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テオとイズの冒険日記  作者: モードー
日記帳一冊目【無理なお使い】
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42/58

041【封印の門】

〖神暦 3240年 4月 9日〗

 日記の筆者「アリス」

 場所「バター高原」




「…といっても、まぁ大魔法使いなんて到底会えるものじゃないし…」


ワタシがつぶやくと、イズが、こちらを向いた。


「何の話かよくわかんないけど、その大魔法使い、ここにいるわよ!」


イズが叫ぶ。


「あ、忘れてたわ。」

「忘れんじゃないわよ!」


「…あのさぁ、イズ、イズってそんなに強かったっけ、魔装魔導衛兵ガーディアンと戦った時、逃げてじゃん。」


お兄ちゃんがイズとフィルの戦いを眺める。


「…だって怖かったんだもん! 今は死ぬ可能性が0だから本気出せてるってわけ!」


…あんまりよくわからない。

…『死ぬ可能性があるから本気をだす』のほうが正しいのでは?


「ヴァルジュ スペラ ファステ カイラ マス トロ ヴァレ タイト ウェルヴェ カリス ミュウ ファルトス アーカラス ヴェルダ フォルト アル」


イズが早口で呪文を唱えた。


「星よ、その輝きを我が下に!!![星天魔法: 牡牛之眼アルデバラン]!!!」


イズが叫ぶ。

すると、赤い炎のような粒子があたり一面を覆い、その粒子が集まり、一つの大きな火球と成った。

その火球が、あの猫目掛けて飛んで行く。


「…星天魔法か、なら [黒氷]!」


フィルが叫ぶ。

すると、なんとお兄ちゃんの大声がした。


「ああ! もう! フィル! けがは?! そんでイズ! あんた、もういい加減にしなさい!」


…ワタシは生まれて初めてお兄ちゃんが、怒るのを見た。

…案外怖くない。


「…」


イズがこちらへ飛んできた。


「…ごめんなしゃい…」


それに続き、フィルも「ごめんなしゃい」と言った。


「…はぁ、わかればよし。 っていうか、イズってそんなに強かったの?」


お兄ちゃんが、イズをまじまじと見つめる。


「…まぁね。」


イズが少し自慢げに言う。


「よし、じゃ、龍の村に行くか。」




数十分後




「…白龍さま?」


一匹の、60cmほどの小さな龍が、お兄ちゃんを見て言った。


「違うよ。」


お兄ちゃんは、少し首をかしげながら言う。


「そうですか… 白龍さまと同じ雰囲気がしたのですが…」


すると、リリーが、「案外マスターが龍本人かもよ?」と、わけのわからないことを言った。


「…ま、それはさておき、本物の白龍から、『白龍ふっかーつ。』って伝えろって言われているの。」


イズが、その龍に言う。


「…なるほど(?) わかりました。」


その龍が、クルクルと空中を回った。


「ま、とりあえず。 私からお願いしたいことがあるのですが…」


その龍が小さな手で手招きをする。


「どうしたの?」


ワタシは尋ねる。


「実は、龍球りゅうきゅうが、行方不明で、あなたたちが、魔法使いと見えたので、何か案が欲しいのですが…」


「…それって、ビー玉みたいなもの?」


イズが言う。


「…ええ。」

「…なら、持ってるかも。」


イズが魔法で、何かを取り出した。


「…え?」


その龍が、目を丸くする。


「んで持ってんの????」


その龍が、敬語を辞めた。


「…なんか、商人からもらったんだよね。」


イズがその球体を龍渡す。


「マジ?」

本気マジよ。」

「うぃぃぃぃ、やったーー。」


その龍が、はしゃいだ。


「ところで、その球体、なぁに?」


ワタシは、その龍に尋ねる。


「これは、鍵みたいなものですよ。」


気が付けば、龍の村を通り過ぎ、奥まった洞窟のようなところに来ていた。


「魔導天界国、ヴェルトラオム。」


その龍がつぶやく。




数分後




ワタシたちは、その龍の行く方向へついていき、大きな門の前に居る。


「ここにはめると…」


その龍が、龍球を台座にはめ込む。


ドゴォォォォ


大きな音がした。


「ああ、うっそ!」


その龍が、叫んだ瞬間、私の体が、門へと引き寄せられた。


「ごめんなさ…」


その龍の声がかすかに聞こえた。





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