリスがこちらを向く。
…なにか、背筋か凍る様な感覚を覚えた。
アリスが少し首をかしげ、オレンジ…いや、真っ赤な瞳がこちらを向く。
ドォォン
アリスの後で大きな爆発が起こった。
「アリスってさ、なんなの?」
「ワタシはアリスだよ?」
「…それは知ってる。」
「ふふっ」
アリスが笑う。
「…どうやって倒したの?」
「白龍を支配して、自分の魔法を自分にぶつけさせたんだよ。」
「…なるほど?」
とりあえず、凄いということは解った。
「まぁ、倒せたし良いか。」
しかし、白龍、少し弱いのでは?
僕はそんなことを思い、白龍が地に落ちた所を見る。
…本体じゃないからかな。
「とりあえず、一件落着!」
僕がため息をついた。
「いやぁ…違うよ。」
アリスが右手に伸びる道の奥を指さす。
そこには、女性が立っていた。
天使の翼を持ち、150cmほどの背丈で、白い肌に、水色の瞳。
白いドレスを身に纏、虚ろな瞳がこちらを伺う。
その天使の様な美しい姿に、僕は息を吞む。
「…あの瞳…何処かで…」
僕が呟いた瞬間。
その天使から、無数の光が放たれた。
「お兄ちゃん、逃げ――」
ーードッゴォォォン!!!!
音がした。
…なんだ?
気が付けば、僕はなにか、球体の中にいた。
…ガラス?
じゃぁアリスの、魔法か。
「[二面体世界]!!!」
ガラス越しの向こうで、アリスがあの天使と戦っている。
アリスが珍しく疲れているようだ。
…アリスの魔法で、天使の居る場所が空間ごと折り畳まれ…
ドォォォ
大きな音とともに、天使がそこから消えた。
…上?
「あ、おにいちゃん… 起きたんだ…」
アリスが疲れ切った声で言う。
アリスが僕を球体から出す。
「あの、天使… も、物凄く、強い…」
アリスが僕に寄りかかる。
「[全てを燃え尽くす者]」
美しい声がした。
おっとりとした、聞いていて眠くなるような声だ。
ゴォォォォォォォ
大量の炎の雨が降って来た。
「[水の壁]…」
僕は無理だとわかっていながら水の笠を形成する。
ジュッ
水が全て蒸発した。
…無理だ。
大量の炎が迫る。
僕はギュッと目をつぶる。
「[星天魔法: 超新星爆発]」
冷静な、高い声がした。




